待ち受けていた者
受験が近いので、更新速度が遅くなります
終わったらなるべく早く投稿するので、よかったら引き続き読んでくださいm(._.)m
「──宗太、逃げなさい!」
母さんが俺を庇うように両手を広げて俺の前に立つ。
「母さんダメだ!早く逃げて!」
「そ……」
母さんが何かを言おうとしたその時
──ドッ
鈍い音と共に母さんの胸元を、血に濡れた黒い輝きを放つ鋼鉄の手が貫いた。
「う、嘘だろ……」
「そ…うた…」
「母さん!母さん──」
「──うわぁ!」
「うわぁ!?」
慌てて体を起こして周りを見渡す。が、そこには母も鉄塊も居らず、たくさんの負傷者と隅っこに座ってこっちを驚いたように見つめる少女しか居なかった。
「……夢だったのか?」
あまりにもリアルな描写だったので未だに夢と信じられなかった。
「どうしたの?」
先ほどの少女もとい、前話で雷を放っていた謎の女が心配そうにそう聞いてくる。
「……いや、家族が鉄塊に襲われる夢を見てびっくりしただけだ」
「……そう、家族がいるの……あんな事があったばっかりだし、家族の事も心配よね」
彼女はそう言い、なぜか表情を曇らせた。しかしそれも一瞬の事で、
「まあ、家族さんや友人の安否は今向かっている本部に着けばすぐに分かるわ……ほら、ここ」
「え?」
彼女に促されるまま外を見る。するとそこには
「……何も無いよ?」
──何もなかった
「あのねえ、お国様に喧嘩売ってる組織がこんな街中にどどーんと立ってたら速攻潰されちゃうでしょ」
「あ、なるほど。って言うことは地下にあるとか?」
(流石にそんなベタな展開は……)
「ご名答」
「あった!?」
と、心の声を漏らしてしまった俺を彼女は一瞥して、しかし何も言わずに指を鳴らした。すると
──地面の一部が突然車を乗せたまま下降を始めた
「……すげえ」
車が一部の地面ごとものすごい速度で下降しているにもかかわらず、浮遊感などは一切感じない。床の降下速度が減少し、ゼロになる。すると目の前の巨大な扉が開き、隣に乗っている彼女が俺に向けてこう言った。
「ようこそ、我らが拠点『JEDO(Japan extinction Defence Organization)へ」
と。
まあぶっちゃけ扉の中に広がっている景色を見るのが精一杯で全然聞いて無かったんだけど。
扉の中には広大な空間が広がっており、沢山の人々や兵士らしき人たちが大勢行き交っている。
そしてその人混みの中に、クラスメイトを発見した。
「あっ佐々木!」
急いで車から降りた。後ろから雷女が呼び止める声が聞こえたが構わず走ろうとした瞬間
「あらぁ〜会いたかったわぁ」
「!?」
突然誰かに横から抱きしめられて動けなくなった。
(……誰!?)
「ちょっと堺さん、新人くんをいきなりナンパですか?」
「あら、ナンパだなんて失礼しちゃうわぁ〜」
堺と呼ばれた人物──男性──は俺を解放しながらそう言った。
「あなたが宗太君ね?いい男ねぇ。『сила』なんでしょ〜?綾乃ちゃんから聞いたわぁ。あなたこの後ヒマ?ヒマならデー…じゃない、お茶でもしましょうよ。私のへ・や・で♡」
「……えっと」
(何言ってんだこの人は)
「ごめんなさいね堺さん、この後リーダーの所に連れて行かないといけないから、デートはまた今度にしてください」
「あらぁ〜ざんねぇん」
(いや、話について行けないんだけど…)
ただ、わかった事もある。それは……
──やばい人に目をつけられたと言う事だ!
待ち受けていたのは、まさかのオネエ!?