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この街には殺し屋が多すぎる  作者: 43番
第二部
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人騒がせvs傍迷惑 その3

 怪しげな日本刀を手にして現れた那夜朗を見た三人は戦いを一旦止めた。そして那夜朗を取り囲むように並ぶ。



「御大将自ら相手になるとは…仁沢賀瀬も諦めるのが早くなったな」



 ジンが那夜朗を挑発するように煽る。他の二人もジンに合わせるように嘲笑したが、那夜朗は動じることなく、黄金色に輝く鞘から日本刀を抜いた。その刀身は不気味な紫色のオーラを放っており、一目で危険な雰囲気を醸し出している。一瞬三人は動揺したが、すぐに気を取り直した。



「言い残すことはないか?我ら三人の力を同時に受けるのならば、お前はチリ一つ残らないだろう。それでもたった一人で立ち向かう気かね?」


「貴様ら傍迷惑など恐るるに足らん。この程度の子供騙しでいい気になっているのも今のうちだ」


「何?」



 シャが不快そうな表情で那夜朗を睨む。カイとジンは自身の両手を那夜朗に向けて冷気と電気を集めている。一斉攻撃を浴びせるつもりのようだ。

 その状況下に那夜朗の部下たちは勿論、かき集めてきたヤクザやら暴走族やらチンピラたちは呆然とその場に立ち尽くしている。那夜朗を助けるべきなのだろうが、先ほどの三人の無双っプリを見て怖じ気づいているようだ。

 対して尚葉はまるで他人事のように静観していた。何処か余裕があるのか、はたまた無関心なのか。そんな回りの温度差に目もくれず尚子は那夜朗をけしかけるように三人に罵声を浴びせ続けている。余程カイに侮辱されたことが許せないようだ。



「シャ、カイ!一気に行くぞ!!」


「「おう!!」」



 シャの体は紅蓮の如く燃え上がり、カイの体は氷をまとって回りの空気を凍てつかせている。ジンも体から電撃をほとばしらせて、あちこちに火花が散る。その状況に那夜朗はオーラを放った日本刀を天に掲げると、目を閉じて何やら呪文のような言葉を唱え始めた。



「念仏を唱えるとはな…観念したか!!」



 旗目岩九人衆の三人が一斉に那夜朗に向けた両手から攻撃を繰り出す。炎、冷気、電撃が一斉に那夜朗に向かっていく。それでも那夜朗は避けるような動作を取らない。



「お別れだ!!我らが宿敵、仁沢賀瀬め!」



 勝利を確信したジンが叫ぶ。ジンの叫びと同時に那夜朗に攻撃が直撃した。凄まじい爆音と粉塵が上がる。余りのことに那夜朗の部下たちは茫然自失となっている。だがこの期に及んでも尚葉は眉一つ動かしていない。



「勝った!!第二部完!」



 シャとカイが狂喜してガッツポーズを取る。しかし誰よりも先にジンが異変に気づいて驚きの声を上げた。



「な、…バカな。全力の攻撃を真正面から受けたのに…」



 ジンの動揺にシャとカイが我に返る。二人が慌てて目を凝らすと粉塵の晴れた先に人影が立っているのが見えた。紫色のオーラを全身に包んだ人影は那夜朗だった。三人の攻撃が直撃したにも関わらず、那夜朗の体は傷どころか服の汚れすら付いていなかった。



「「「な…な、な、何いぃぃぃ!!!??」」」



 三人が同時に絶叫する。三人の間抜けな表情を見て那夜朗が不気味に笑った。



「ハッハッハ…残念だったな…だから言ったのだ貴様らなど恐るるに足らんとな」


「ど、どうして…」


「我が仁沢賀瀬家に伝わる秘宝の一つ、妖刀『覇羅素面刀(ハラスメント)』。この妖刀のオーラはそんな攻撃じゃ破れないわ」



 尚葉が三人を遮るようにいい放つ。そしてオーラをまとった那夜朗を見てニヤリと笑った。



「さあ、那夜朗。傍迷惑に遠慮はいらないわ!!やっておしまい!!」


「御意!!」



 那夜朗が妖刀の刀身を三人に向けて構えた。

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