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無魔力剣士と召喚士  作者: 夜空 切
第二幕
42/97

七章2

  叔父さんたちを微妙な視線で送り届けた後、再び集合した一行は午後のスケジュールの打ち合わせをしていた。

 「今日もお客さんが入るそうなの」

 「そうなんですか」

 「ええ」

  百合花さんはなんとも難しい顔で頷いた。

 「さっすがー大繁盛だね!」

 「ふむ、それに連ねて、我々の仕事も増えるがね」

 「それは文句を言っても仕方がないと思います」

 「いろんなことを体験できて、いいじゃない」

 「確かにそうなのだが……」

  先ほどは流れで肯定していた金西は言葉を濁らせた。

 「なによ、割り切れないわね」

 「手は空いているんだから、働くはたらくっ!」

 「ええと、薫。さっき買ってきてもらった食材の分量はメモ通りかしら?」

 「いえ、市場の方からのサービスがすごかったので予定よりは多いはずです」

 「そう……」

  薫の返事に頷きはするものの、どこか悩んでいるようだ。

 「……うん。やっぱりお願いしようかしら。もう一度お使いを頼んでもいいかしら?」

 「ええ。かまいませんよ」

  薫は頷きながらにこりと笑う。朝のやり取りを忘れているわけではないが、今は生徒会として動いているため敬語になってしまっている。しかし、彼女は気にした様子はなく進めていった。

 「ふむ、もう一度薫君に行かせるのも悪いので……私が行こう」

 「え、会長がですか?」

 「どういう意味かね?」

  ギロリと睨まれる。正直、線の細い会長に力仕事はどうだろうと思ったのだけれども。折角の好意なのだから甘えるべきだろうな。

 「じゃあ、お願いします。会長」

 「うむ」

  彼は強く首を下に振ると、お金を渡すからと百合花さんとフロント裏へ消えていった。

  二人を見送り、ふと視線を廻らせると、人数が減っていることに気がついた。

 「そういえば、麗は?」

  桜花に訊いてみる。すると彼女は首を横に振った。

 「ここに集まる間にどこかへ行っちゃった」

  ということは、厨房で桜花と再会した後から姿が見えないことになる。桜花と同じで、彼女も休み中は毎回旅館を手伝っているらしい。迷ったという心配はいらないとは思うが。

 「まあ、あいつのことだから大丈夫だろう」

 「そうね」

 「じゃあ、僕の仕事はなし。桜花もなしでいいんだよね?」

 「うん。私も給仕までは手伝わなくていいって、お姉さまが」

 「じゃあ、一旦部屋に戻ろうか」

 「うん。そうね」

  二人はそろってフロントを後にしたのだった。



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