四章4
一方、会長と金西は体育館方面を捜索していた。
三学年棟と体育館は道がつながっているのである。さらに、こちら側には西門が設置されているが、西門側には守衛さんたちの宿舎があり毎日数人がかりで周囲を監視している。
そのため、村沢がここを通ることはないだろうとのこと。
忘れがちになるが、今は昼休みなのである。村沢が学院に逃げ込んでいることは、生徒会と規則委員会および職員しか知らされていない。
体育館は生徒に解放され、自由に使用することができる。
「こっちには来ていないようだな」
金西は体育館を少し覗きつつ、会長に確認した。
「そのようだね」
なぜか、会長はにこにこしていた。
「……一体、何が楽しいのだ?」
彼の奇怪な笑みに思わず突っ込んでしまった。
「うん? なぜかって……そりゃあ、被害にあった人には申し訳ないが、面白いじゃないか。新学期早々にこんなイベントを起こしてくれたのだから、君ももっと楽しんだらどうかね?」
「結構だ」
金西には、会長の言う面白さは微塵も感じなかった。なぜなら、彼の中には怒りが募っているからだ。
家が燃やされたのだぞ。しかも三件だ。よくもまあ、楽しめるものだな。彼には同情の心がないのだろうか。八城たちのほうは軽症だったようだが、先輩方の方は重態だ。それに……
――――金がかかるだろうがー!――――
金西が怒る理由はそこだった。
確かに家の修理代は必要なのだが、金西自身が払うわけでもないのに怒るのはおかしいのではないだろうか。
「御川会長、金西会計。お疲れ様です」
そう言ってきたのは規則委員のメンバーだった。ここ周辺を捜索していたらしい。彼らに会長は対応した。
「お疲れ様。まだ見つからないかい?」
「ええ。三学年校舎裏には影ひとつありませんでした」
彼らは首を横に振って残念そうにしていた。
「そうか。では引き続き、捜索に当たってくれたまえ」
「はい」
頷いた彼らは駆け出して行った。
「さて、我々も行くとするか」
御川は金西に振り向いて言うと、とすたすたと体育館を後にした。反対する理由も見つからないため、金西は仏頂面のまま彼の後を追うのだった。
短いですが、続きを出します。




