第3話
集落に近づくと1人の髪の長い女性が薙刀みたいな武器で腕に黄色の布をつけた数人の男たちをバッタバッタと倒している。
強いぞこの女性。
身長は俺と同じぐらいで170ぐらいで細身だが出ているとこは出ていて引っ込んでいるとこは引っ込んでいるモデルみたいな体型の女性だ。
長い髪で顔も目元が少しつり上がってい左目の下に小さなほくろが魅力的だ。
うん美人だ!!
年齢は……20代後半から30代ぐらいだろう。
そんなモデル体型の綺麗なお姉さんが男たちを槍で突き殺したり殴り殺している。
魔術を使わなければたぶん俺より強いぞこの美人さん。
俺は上空でその光景を見ていると男たちの集団から親分らしき男が縄で縛られた10歳ぐらいの女の子の首に剣を当てて
「おい女!!抵抗するな。 さもなければこのガキの命はねえぞ!!」
「くっ」
美人さんは悔しそうな表情をしている。
俺はその悔しそうな表情も美しく思えた。
「おい武器を捨てろ! さもないと」
盗賊の親分みたいな奴が10歳ぐらいの少女の首元に当てている剣に力を少し入れる。
首元から血が少し流れる。
「うわぁあああああん、雲長!!!」
「わかった。武器を捨てるから玄徳様を離せ」
美人さんは武器を親分たちのほうに投げ捨てる。
ゲスな表情で美人さんに近づく男たち。
うん、美人さんに義があって野郎共が悪いほうだな。
なら助けるのは美人さんと人質に取られている少女だ。
先に少女を助けないと。
「よくもやってくれたな女!! 今から俺達がかわいがってやるからよ」
男たちは美人さんに集中しているため上空にいる俺に気づいていない。
俺は初級魔術である氷の矢人質の女の子に当たらないように放つた。
氷の矢は盗賊たちの腕や肩、足に刺さる。
「ぎゃあ!!」
「ぐっなんだ? 氷だと?」
「なああ、ひ、人が空を飛んでいるだと、ギャァー」
男たちが女の子から離れた瞬間俺は急降下し女の子を抱き上げ再度上空に逃げた。
美人さんはその光景を好機とみて近づいてきた男たちを殴り飛ばし放り投げた薙刀を拾いすぐさま5人の男たちの首が一振りで飛んだ。
す、すげーぞマジか。
俺も上空から援護をしようと思ったのだが美人さん1人の力量で大丈夫だと判断し俺は女の子と一緒に少し離れた場所に着地し戦いを見ることにした。
何人かの男がこちらに向かってきたが俺は睡魔の魔術で眠らしてことを終えた。
美人さんを見ると親分に薙刀でぶん殴り気絶させていた。
戦いが終わり助けた少女が美人さんに走って行った。
「雲長!!」
「玄徳様ご無事ですか」
「うん、怖かったけど雲長が助けてくれると信じてたから」
女の子を優しく抱きしめ頭をなでる美人さん。
どうやら美人さんの名前は益徳で女の子が玄徳らしい。
女の子の名前にしては変わっているな。
どこかで聞いたこともあるが……どこでだ?
考えていると美人さんが女の子を抱き上げながら俺に話しかけてくる。
「あなた様のお陰で義妹と村が助かりました。ありがとうございます仙人様」
「女の子が助かってなによりです。あと私は仙人ではありませんよ」
「え、しかし空を飛んでいましたし何か妖術で黄巾党共を無力化させていたみたいですが……」
仙人なら空を飛んだり氷の矢のような魔術を使えるか
聞いてみると美人さんも話を聞いただけで実際には見たことがないそうだ。
この世界では魔術を妖術と言うのかもしれない。
その辺は仙人さんを探して聞けばいいか。
ここがどこなのか美人さんに聞くと琢県楼桑村らしい。
うん知らないな。
美人さんに字で書いてほしいと言うと持っていた薙刀の先で地面に字を書いてくれた。
なんと漢字で琢県楼桑村と書いてくれた。
え!? ここ日本なの?
でも日本に琢県なんてなかったと思う……たぶん……いやないはずだ。
地理が苦手だった俺でもそれぐらいわかる。
じゃあ昔の日本なのか?
もしかして戦国時代とか?
でも日本て昔は県なんて使ってなかったような気がする。
確か明治時代あたりからじゃなかったっけ?
もっとちゃんと勉強しとけばよかったな~
「どうかされましたか仙人様」
「仙人のお兄ちゃんどうかしたの?」
美人さんと少女は考えこんでいる俺を心配そうに見ている。
「え、ああ、気にしないでください。 あと仙人様はやめてください。 俺の名は一条綺羅です」
「これはこれは、私も名乗っていませんでしたね。 姓は関、名は羽、字は雲長と申します」
「お兄ちゃん、玄徳はね、姓は劉、名は備、字は玄徳だよ」
なんだって?
美人さんは関羽雲長でかわいい少女が劉備玄徳。
……はい?