これまで
割と参考にしている部分とかが多かったりします。なので悪しからず。
その日、俺は親友の澤田 勝人と一緒に卒業祝いとしてファミレスで食事していた。
「ぷはー。コーラうめえ」
「言動がおっさんやな」
「何を言う!俺らはもうおっさんだ」
「はは!確かにそうだな」
俺はドリンクバーで注いできたコーラを飲みながら料理が運ばれてくるのを待っていた。澤田はジンジャーエールを飲んでいる。
「卒業したなー。思えばあっという間だったな」
「そうだなー」
俺達は今日、卒業した。2人でこれまでの学校を振り返りながらジュースを飲んでいた。
「まあ、色々あったがお互い無事に進路も決まっての卒業だ」
「だな。つるっぴは専門学校だっけ?」
俺は澤田につるっぴと呼ばれている。その理由は俺の名前が鶴野 陸斗だからだ。
「おう。ロボットの専門学校。澤田は防衛大か…。よくは入れたよな」
「進路の先生に合格したら奇跡って言われてたからな」
「いや、マジで受かるとは思わなかったよ」
「俺も」
防衛大は県で一番の公立進学校でも難しいと言われている。澤田はその中の看護科を受けて奇跡的に受かった。俺はロボットの専門学校へ進学することになっている。お互い、それぞれの夢に向かって歩き始めたというわけだ。
「これで、つるっぴとも離れ離れだな」
澤田がしんみりと言った。俺と澤田は小学からの付き合いだ。一度中学の時に澤田が引っ越しして学校が違っていたが、高校の受験の時にばったり会った。同じ工業高校でしかも同じ学科だった。あの時はマジで驚いた。
「そうだな。腐れ縁もこれで終わりだ」
「だな」
そんなことを言っていると料理が運ばれてきた。
「お、来た」
俺の前にチーズチキンが置かれ、澤田の前にナポリタンとイカスミパスタが置かれる。
「毎度思うけどよく食うよな」
澤田はいつも2皿頼む。1皿でも十分量があるというのに「足りない」と言っていつも2皿頼んでいるのだ。
「育ち盛りだからな」
澤田は威張るように言った。
「今何歳だよ。それにお前の身長は小学で止まってるんだろ?」
「でも、去年は1センチ伸びてたぞ」
「それって大きいのか?」
「でかいんじゃね?」
話しながら食べ始める。
「そういえば、最近地震多いよな」
「だな。東北、九州、北海道だろ?」
「次は近畿か関東か、どちらにしても来たら自衛隊のお前の出番だな」
「防衛大は4年かかるぞ」
「お前が留年しなかったらな」
「おま!ちょ!…まあいいや」
俺達は近畿地方に住んでいる。だからいつ地震が来てもおかしくないような感じなのだ。かと言ってもし起きたらなんて考えて、想像してみるが自分がその時どう行動するのかなんて一向にわからない。
「地震が起きるのって30年以内だっけ?」
「あれ?70年じゃなかったっけ?」
「それは前の時の情報だろ。今は30年以内だったと思う。知らんけど」
「そっかー。生きているうちに必ず起きるんだなー」
「そうだな。しかも、多分働き盛りの時に」
「うわ!それは痛いなー」
そう話しながら食べ勧める。
食べ終えて会計を済ませて店を出た。
外へ出ると周りは街灯や家の木漏れ日が道路を照らしていた。現時刻は8時を過ぎたあたり。
「結構寒いな」
「3月の夜だからなー。昼間は割と暖かいけど」
話しながら道を歩いて行く。俺たちのすぐ横を車が時々行きかう。
この3月の初めの夜の道は俺達にとって少し居心地のいい場所だった。
今日でお互いの顔を見ることはもうないかもしれない。少なくとも4年は会えないと思う。
これで最後…
と思ってたんだけどなー。