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プロローグ
桂木平和にとってその日は普段となにも変わらない一日になるはずだった。
あらかじめ目覚まし時計にセットしておいた時間に起床し、朝食を適当にすませたあと、始発の電車に乗って都心にある大学に向かい。日が暮れるまで講義は受けたあとは、大学のすぐそばにあるコンビニエンスストアで夜遅くまでアルバイトをし、最終の電車に乗車し自宅がある郊外の駅で降車する。
ここまでは、大学に通うようになってから毎日経験していることだった。しかし、このあとの出来事は普段の生活と大きく違っていた。
駅を後にし人気のない道を一人で歩いていると月明かりが煌々と照らしているのにもかかわらず、桂木平和の視界は突然真っ暗になった。
しばらくして辺りに月明かりが再び照らした時、桂木平和の姿はもうそこにはなかった。