やりなおせる第一歩
まずこの小説を見るに当たっての注意を書いておきます。
・普通に主人公は負ける確率があるためそこまで無双では有りません
・クオリティ低いです
・主人公(八月)はほのぼのとしてんのか中身ヤンキーなのかわからなくなります
それでも良い方は先へお進み下さい。
夏の日差しがまだ強い夏の終わり頃、大学の休みを利用して友人と二人で旅行に来ていた。
「ごめん、我が儘言って。」
「いやー、お前から旅行に行きたいとか初めて聞いたからびっくりしたぞ!」
「そうだったかな?もう覚えてないや。」
運転しているのは友人の浩広、あだ名はコウって事で定着している。
「コウは大丈夫だった?彼女とか…。」
「居たら苦労しねぇよ!…ヤツキ…彼女、欲しいな。」
「そうだね…あ、ちょっと停めて。」
「え?お、応。」
車を停めて貰い古ぼけたオモチャショップの店先に足を運ぶと、昔ハマってたアクションRPGゲームのソフトと個体が置いて有った。
「うわぁ…随分懐かしい物発見したな。」
「コウもハマってたよね?」
コウとの出会いはこのゲームの話題だった、一人でレベル上げ作業をしていたところにコウが。
「スゲー!滅茶苦茶強えーじゃん!」
「え…そう、かな…。」
転校してきて初めて話しかけられた相手がコウだった、もしこの時コウから話しかけられなければずっと一人だっただろう。
「俺浩広!皆からはコウって呼ばれてんだ!よかったら友達になってくれ!」
「う、うん…よろしく…。」
それからはコウとずっと仲が良くて、今では唯一無二の親友となっている。
「懐かしいな…ちょっと買ってくる。」
「おう、じゃあ先車戻って…ヤツキ!」
「え?」
コウの方を振り向くとこちらに猛スピードで直進してくる軽トラがコウと僕を…撥ね飛ばした。
「ううん…あれ…ここは…コウ!」
すぐ近くで倒れているコウを支える、特には外傷は無いようだ。
「あれ…ヤツキ、無事だったのか?」
「分からない…それにしてもここは…。」
「…もしかしてコレって転生もの!?」
「何言ってんの、バカ言ってないでさっさと立つ。」
「でもよ!このままのテンプレならボインで美人の…。」
「美人でボインで無くて悪かったの。」
近くに三頭身くらいのお爺ちゃんが座っていた。
「…何でだぁぁぁぁ!何でここだけ一昔前のRPGみたいな構成になってんだぁぁぁぁ!」
「コウ、落ち着いて。」
腹にボディブローを捻り込む。
「騒ぐ前に話を聞かないと。」
「うごっ…お前、ボディブローは止めてくれって…。」
「お爺さん、ここはいったい何処でしょうか?」
「ここはな、地獄と天国の境目じゃよ。」
「…はい?」
「だから地獄と天国の境目じゃよ、分からんか?」
「…もしかして、僕達死んでます?」
「そうじゃな、今の自分の状態を見てみるか?」
Win○ows xpとシールの張られている古いノートパソコンを開きこちらに開き見せてきたものは…。
「何だよこれ…。」
お互い首と腕が変な方向にネジ曲がり、頭と耳、更には目から血を流し、とても見てられないものだった。
「うっ…。」
吐き気が止まらない、目眩までしてきた。
「大丈夫か?」
「すまんの…わしらの管轄だったんじゃが…それで…。」
「誰だよ!俺達をこんなことにしやがったのは!」
「…それは言えん、このままではお主は地獄に突っ張りそうで見てられないからの。」
「うるせぇ!このまま大人しくしてられっ…ヤツキ?」
「…今は、話を聞こう。」
「…おう。」
大人しく地面に座り黙りこんだ。
「続けて下さい。」
「う、うむ…では続けるぞ、それで天国の主である神と地獄の主である閻魔がお互いに承諾し、詫びとして異世界を一つ『作っても』良いと言うお達しが来てな。」
「異世界を…。」
「作るだぁ!?何言ってんだ。」
「天国と地獄の中間管理職をなめるでないぞ、えーと…ツクールは何処にやったかの。」
「ツクールかい!」
話に入り込むように片手を軽く上げ、質問する。
「…あの、一つ良いですか?」
「何じゃ?」
「この死体の僕が持ってるゲームを再現できませんか?」
「大丈夫じゃが…もっとハーレム的な世界を作った方が良いと思うんじゃが…。」
「それと僕の状態を中盤の港町のに全部再現してください、道具からステータスまで、全て。」
「oh…何故中盤なんじゃ、最後の奴で良いじゃろ。」
「なんだったらもっと無理難題を出しますよ。」
「わ、分かった!状態を中盤の港町じゃな!全く…最近の若者は人使いが荒いわい。」
カタカタとキーボードを打ち込み始めた。
「コウはどうする?」
「え?俺か?勿論着いてくぜ、ジジイ!俺も中盤の状態にしてくれ!」
「裸に木の枝じゃったかな。」
「ちげーよ!どうなったらそうなるんだよ!」
「全くうるさいのう、そうしてやるから早くいかんかい。」
「って、何処にだよ。」
「あの扉じゃよ、くぐれば自動的にその場に着くが10分程気を失うから気をつけるんじゃぞ。」
指差す先には金色に光る扉が鎮座していた。
「やっぱ気を失う系かよ…まぁ良いや、ヤツキ!先に行ってるぞ!」
「うん、僕も後を追うよ。」
コウは扉を勢い良く開き飛び出していった。
「さて…じゃあ僕も行こうかな?」
「気を付けての。」
開いた扉の前に立ち止まり少し振り帰る。
「…貴方の思惑はどうでも良いですが、こっちは出来る限りド派手に暴れさせて頂きますよ…『神様』。」
「!!」
一歩踏み出し、闇に包まれた。
「…行ったか。」
「あの青年…随分と食わせ者じゃったな、閻魔。」
黒い靄から赤黒い衣装に身を包んだ男が現れた。
「ようやく選定された意味も分かったぜ…出来る限り暴れる環境を要求するなんざ誰も思い付かねぇよ。」
「ほっほっほ、ではどのように暴れるのか…見せてもらうぞ。」
目を覚ますと、辺りは草原のど真ん中だった。
「…うん、この装備は覚えてる通りだ。」
数々の呪われた装備を綿密に組み合わせ続けることに一ヶ月丸々費やした装備一式、プラス効果は
・全体攻撃
・絶対先制
・攻撃力常に10倍
・即死確率79.4%
・移動速度2.5倍
・全異常状態耐性無効。
とぶっ壊れ性能だがデメリットは。
・常時HP1
・常時素手
・常時スタン確率30%
・敵のステータス2.5倍
・どんな即死攻撃もHP1は残る。
・敵の攻撃は必ずクリティカル
・敗北時デメリット3.5倍
と随分リスキーな効果となっている、だがこのジョブなら問題ない。
「クロウラー…HPがギリギリの敵を道具に書き換える能力を持ったこれなら効率良いし先手でHP1に置き換えたら問題ないしね。」
ただ問題は…。
「呪いを解除したら全部剥がれちゃうのが欠点なんだよね…。」
実はソロ縛り、無殺縛り(道具化はカウントしない)、素手縛り、回復道具縛りをやってる真っ最中だったのだ。
「完全に忘れてた…まぁいざとなったらコウを盾にすれば良いか。」
「怖いこと言うなよ…。」
「あ、コウ。」
「そっちも無事に…うわぁ…相変わらず禍々しい見た目してんな。」
「格好いいでしょ?」
「ラスボスもドン引きするレベルだよ。」
よく昔も言われてたけど何処が禍々しいのか分からない、ただ背中から闇のオーラが常時漂っているだけなのに。
「で、これからどうすんだ?ここが何処かも分からねぇんじゃどうしようも…。」
「初めの村から3エリア離れた草原のBブロックだよ、恐らく倉庫に預けている道具も反映されてるはずだから先ずは村を目指そう。」
「何で分かるんだよ。」
「マップを完璧に暗記してるからね、例えばあの岩は若干傷が付いてるからエリア2方面だね。」
「すげぇ記憶力だな。」
「まぁね、じゃあ行こう。」
移動するとやはり体はとても軽く、移動速度がとても早いため村まで5分も掛からなかった。
「わぁ…。」
子供の頃に見てた景色と一緒だ、ただ一つだけ違うのが有る。
「…バルベルデ騎士団支部、こんなものは無かった筈なんだけどな。」
…やっぱり予想が当たりそうだ。
「ぜぇ…ぜぇ…やっと追い付いた…。」
「遅かったね、待ちくたびれたよ。」
「そりゃあな…ん?こりゃ何だ?」
「その事なんだけどこっちに来てくれないかな?」
「おう、分かった。」
人気の無い路地裏で自分の予想していることをコウに喋ることにした。
「この世界は塗り替えられてるだぁ?」
「うん、恐らくだけどね。」
僕が予想していたのは元の異常が有った世界を良いように塗り替え、僕達に解決させようとして居ると言うことだ。
「なるほどなぁ…つか何でそんなに頭が切れるん…何だ?」
家の前で白い鎧を着た騎士達が袋一杯に荷物を詰め込み、立ち去ろうとしようとしている。
「何だありゃ…。」
もう少し近づき、話が聞こえる位置まで近づく。
「止めてください!それは我が家の残された食料で…。」
「うるせぇ!俺達に逆らうってのか?」
コウが一歩踏み出した。
「…ヤツキ、俺達ってさ。」
「分かってるよ、せーので行くよ?」
「へっ、せーの!」
二人で思いっきり騎士を殴り飛ばした。
「っでぇ!なんだ!?」
「「うるせぇ、黙れ。」」
「な、何だ?やるってのか?」
「黙れって言ったのに。」
喉元に相当増幅されてる力を使い全力で蹴り飛ばした。
「グケェっ…。」
「さ、次。」
「お、覚えてろよ!」
捨て台詞を残して逃げようとする騎士を掴み、笑顔を浮かべる。
「あの騎士団支部に行くんでしょ?なら…。」
全力で建物に向かって投げ飛ばした。
「先に行ってて、直ぐに行くから。」
「よし、殴り込みだな!」
「うん!行くよ!」
「待て!」
「あ?何だジジイ。」
「お前達…よくもやってくれたな!バルベルデ騎士団に逆らうとどうなるか…。」
テンプレ通りの台詞を聞き、コウが大きな声で言い放った。
「その騎士団とやらをこれからぶっ潰しに行くんだよ!これはただ単に暴れたいからだ!文句あっか!?」
ほぼ全員が唖然としてる。
「行こう…先ずはこの世界に宣戦布告だ。」
建物前に立ち、力を溜める。
「これが僕の拳スキル…デッドクエイサー!」
『デッドクエイサー・拳スキルランクA+』
拳から放たれる力を一点に集中し、衝撃波を拡散させる遠距離スキルだ。
「おー、扉の裏に隠れてた奴等全員がぶっ倒れてるぜ。」
「さ、次はコウの番だよ。」
「しかし本当に出来るのかね…まぁやってみることには変わらねぇか。」
コウは背中に背負って居た大剣を構えて詠唱を始めた。
「夢をあまねく光の精霊よ、契りを断ちしこの者達に怒りを振り撒きたまえ!シュルトパニッシャー!」
『シュルトパニッシャー・精霊スキルランクB』
光が武器に収束し、多数に向かって光の塊が敵を追尾し、爆破する遠距離スキルだ。
「うし!俺も使えたぜ!」
「やったね、後は…。」
二階に続く階段を見上げコウと拳コツンをする。
「「さあ、ボス戦だ。」」
次回 「この世界と以前の世界」
如何だったでしょうか?まだ至らない点が御座いましたらコメント下さい