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ZZ TOP『ROUGH BOY』(1985)


 今回は私シサマが、「史上最強のロック・バンド」と信じて疑わないテキサスの超大物、ZZトップ。

 彼等の大ヒット・アルバムである『AFTERBURNER』(1985) から、とびきりブルージーなバラード『ROUGH BOY』を取り上げたいと思います!



 サングラスに長い顎髭(あごひげ)がまさにZZ(じじい)

 お茶目でコミカルなパフォーマンスと、その見た目に似合わないド迫力ロック・サウンドは極めてアメリカ的ですが、日本にも私の様な熱狂的ZZトップファンは存在しますね。


 私は小学6年生で初めて彼等を見た時は、単純に「ノリノリのロックバンドなのにルックスのカッコよさがなく、笑えるおじさん」という、芸人的な存在感のファンになりました。

 ところが先述の『AFTERBURNER』を聴いた瞬間、シンセサイザーや電子ドラムが溶け込んだ斬新なハード・ロック・サウンドにすっかり魅せられ、加えてこの『ROUGH BOY』との出会いは後に、私の人生に於ける価値観全ての土台になるほどの衝撃を与えたのです!


 

 ROUGHラフ BOYボーイ……直訳すると、「乱暴な男、荒っぽい奴」といった感じになるでしょう。

 

 しかしながら、この曲の歌詞とボーカルは終始ハード・ボイルドな渋さを醸しつつも、その手にしたい女性へのリスペクトを忘れてはいません。

 その点から考慮すれば、ここでいうROUGH BOYとは、「口下手な奴、不器用な男」というニュアンスがあるのでしょうね。


 

 如何にも80年代らしいメカニカルなサウンドで幕を開ける『ROUGH BOY』ですが、ボーカリストでもあるビリー・ギボンズのギターが聴こえたその瞬間、この曲は時代を超越した名曲になります。

 技術的には一切難しい事をしていないのに、ブルージーな男の哀愁を完璧に表現しており、結果として曲の6割方がギター・ソロであるにもかかわらず、全てのリスナーの心の糸を震わせるのです。

 

 結局私は、このギター・ソロを弾きたくてエレキ・ギターを買い、実際に指から出血するまでコピーを繰り返しました。

 この曲に流れるハード・ボイルドな歌詞の世界観は、現在の私の作品にもかなり大きく反映されていました。


 小学6年生でこの曲に出会って38年、少なくとも5000回以上は聴いていると思います。

 もはや完全に私の一部ですね(笑)。


 

 超メジャーな存在のZZトップだけに、この曲を聴くのには全く手間がかからないでしょう。

 ただ、どうせ聴くならYouTubeなどで当時のMVを見て欲しいです。


 40年前にこのクオリティで、この映像表現と技術。

 しかも内容は、車の形をした宇宙船がスタンドに入って給油と洗車を済ませるだけ(笑)。


 きっと素晴らしい経験になる事でしょう。



 ZZトップの魅力は音楽やキャラだけではなく、その友情と結束力にもあります。

 

 彼等はレコード・デビューした1970年から2021年まで、51年間全くメンバー・チェンジをしていませんでした。

 デビューから7年後にはツアーによる疲労を癒すため、一時的に活動を停止しますが、その間にメンバーは変装するために各々で無精髭を伸ばしており、2年後の活動再開で集まった時、余りにもお互いがそっくり過ぎて大爆笑、その姿を新しいグループ・ショットに決定してしまい、マネージメントを混乱させたそうですね。


 そして2021年、ベーシストのダスティ・ヒルが病に倒れた時、誰もがバンドの解散を覚悟しました。

 ところがダスティは、既に自分の死期を悟っており、ベース担当のツアー・スタッフであるエルウッド・フランシスをZZトップ仕様に改造(笑)、「俺が死んだらエルウッドをバンドに入れろ」と言い残してこの世を去るのでした。


 現在、70歳を過ぎているオリジナル・メンバーのビリー・ギボンズとドラマーのフランク・ベアード、そしてエルウッドの3人でZZトップはツアーを行っています。

 全く悲壮感のないZZ(じじい)なバンドの放つ深い哀愁に、皆様も酔いしれて下さい!

 

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