出発
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「exsはどれくらいできたん?」
俺がかたずけをしている横で澤田が聞いてきた。
「結構できたぞ。後は武器くらいだな」
俺はそう言い場がら澤田にexsを見せる。
「やっぱりつるっぴはうまいよなー」
「うまくないよ。これは素組みだし。墨入れとかやすりとかあればもっときれいにできてる」
墨入れだけでもプラモは大きく変わる。他にもデカールや筋彫りなんかをするともっとかっこよくなるのだ。それができない今の環境は俺にとっては最悪と言っていい。
「ほんと、そういうところはこだわるよな」
「こだわらないといけない部分だろ」
「俺はそういう細かい作業は無理だからなー」
「それは衛生兵としては致命的なのでは?」
話しながら片づけを続ける。
片づけをし終わったところで4人組が戻ってきた。
「あなたたちの同行を認めるわ。よろしく」
大剣の女はそう言って握手を求めてきた。俺はそれに快く応じる。
「私の名前はレナ。そして、ミルハとティアとアンよ」
大剣がレナでミルハがさっき前に出てきた奴。ティアは黒髪ショート、アンは金髪セミロングか…。
「俺はかめロンだ。こっちはミヤマカタバミ」
お互いに自己紹介をした。と言っても俺たちは偽名だ。何故なら俺はこの4人を本当に信用したわけではない。できるだけ情報は渡したくないのだ。
澤田の名前も勝手に決めたが別にいいよな?ミヤマカタバミはあいつのゲーム名だし、気にしないだろ。
「私たちはこれから以来のために薬草を採取するの。だから、少し待ってもらうことになるわ」
「わかった。それまで待っておくよ」
その後は俺達は待機、4人は採取になった。
「なんで偽名にしたんだ?」
俺が少しでも睡眠をとろうと横になっているところで澤田が聞いてきた。空気読めよ…。
「ここはおそらく異世界だ。そんなところに別次元の人間だって知られたら厄介だからな。面倒事はごめんだ」
「名前だけでそんなことなるか?」
「知らんが可能性はある」
まあ、それだけじゃないんだけど…。
「そういうものか?」
「そういうもんだ。それと、9ミリ拳銃もう一丁出せるか?」
「出せるけど。どうした?」
「貸してくれね?」
「スマートガンあるじゃん」
「あれはでかすぎて立ち回りにくいんだよ」
「ああー。なるほど」
俺は澤田から9ミリ拳銃を受け取る。
「それと、マガジンもくれ」
「どうやって出すんだ?」
「イメージすれば出せるよ。お前が寝てる間に確かめておいた」
9ミリ拳銃とマガジンをポケットにしまう。安全装置はあるはずだし大丈夫だろう。
「俺は少し寝るよ。出発になったら起こしてくれ」
「了解」
それから出発まで寝た。目を閉じるとすぐに眠りについた。
「おーい」
俺は澤田に体を揺らされて目を覚ました。
「あー。出発か?」
「おう」
俺は起き上がり大きなあくびをしながら鞄を背負う。
装備は9ミリ拳銃とそのマガジンが3つとサーベルが一本。スマートガンは邪魔なのでしまっておいた。澤田は9ミリ拳銃とナイフ。マガジンは自分で出せるため携帯する必要はない。
「中のロボプラは大丈夫か?」
「多分大丈夫。ランナーが入っていたナイロンに入れてあるから多少は無理できるぞ」
「壊れても知らんぞww」
「怖いこと言うなよww」
澤田と少し話しているとさっきミルハと紹介された子から話しかけられた。
「お二人はとても仲がいいんですね」
「…まあ、腐れ縁だしな」
「ここまで来ると腐れ縁かどうか怪しいけどな」
「ほかに何がある?」
「呪いとかw」
「ぜっっったいに嫌だなw」
馬鹿なことを言いながら出発した。