お話
洞窟にて。
「取引ってどういう?」
「簡単だ。我はこの世界について話す。お主等はお主等の話を聞かせてくれ」
「どうして?」
何故そんな取引をするのかが謎だ。何か俺達にはわからない目的があるのかもしれない。なんせ邪龍だし。
「封印されて以来、暇でな。その暇を紛らわしたいのだ」
「暇なんだ…」
「そりゃそうだろ。200年もじっとしていればなー」
「確かにそうだけどさー」
「つるっぴだって暇なときあるだろ?」
「あるぞー」
俺は暇が嫌いだ。常に何かをしていたい。理由は簡単だ。暇より退屈なことはない。
「まあいいや。俺は眠いから澤田、パス」
「は!?ちょっおま…」
俺は澤田の抗議も聞かずに横になる。
つるっぴは速攻で寝てしまったため、俺が話すしかなくなった。
説明は苦手なんだけどなー。
「はー。わかった少し話すわ」
「おー。それはありがたい。では我も話すとしよう」
「いや、それはつるっぴが起きてからにしてくれ」
「わかった。では聞かせてくれ」
それから俺はファフニールに元の世界について話した。後でつるっぴにも補足してもらおう。
夢を見た。昔の夢だ。
「ここをこうして…」
「せんぱーい」
後輩に呼ばれてすぐに向かう。
「上手く歩けないんですけどー」
「えーっと…。ここをこうした方が―――」
「あーなるほど」
俺は高校でロボットを作る部活に所属していた。全員で7人という少人数だ。しかも3年は俺一人だけ。でも、少人数だからこそ楽しかった。大人数は好きじゃない。なんていうか、自分を出し切れないようなそんな感じがするんだ。
あの時は楽しかった。でも、あの時にはもう戻れない。なら俺はどうする?ここでは元の世界のようには動けない。なら…
「いてっ」
何かに手をぶつけた。結構痛い。
「どうした?」
「あー。手ぶつけた」
「大丈夫か?あ、血出てるやん」
「…ほんとだ」
手の甲で少し血が出ていた。でも、これくらいなら舐めておけば直る。
「ん?なんだけがをしたのか。直してやろう」
ファフニールはそう言うと指先で魔法陣を展開させた。今度は黄緑色に光り始める。すると、傷口に黄緑色の光が降り始めた。
「おー。治った」
「よかったやん」
「おう。というかファフニールはなんで魔法が使えてるんだ?封印されていたんじゃ…」
「当初は魔法は一切使えなかったのだがな、最近は封印の力を弱まり始めた。そのおかげで魔法を少し使えるようになったんだ。と言っても攻撃魔法は一切使えんがな」
「へー」
「封印ってどういう物なん?」
「あれだよ」
ファフニールが指さした方向には何かしらの機会が置いてあった。大きさは1メートルの立方体ぐらい。
「あれが?」
「そう。我は勇者に倒されたが完全には消滅できない。だから封印する必要があったんだが…。どうやら当時の勇者は封印の術を持っていなかったらしい。そこであのような魔法道具で我を封印したというわけじゃ」
「魔法道具?あれってただの機械じゃ…」
どう見たってあれは魔法で動いているような機械じゃない。元の世界の向上にあった機械そっくりだ。
「……ばらしたい」
俺の口からぽつりとそんな言葉が出た。




