第2話
眩しさのためか俺は目を開ける。
空を見上げると太陽がある。
あの暗闇の中から2時間か3時間ぶりの光だ。
現状確認のため周りをみると何もないただの草原だった。
最終決戦で両胸に魔人剣を刺したヒミコはいないみたいだ。
ここはどこだ?
人もいなければ動物、魔物もいない。そして精霊たちもいる気配がない。
わからん。
もしかしたら現代に戻ってこれたのか?
よくゲームや小説でラスボスを倒したら元の世界に戻るて定番だよな。
もし現代に戻ってきたとしたら今の俺のこの格好は不味い。
背中に大剣を背負い腰に突剣を装備し黒いコートを着ている俺。
どう見ても何かのコスプレと思われるだろう。
コスプレで済めばいいが大剣も突剣も殺傷能力があるシロモノだ。
つまり銃刀法違反罪で俺はしょっ引かれるて訳……
いやいや警察のお世話になんかなりたくないぞ俺は!! なので俺は大剣と突剣に念話で話しかける。
『おいイフリート、シヴァ』
『『・・・…』』
あれ返事がないぞ?
大剣は炎の魔人イフリートなら俺をおちょくりながら返事をするしと突剣は氷の魔人シヴァは真面目に返事をしてくれるのに返事がない。
『おいイフリート?シヴァ?』
『……綺羅……』
『…綺羅様……』
2人の小さな声で俺の名前が聞こえたがそれ以降は何も聞こえなかった。
そうだ、以前ヤマタノオロチとの激戦の時も2人は同じような症状になったことを思い出した。
たぶんだが俺をあの暗闇から守るために魔力を使いはたしたんだと思う。
あの時は1日も経てば2人とも普通に念話で会話もできたが人型になれるようになったのは3日後だったような気がする。
イフリートとシヴァのことはとりあえず置いといてここにいても仕方ないので俺も移動することにしよう。
俺は近くに街か村があるかどうか確認をするため飛翔の魔術を使い上空に飛ぶ。
うむ魔術は使えるようだな。
だけど使う魔力がいつもの2倍ぐらいかかっている。
やはりここは異世界パイオニアではない世界なのは確かだ。
上空に飛びあたりを見回すと北の方に小さな集落を見つけた。
とりあえずあの集落で情報を集めよう。
このまま飛んで行くのもありかなと思ったのだが変に思われるのは厄介なので歩いて行くことにしよう。
徒歩で1時間ぐらいで着くだろう。
俺は飛翔の魔術を解除する前にもう一度集落の位置を確認すると入り口付近で50人ほどの人がいることを確認できたのだが、よく見ると人と人が争っているみたいだ。
どうも集落を守っている方の旗色が悪いようだ。
とりあえず集落に向かい状況を見てどちらかを助けるのがベストだろう。
俺は片方が全滅されると困るのそのまま飛翔の魔術を使用し急いで集落に向かうことにした。