分解
「ばらしたいって…これを?」
驚いたように澤田が言った。
「おう。なんか気になるじゃん」
「できるのか?」
「さあ。失敗しても別に何もないだろ」
「それは違うぞ」
「えっ?」
ファフニールによるとこの機械は特殊な物らしく正しく解除しないと封印されたものが死ぬんだそうだ。なんと物騒な。新手の時限爆弾かな?
「うーん。魔法の事は全く知らないけど何とかなるだろ。いつも俺そんなんで何とかなってきたし」
俺はそう言いながら機械に近づく。
「おい!やめろ!」
「無駄だよ。ああなったら聞かん」
「むー」
ファフニールは不機嫌そうに唸った。それもそうだ。何せ自分の命が係っているんだ。俺もそうする。
「でも、まあ。何とかなってきたのは本当だし任せてもいいと思う」
ナイスフォロー澤田。
「…俺の知る限りでは」
「……最後の言葉は余計だろ」
機械を見てみると。立方体の機械で特に何かボタンやスイッチがあるわけでもない。
中がどうなっているのかが気になる。機械は電気で動くものだがこの世界に電気という概念はなさそうだ。あの4人と行動してた時も電気は使わずたいまつだった。なんと原始的な。
というわけで何を動力としているのかが気になる。
「澤田―。ナイフ貸してー」
「いいけど、何に使うんだ?」
「ドライバーないからナイフで回す」
「できるのか?」
「よくハサミでやってたりしたから大丈夫」
「器用だなー」
澤田からナイフを借りてネジ穴に刃を当てる。-ネジなので楽に回せそうだ。何故マイナスネジを使っているかという疑問だが、理由はここが洞窟内だからだろう。マイナスならネジ穴に水がたまることはない。これを作った人はネジの特性をちゃんと理解している。というかこれを作った人って俺たちと同じ世界の人なんじゃ…。
「決めるのは早いか…」
「何がだ?」
「んー。これを作った人ってどんな人だろうなって」
澤田と話しながらもネジを回していく。
「あー確かに。俺達と同じ世界の人とか?」
「それは断定できんだろ。元の世界とこの世界の2つしかないなんてことはない」
「それはそうだな」
「っと、開いた開いた」
ネジを取り終えてカバーを外す。中は基盤やら電子部品が詰まっていた。ところどころにLEDもある。
「これ作ったのってやっぱり俺達と同じ世界の人なんじゃ」
澤田の言う通りかもしれない。この中にある部品は俺達の知っている物ばかりだ。学校で習った回路や制御方式なんかを採用している。という事は
「何とかなりそうだな」
俺はどんどんばらしていく。
「ここがこうだから…こうか。ほんで…」
「何とかなりそうなのか?」
ファフニールが聞いてきた。その声には少し不安が混じっているように思える。
「多分」
「多分て…。借りにも人の命がかかっているんだぞ」
「何とかなるだろ」
「はー」
澤田は呆れたようなため息をついた。
分解を進めて1時間ぐらいが経っただろうか。解体も終盤だ。
「ここをこうして…これを切れば…よし!終わった―」
俺は両手を上げながら後ろに倒れ込む。そして後ろにいたファフニールの変化に気付いた。
ファフニールの体から黄色い粒子が上に登っていくようにはがれていった。




