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この街には殺し屋が多すぎる  作者: 43番
第三部
37/51

亡霊

 舞台は仁沢賀瀬邸からピザ・トラブルの店の前にて。旗目岩九人衆の三人を妖刀の斬撃で退けた那夜朗たちの前に現れたのは屈強な外国人の部隊だった。そしてそれを率いているのは丸眼鏡を掛けた長身の優男、T・レックス。那夜朗はニヤリと笑うと再び妖刀を構える。



「…どうやら貴様らは傍迷惑ではなさそうだな」


「フッ、これはこれは大層なお出迎えで恐縮するよ。ひとさわがせの諸君」



 T・レックスが那夜朗たちを煽るように挨拶した。T・レックスの横には屈強な外国人男性たちが陣取っており、攻撃態勢を取って那夜朗たちを牽制している。対して那夜朗は周りのヤクザや取り巻きに合図を出して、迎撃体制を取らせた。しかしながら先の旗目岩九人衆との戦いで若干疲弊したのか、あまりやる気が感じられない。双方のテンションの差は素人目から見ても歴然である。



「お前ら、逃げようと思うなよ。逃げるつもりならこの場で斬り捨てる!」



 那夜朗が取り巻きたちを脅すように妖刀を振り上げる。その動きに恐怖したのか、急ぎ武器を構えてT・レックスたちに向けた。しかしT・レックスは動揺することなく、寧ろ馬鹿にするかのような笑みを浮かべた。



「おやおやおや、そちらの皆さんは腰が引けて随分とだらしがないネェ。これでもプロを名乗っているつもりかね?ひとさわがせというのはこうも烏合の衆ばかりなのか?」


「煽っているつもりか?馬鹿にするのもいい加減にしろよ、外野風情が」


「………クックックッ」


「??何がおかしい…?」



 T・レックスの笑みに那夜朗が顔をしかめる。不機嫌な表情を見せる那夜朗に対して、後ろに控えて余裕をかましていた尚葉の表情がみるみる間に青ざめてきた。普段の尚葉ではあり得ないような動揺っぷりに尚子が心配そうに尋ねる。



「ねぇん、ママン。どぉうしたのぉ??」


「……………そんなあり得ない…何故あんたが此処に…?」



 尚葉は思わずよろめき、慌てて取り巻きたちが支えた。尚子の気持ち悪い問い掛けにも反応できないくらい参ってしまっているみたいだ。那夜朗も尚葉の態度に首を傾げる。



「尚葉様…?」


「クックック…さあ、仁沢賀瀬家に伝わる『秘宝』をいただこうか。大人しく我々に渡せば、何もせずに引き下がってやる」


「何を言っている?そんな詭弁が通用すると思うか?それに貴様らのような部外者が『秘宝』を手にしたとしても意味はない。あの『秘宝』は仁沢賀瀬家の者でなければ扱い切れぬ物だ」



 那夜朗は妖刀を構えると刀身から紫色のオーラを放出された。そしてオーラを全身に纏うとT・レックスに向けて妖刀を思い切り斜め斬りするように振りかぶった。



「仁沢賀瀬流奥義『亜流覇羅あるはら』!」



 T・レックスの前にて屈強な男たちが守るように立ちはだかるが、那夜朗の斬撃を受けて敢え無く吹き飛ぶ。だが、T・レックスは動じることなく手を叩いて那夜朗を褒め称えた。



「中々やるな。妖刀の使い手とは、仁沢賀瀬家の秘宝に認められているようだな。これは面白くなってきた」


「何?!」



 那夜朗の顔が再び歪んだ。すると今度はT・レックスがスーツを脱ぎ捨てる。スーツの下には屈強な肉体の他に胸部にはカラータイマーのような丸いランプが付いていた。しかし改めて確認するとランプというよりも光輝くレンズのようなものにも見える。これを見た仁沢賀瀬の陣営から更に動揺が広がる。



「さあ、教えてやろう。仁沢賀瀬家の『秘宝』を扱える者は貴様だけではないということをな」


「…貴様…一体何者だ!?」


「先程いっていたな部外者は『秘宝』を扱い切れないと。だが、仁沢賀瀬の資格を有する者は此処にもいる」



 思わぬ展開に那夜朗の額からうっすら脂汗が流れた。これに対して尚葉はブルブル震えながらT・レックスを指差す。



「…ぼ、亡霊…」



 一言呟くと尚葉は意識を失った。

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