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この街には殺し屋が多すぎる  作者: 43番
第二部
30/51

人騒がせvs傍迷惑 その4

 妖刀のオーラをまとった那夜朗は形勢逆転と見て旗目岩九人衆の三人に斬りかかる。シャとカイは慌てて小太刀を取り出すと那夜朗の斬撃を受け止めた。しかし那夜朗は怯むことなく、妖刀を手に二人に攻撃を加えていく。とても素人とは思えないほどの那夜朗のキレのある動きにシャとカイの二人がかりでも翻弄されている。



「クソ!コイツ何なんだ?!」


「我々が押されてるとは信じられん!」


「ハッハッハッ…仁沢賀瀬を甘く見た報いだ。クタバレ傍迷惑!!」


「そうだナヤロウ!!やっちまえ!!」



 戦いの脇から尚子の野次が飛んだ。だが、そんな声を無視して三人は一進一退の攻防を続ける。その内シャとカイの方に疲れが出てきたのか動きに精彩を欠くようになった。シャとカイに焦りの色が見える。



「チッ…此処までやってもまだ向こうの方に分があるとは…シャ!一気にやるぞ!」


「おうよ、カイ!」



 シャとカイは那夜朗から一旦離れ、左右に陣取った。そして小太刀を構えると挟み撃ちの如く、同時に那夜朗へ攻撃を加えていく。互いの小太刀の刀身から炎と氷が出現している。



「くらえ仁沢賀瀬!!地獄へ逝くがよい!」



 シャとカイが那夜朗の首を目掛けて同時に小太刀を振った。が、それよりも早く那夜朗の妖刀が二人の小太刀の刃を切り飛ばした。突然のことにシャとカイは驚愕する。



「仁沢賀瀬流奥義『破和覇羅(ぱわはら)』!」



 那夜朗が叫びと共にオーラをまとった妖刀を真一文字に振る。目に留まらぬ一閃にシャとカイは為すすべなく真面に受けてしまい、同時に地面に臥した。断末魔と共に二人の体から不気味な紫のオーラが溢れ出て妖刀へと吸い込まれていく。これを見た那夜朗は満足そうに微笑む。



「負のオーラを吸収させてもらった。これでまた妖刀の力が増すというもの」



 ニヤリと笑った那夜朗は一人固まっているジンへ視線を向けた。ジンは我に返ると慌ててギャラリーに徹している尚葉と尚子の元へと突っ込む。ボディーガードや取り巻きたちが二人を守ろうとするが、ジンの電撃にあっさり吹き飛ばされてしまった。

 ジンは悲鳴を上げる尚子の後ろへ回り込み、彼女の首を絞めて人質に取った。



「はあ…はあ…余計な真似をするなよ…この女がどうなってもいいのか?」


「な、那夜ちゃーん…た・す・け・て・ね…お・ね・が・い」



 尚子はいつものような気持ち悪い猫なで声を出して那夜朗に助けを求める。一方で尚葉は他の取り巻きに守られて後ろへと控えていた。だが身内を人質に取られているにも関わらず、その顔から余裕は一切消えていない。



「黙れ!気持ち悪い!これ以上喋ったら…」



 ジンが尚子の首を締め上げようとしたとき、那夜朗がジンの目の前に迫った。突然間合いを詰められたことに戸惑いを隠せない。



「き、貴様…正気か?」


「仁沢賀瀬流奥義『喪裸覇羅(もらはら)』!」



 那夜朗がジンに向けて縦一閃に妖刀を振った。ジンが驚愕して固まる。すると尚子を捕らえていたジンの右腕が切れて落ちた。



「ば、バカな…この旗目岩九人衆が…」



 ジンがそう呟くと右肩から縦一線に血が吹き出し、そのまま地面に臥した。尚子は慌ててジンから離れると取り巻きらに保護された。



「残念だったな、これが仁沢賀瀬の力だ」



 那夜朗は妖刀の血を払うと地面に置いていた黄金色の鞘にしまう。と、その時あることに気づいて振り返った。ピザ屋の脇の道路から外国人らしき屈強な男の集団が此方へ近づいてきている。



「ほう、第二陣のお出ましか」



 那夜朗が再び妖刀を構えた。

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