リーダーと呼ばれる者
やっと書けたから投稿
雷女の説得もあり、堺と言う男(?)となんとか別れた後、俺はリーダーと呼ばれる男のところに案内されることになった。
「ごめんね、堺さん男には目がなくて」
「だ、大丈夫。驚いただけだから……」
(正直恐怖を覚えたけど……)
「そ、そういえば、堺さんが言ってた『force』って何?俺が車に乗る前に君も言ってたような気がしたけど?」
「まだ言ってなかったわね。まあ、説明は面倒だからリーダーからきいて」
「あ、はい」
(面倒って……俺、展開早過ぎて思考が追いついてないんだけど)
などという俺の本音など知らないであろう彼女は、早足で廊下を通り階段を登り、
「ここがリーダーの部屋よ」
階段を登ってすぐの曲がり角を曲がった瞬間、木製の小さな扉が姿を現した。
「え…ここにリーダーがいるの?」
「ええ、どうかしたの?」
「いや、なんでも……」
組織のリーダーの部屋と言うからには、金属製の巨大な扉だろうと思っていたため、こんなに小さな木製の扉だとは思っていなかったのだ。
「じゃあ開けるわね」
「えっそんないきなり!?一言ぐらい声かけた方が……」
しかし俺の言葉も虚しく、彼女は扉に手をかけ、
──キィ
と言う小さな音とともに扉が押し開かれ、廊下の明かりが薄暗い室内を照らす。その光の先には、黒塗りの机がある。そしてその奥に
「っ!? 」
──死を感じた
机の奥に座っているのは眼鏡をかけた男性だ、が
(……物凄いプレッシャーだな……)
まるでこちらを敵だと認識しているかのような強烈な殺意と戦意を向けてくる。
「……おい」
「ひぃ!?」
突然男が声を発したのに驚いて一歩後ろに下がる。
「はい、何でしょう」
雷女はこちらを一瞥してから男の方に向き直り、何食わぬ顔で返事をする。
すると男はゆったりと、しかし力強さを感じさせる手つきで眼鏡を外し、こう言った。
「……人の部屋に入るときは一声かけてからにしろと何度も言っているだろう、綾乃」
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