連携
「どうする?」
俺は小声で澤田に聞く。
「…撃った方がいいんじゃないのか?」
「専守防衛はどうしたw」
「それは相手が人だった時。今は狼w」
「わかってるよw」
なぜか、こんな時だというのに澤田といると生死と向き合っているという実感が無くなってしまう。
「この距離で当たると思うか?」
「当たるんじゃないのか?」
「あいまいだなー」
「ほかに言いようがないだろ」
「確かにそうだけど」
いまだに自分たちの取るべき行動がわからない。
前の4人はいつでも迎え討つ準備が整っているように見える。なのに俺たちはまだ武器すら握っていない。
やる気あんのか?みたいな状況だ。
どうしよう。このままだと後ろの2人を守り切れない。
私達のパーティーランクC。相手はBランクの魔物。私達は自分の身で精いっぱいになる。
どうすれば…。
「2人を逃がすことを最優先にするわよ」
レナが私たちに支持をする。レナの判断は私たちが犠牲になっても後ろの2人を逃がそうという事だ。
2人はきっと実戦経験がない。今も後ろでどうしたらいいか悩んでいる状態だ。それなら早く二人を逃がした方が私たちの生存確率も上がる。
私達はレナの指示に頷いた。
「あなたたち、早く逃げて!ここは私たちが足止めするわ」
レナが大声でこっちに指示を出してきた。
どうやら俺たちは足手まといらしい。
「どうする?」
澤田が俺に判断を煽ってくる。
「どうするって…」
ここで逃げた方がお互いの生存率を上げる手としては最善だろう。でも、きっと俺はその後で後悔する。
この4人の事を心配になっておちおち寝ていられなくなる。そんな経験は嫌というほどしてきた。
それだけじゃない。邪魔だと言われるとちょっとイラッと来る。
「澤田、突っ込め」
「はっ!?ちょっと待て殺す気か!」
「援護するから。俺の武装じゃ近接は無理だ。それに俺より動けるだろうが。ほれ」
俺は持っていた9ミリ拳銃を澤田に返す。そして、俺はスキルからスマートガンを出して構える。
「んじゃ、いってらっしゃい」
「…死んだら、末代まで呪ってやる」
「安心しろ。俺に子孫はできんよ」
澤田は大きく深呼吸して、走り出す。4人を追い抜いたところで両手に持った拳銃を構えてフルオートで連射する。弾はばらけ、AIMもクソ。だが、5メートルという短い距離。これなら大体が当たる。
澤田の射撃で2キル。残り2匹。
「グァアアア――!!」
澤田に向かって2匹が噛み付こうと跳びかかる。2匹は澤田の正面。一匹をスマートガンで撃ち抜く。
さすがにヘッドショットはいかない。
一匹は始末した。だが、残ったもう一匹は間に合わない。
「あぶな!!」
澤田はスライディングして紙一重で躱す。
スライディングした澤田はすぐに体勢を立て直せていない。そこにもう一度噛み付こうと跳びかかる。
「甘い!」
俺は狼の頭を撃ち抜く。狼はばたりと地面に落ち、動かなくなった。
「あっぶなー」
「ちゃんと援護してくれよ!!」
「したじゃんw」
「死ぬかと思ったわ!!」
「2匹同時とか思わなかったよ。はははw」
「この野郎…」
呆然と立っているだけの4人を置いて俺は倒れている4匹を確認しにいく。




