プロローグ
初作品ですので、いたらない点もあると思いますが、コメント欄でご指摘お願いします
『ーー間も無く、大臣による緊急会見を行いますので、お静かにお願いします。』
アナウンスが流れた瞬間、ざわついていた人々の声が一気に静まった。
(今から何が始まるんだろう。)
会見と言っているが、ただの会見ならこれだけの人を集める訳がない。
つまり、これから何か大きなことがある可能性がある。何か悪いことじゃなければいいが…。
と、そんな物思いにふけっていると
「おはよう、諸君。私は内閣総理大臣の安藤だ。今日は、日本に住む君たちに伝えなければならないことがある。長引かせるのもあれだから単刀直入に言おう。この世界は狂っている。」
「……は?」
(何言ってるんだろうこの人…。)
俺だけでなく、会場にいる人達も再びざわつき始めた。
「静かに。皆が困惑するのも無理はないと思う。しかしこれは事実なのだ。道を歩く人々は前ではなく手元のスマートフォンを見て歩いている。車などの運転手もそうだ。現在、交通事故の原因の6割以上はスマホを使用していたことだった。また、まだ小さな子どもや、成長期の少年少女までもが外遊びではなくスマホや携帯ゲーム機、パソコンを使用している。本当にこのような世の中でいいのだろうか。」
成る程、確かに最近は技術の進歩が早く、手軽で便利な電化製品が沢山出来て、普及が進んでいる。手元で出来る面白いゲームも増えているので、子供たちも暑くて体力を使う外遊びより楽で楽しい携帯ゲームの方を選ぶ子が多いだろう。しかし…
(それでどうするつもりなんだ?)
再び会場の人たちが口々に喋り始めたその時
「君たちは、外遊びよりも電化製品と遊ぶのが好きなんだろう?だからそんな君たちにもっと身体を使って電化製品と遊んでもらおうと思ってね。」
(…嫌な予感がする台詞だな。)
「ーー只今より、この国を『機械の支配する国』とする!」
ーーザッ
「……は?」
謎の宣言と共に、彼の背後、俺たちのいる会場の周りに幾つかの黒い金属の塊-もとい、人型の機械-が現れた。
(これだけの人型の機械を使って勢力争いって一体何を考えているんだ!?)
「おい!」
突然、1人の男が声を張り上げて言った。
「いきなりなんなんだあんた!俺ら国民が何をしようが俺らの勝手だろ!そもそも、国民の同意もなくそんな事さ…」
--ドサッ
「キャアアアアア!」「な、なんでここに!?」
突然男が倒れ、その周囲の人々が何かに驚き騒いでいる。何事かとそこを見てみると…
--身体の中心から黒い輝きを放つ金属を突き出して動かなくなった先ほどの男と、体から突き出る金属の持ち主である、人型の金属が立っていた。
「嘘だろ…人を…殺したのか!?」
只今、4月2日 10:25を以って、今までの日本は死んだ。そして
--人と機械との戦いが幕を開けた--