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この街には殺し屋が多すぎる  作者: 43番
第三部
43/51

ほぼ全員集合

 リンに刺された尚葉がぐったりしてその場に崩れ落ちる。リンは尚葉が握り締めていた宝玉を取り上げると、それを那夜朗に投げた。リンから宝玉を受け取った那夜朗は宝玉を頬に寄せてスリスリする。尚子は突然尚葉を失ったことに呆然として未だ動くことができない。



「ご苦労、リン。よくやった」



 那夜朗の言葉にリンが跪いた。この様子を見たT・レックスは顎に手を当てて考え込む。



「妙だな。仁沢賀瀬家と旗目岩九人衆は不倶戴天の仲と聞いていたが、いつの間に懐柔していたんだ?」


「フン、簡単なことよ」



 T・レックスの問い掛けにリンが自分の腹を擦りながら答える。その表情はどこか得意気にも見えた。



「私の中に那夜朗様の子どもがいるのよ。最初こそスパイとして仁沢賀瀬家に潜入していたけどね。那夜朗様と色々触れ合う内に仁沢賀瀬家と旗目岩九人衆の双方を出し抜いてやろうと決めたのよ」


「何だと!!?」



 リンの爆弾発言に尚子が我に返った。そして激昂して那夜朗の胸倉を掴んで詰め寄る。



「この浮気者が!!いつの間に自分の部下に手を出しやがった!婚約者である私を差し置いて何を妊娠させてるんだ!」


「フン、下らん。もうお前に用はないブス。大人しく引っ込んでろ」



 那夜朗は興奮する尚子を平手打ちして吹き飛ばす。吹き飛んだ尚子は地面に頭をぶつけて気絶した。一方でT・レックスはリンに対して近づき、更に問い掛けた。



「…ほう、中々興味深い発想だな。確か貴様らのボスも昔そんなことを言ってたな」


「ボス…?何故お前がゼンのことを知っている?」


「なあに昔話よ。仁沢賀瀬家と旗目岩九人衆の者が手を組んで双方を出し抜こうとしたのは貴様らだけではないということだ」


「何だと…!」


「貴様らのボス…ゼンとかいったか。奴も最初こそ私と秘密裏に手を組むことを打診したが、自分が私の子を妊娠したことを知るやいなやすぐに私を消しに掛かった。しかし何とも皮肉なことだ。まさか奴も自分の手下が同じような行為を犯すとは夢にも思っていなかっただろう」



 T・レックスの話にリンと那夜朗が顔をしかめる。するとT・レックスはクククとバカにしたような笑いを見せた。リンと那夜朗は不機嫌そうにT・レックスを睨み付けた。



「所詮貴様ら旗目岩九人衆など烏合の衆ということだ。そして仁沢賀瀬家もな。貴様らがこの『秘宝』を我が物にしようなど100年早い」


「随分な物言いだな。だが『秘宝』は我が手中にある。勝つのは我々だ」



 那夜朗が宝玉を掲げると遠くから車の集団と思しき騒音が聞こえてきた。慌てて那夜朗が振り返ると、案茂とシーラ、そして『仲間』たち、更にはゼンとザイ、ザイによって洗脳された仁沢賀瀬家の取り巻きたちが大挙して向かっているのが見えた。



「何だこれは…?」


「那夜朗様、後ろ!」



 那夜朗が呆気に取られた隙にT・レックスが一瞬にして間合いを詰めていた。那夜朗は素早く妖刀を振りT・レックスを牽制する。斬撃を避けたT・レックスは残念そうに笑う。



「おや残念。もう少しだったのにな」


「油断も隙もない奴だ。仁沢賀瀬家の者だろうが関係ない…貴様にも消えてもらう!」



 那夜朗が妖刀を構えたとき、背後から銃弾が那夜朗を掠めた。那夜朗が再び振り返るとピストルを構えたシーラと案茂が立っている。



「お前たち…性懲りもなく歯向かう気か!」


「ボス!無事か!?」


「那夜朗…それにT・レックスも!?」



 案茂とシーラが状況把握に戸惑っている内にゼンとザイたちも到着する。そして此処に『秘宝』を巡る役者たちが揃おうとしていた。

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