五章5
部屋で朝食を済ませた二人は身を整えると携帯端末で御川と連絡をとり、フロント前で集合することとなった。
紅葉館は三階建てで、一階にはロビーを始めとして、温泉や土産屋などがあり、二階は和風で三階は洋風の部屋を持ち合わせている。
薫達は館の両端にあるエレベーターを使い、一階へ。
ゆっくりと降下していくエレベーターは静かだった。
「さて、どうやって謝ろうかな」
「……ごめん」
「桜花だけのせいじゃないからな。僕も寝過ごしちゃったわけだし」
一階に到着し、ロビーへ向かう。
すると、
「おっそーいぞー! もう、二人してどうしたの?」
朝から元気ですね副会長。彼女の背には生徒会メンバーが勢ぞろいしている。
「すいません。おそくなりました……あれ? 先生はどうしたんですか?」
「おおい! 私の疑問はスルーかいっ!」
「木逆先生は二度寝に入ってしまったよ。……しかし、どうしたのかね? 遅刻だなんて、昨夜はお楽しみだった、と言うことかね?」
会長の言葉に思わず噴出してしまう。
「か、会長……朝から何言っているんですか!」
「うん?」
「だめだこりゃ」
後ろにいた桜花は顔を真っ赤にしていた。
「で、だ。今日の予定は?」
金西が助け舟を出してくれた。
「午前中はフリーだったはずよ。午後はここの手伝い」
影里も機械的に答える。
「外にでてみますか?」
「だが、どこに行く当てもないぞ」
「見知らぬ土地だからな」と金西は付け加えた。
「もう、みんなして。そんなことないじゃない」
「そうだとも。では質問だ。今回の目的は何だね?」
「「「「あ!」」」」
そうだ。ここに来た目的は……
「温泉……」
「そうだとも。昨日は移動が遅くて、到着が深夜になってしまったからね。まだ風呂に入れていないではないか」
「じゃあ、これからの予定は温泉につかる……ということで?」
「「「「「異議なし」」」」」
方針の決まった彼らは一旦部屋へと戻り荷支度をすると、浴場へ向かったのだった。
次回の投稿は2月頭を予定しています。少しの間、お待ちいただければと思います。




