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異世界で波乱万丈  作者: かめロンと深山傍喰
ここはどこ、わたしはだれ?
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持ち物整理

 目が覚めると崖の上に寝ていた。澤田は隣で倒れていた。

 服装はさっきまで一緒にファミレスに行っていたときと同じ服。

 周りは暗く、月や星の光で周りが照らされている。


「う、うぐ」


 澤田も目を覚まし起き上がった。


「おはよう」


 そう言うと澤田は「おはよう」と眠そうに答えた。


「で、ここどこ?」

「知らんし」


 澤田にそう聞いたら即答された。

 俺達の後ろは森。崖の下も森。見える限り一面森だった。


「…」

「…」


 お互い無言になる。

 覚えているのはファミレスで卒業祝いの食事をして店を出て二人で道を歩いていた。それだけ。どうやってここに来たのか、なぜ来たのかなんてことはさっぱりわからなかった。


「理由…わかるか?」

「わかってたら説明してるよ」

「だよなー」


 澤田も俺と同じような感じらしい。

 そして、近くに落ちていた黒い大きなカバンを見つける。それは俺がさっきまで背負っていたリュックだ。結構大きく使い勝手いいからよく使っていたものだ。

 俺はリュックを取り、中身を確認する。


「荷物あったんだ…」

「ああ。澤田も探せばあるんじゃね?」

「そうだな」


 澤田は立ち上がって自分の鞄を探していった。すぐに帰ってきて俺の前に座る。澤田の鞄は小さめのショルダーバック。肩にかけると背中に鞄が来るタイプの奴。

 それぞれ自分のカバンの中身を確認する。


「財布に携帯にロボプラと…」


 物を言いながら鞄から出していく。ロボプラとはロボットプラモデルの略である。


「なんでロボプラが入ってるんですかねー?」

「お前と会う前にジョーチン行って買ってきたんだよ」

「何買ったんだ?」

exs(エクス)

「exsほんとに好きだよな」

「かっこいいからな」


 exsを好きな理由は立ち姿がかっこいいんとICSシステムがかっこいいとかいろいろ。


「それで澤田は?」

「財布と携帯だけ」

「それだけ?」

「食うだけだったからなー」

「まあ、普通はそうか」


 さらにないか鞄を調べていくと奇妙なものがあった。


「なんだこれ?」


 鞄から出して手で端を摘み表裏を交互に見る。

 それは黄色のカードだった。大きさはその辺のポイントカードと同じぐらいだった。表と思われる面には文字が書かれている。


「名前と年齢と…ステータス?」


 名前と年齢の下に体力値や魔力値、俊敏値などステータス情報と思える物が書いてあった。


「こっちもあったわ」


 澤田もカードを出して確認している。


「こっちも同じだな。名前と年齢とステータス、それとスキル?」

「俺もスキルあったわ。スキル名は『ロマンの探求Lv(レベル)1』?」


 パッと見全然わからない物が書いてあった。


「どんなスキルだ?」


 カードのスキル名の所を触ってみる。するとスクリーンのようなものがカードから飛び出した。


「うわ!なにこれ…」

「なんか…すごいことになってるな」

「澤田はどうだったんだ?」

「こっちは『衛生兵への憧れLv1』だってさ」

「そっちはまだわかりやすそうだな」


 そう言いながらスクリーンを見る。


『スキル詳細:自分のロマンを探求し続けることができる。』


「さっぱり意味が分からん」

「なんて書いてあったんだ?」

「あー、えっと…。ロマンを探求し続けられるってさ」

「なんだそれ…」

「知らん。それよりそっちはどうだった?」

「こっちは衛生兵を目指すことができるだってさ」

「…まだ、俺のよりはわかりやすそうだな」


 お互いのスキルが意味不明すぎる。まだ澤田はいい。澤田のスキルは『衛生兵』という名詞がついている。きっと衛生兵に関わることができるのだろう。だが、俺はロマンしかない。一体何をどうしろというのか…。


「財布の中身はどうだろ?」


 澤田は財布の中身を確認する。


「…」

「どうした?」

「いや、自分の財布を見てくれ」

「は?」

「いいから」


 俺は澤田に促されるまま自分の財布の中身を確認する。そして絶句した。

 財布の中身はすべて銅貨や銀貨になっていた。ゲーセンのカードやコンビニのポイントカード、ジョーチンのポイントカードと札や小銭がすべてなくなって銅貨と銀貨になっていた。


「マジでなんなの?」

「知らんよ…」


 俺達はしばらくの間無言だった。

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