新しい仲間
「おお」
「とけた?」
「GUAAAAAAA!!!」
ファフニールは喜びの咆哮なのか初めのよりも大きく吠えた。俺たちは両手で強く耳をふさいだ。
ファフニールが吠え終わると俺たちは耳から手を放し
「おい!こら!だからうるせえんだって!」
「近所迷惑だー!」
「おっとこれは失礼した。あまりに嬉しかったものでな」
やっぱりうれしかったんだ。それもそうか200年封印されて暇だったんだから。…ん?待てよ。封印されていた邪龍を目覚めさせてしまったという事は…。
「なあ、澤田…。今更かと思うが俺、大変なことをしたんじゃ…」
「おう。俺も今気付いた」
「ん?どうした?」
俺達のひきつった顔を見てファフニールが顔を近づけてきた。
「いやー。俺達やっちまったかなーって…」
「何をだ?」
「邪龍の封印を解いちゃったわけだから…」
「俺達が殺されるとか…」
俺達がそう言うとファフニールは高らかに笑った。
「そんなことあるはずが無かろう。お主等は恩人だ。邪龍と呼ばれたとて恩人を殺すようなことはせんよ」
その言葉を聞いてほっとした。
「あーそれで聞きたいことがあるんだけどさー」
「む?なんだ?」
「これわかるか?」
俺はそう言って機械の中にあった部品をいくつか見せた。
「ふーむ。これは…」
「わかるのか?」
「詳しくはわからぬがおそらくは封印が解けた時にそれをどこかへ知らせるものだな」
「まじか!」
どうやらこれらの部品は本体の回路とは別で付けられていたからどういう物なのかが理解できなかった。
「という事は…」
「うむ。我の封印が解かれたことはもうすでに知られておるだろうな」
「それやばくないか?」
「ああ」
澤田に同意した。おそらく調査のためにここに人がやってくる。俺たちが封印を解いたとばれれば…。想像は難くない。
「急いでここから離れよう」
「む?行くのか?」
「当たり前だろ。ここを離れないと誰かが来て見つかる。そうなれば終わりだ」
「確かに…。では我も連れて行ってはもらえんか?」
「はい?」
「は?」
俺達はそろって間抜けな声を出した。きっと開いた口は塞がっていない。
「お主等には恩義がる。それを返したいのだ」
「うーん。どうする?」
「いいんじゃないか。別に何か企んでるわけでもなさそうだし。ドラゴンがいた方が色々と楽だろ」
「まあ、確かに。でも絶対に目立つよな」
「ああー」
この巨体だ。街に向かう道中で絶対に見つかる。そして通報されて終了。結末は目に見えている。
「それなら心配はいらん」
ファフニールはそう言うと身体が光り始めた。そして体はどんどん小さくなる。しまいには15センチ定規ほどの大きさになった。
「これでどうだ?」
「…どういう仕組みなんだ?」
「これは『縮小』というスキルでな。物体を小さくできるのだ」
「へー」
「そこは普通、女の子になるパターンじゃ…」
「澤田…それは俺も思った」
アニメや小説だったらドラゴンが女の子になってーというのはよくあるが。
「できなくはないがそれは持続するのに魔力を使うのだ。とてもではないがずっと人の姿で織るのはきつい」
「なるほど」
「ちゃんとした理由があるのな」
そうして俺たちは邪龍ファフニールを仲間として迎えた。信用はできると思う。龍は誇りが高い。だから一度言ったことは曲げない。そんな固定概念を今は信じている。




