2-24 犯人探しをしていたら私が犯人にされてしまいました。
別作品の長編が連載中ですのでよければ見に来てください。
「最強スキルを得た悪役ヒーローは勇者パーティを返り討ちにして悪事を働くが何故か感謝されるのだが?
知らずのうちに英雄のように称えられるが、あくまでも俺は悪役だからな。そのへんよろしく!」
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事件が発生したにも関わらず、ルーシェは見張っていたにも関わらず、目撃することは出来なかった。
少し席を外し、テトに任せたのがまずかった。
「テト。あんたのせいで徹底的瞬間を見落としたじゃないのよ」
「ルーシェが席を外すのが悪いんでしょ」
「私のせいだっていうの? 自然現象舐めるなよ」
ルーシェとテトは醜い争いを始めてしまう。
しかし、起きてしまったものは仕方がない。
僅かな時間に三本のホウキが折られてしまった。
魔女にとってホウキとは大事なアイテムの一つだ。
それを折るという行為は魔女を侮辱する行為に等しい。決して許される行為ではない。
「今回も適正な刃物を使った訳ではなく物理的な壊し方をしている」
ルーシェは折られたホウキを見ながら呟いた。
握力でヘシ折ったようなそんな折れ方だ。
「犯人は一体何者? 学園の敷地内は部外者が入れるようになっていない。と、なれば犯人はここの生徒? 同じ魔女の卵がこんなことをするとは考えたくないけど、そんなことも言っていられないし」
ブツブツと考えているルーシェの前に一人の人物が近づく。
「そこのあなた。ここで何をしている?」
黒髪ロングで背の高い女の子がルーシェの背後から呼びかける。
腕には『風紀』と書かれた腕章を付けている。
その腕章を付けているのは生徒会の人間だけだ。
彼女の名前はフーキ・ミシファ。生徒会所属の副会長だ。
フーキの目に飛び込んでいたのは折られたホウキとそれを手に持つルーシェの姿だった。
「あなた。まさかここ最近起きている器物損害の犯人だな?」
「は、はい?」
「犯人確保!」
フーキは手錠をルーシェに掛けた。
何故、手錠を持ち歩いている。と言う、ツッコミは出来ないままルーシェは犯人として連行されることになる。
「来い!」
「ちょっと。どういうこと?」
「問答無用。さっさと来い。会長に突き出してやる」
連れて行かれるルーシェの姿をジッと見つめるテト。
助けようとするのが普通だが、テトはあくびをしてその姿をジッと見ているだけだった。この黒猫が! と、ルーシェは睨め付ける。
この場合、抵抗するべきか素直に捕まるか悩ましいところだが、抵抗して変な誤解を招くことは避けたかった。
「会長。ここ最近、起きている器物損害の犯人を捕まえました」
ルーシェが連れてこられたのは生徒会室である。
一般の生徒は出入り禁止の未知の領域である生徒会室に入れることは光栄なことだが、ルーシェは招かれて入った訳ではなく、連行されてきた。
その空間は教室の広さと同じ。いや、それ以上の広さである。
部屋の奥では社長机に一人の少女が書類らしきものに目を通していた。
白髪に赤縁メガネが特徴の少女こそ生徒会長、ラベル・ホワイトだ。
「騒々しいですわよ。フーキ」
「聞いて下さい。会長。この者はホウキを折った犯人です。私、この目で見たのです」
「いや、だから違うって」
「あなたは?」
「ルーシェ・スカーレットです」
「ルーシェさんですか。フーキの言った内容は事実ですか?」
「いや、違います」
「だって。フーキ。彼女は犯人じゃないらしいですよ?」
「会長。そんな嘘を信じるんですか?」
「だって私には事実が分からないもの。本人がやっていないといえばそうなんじゃないの?」
「甘すぎます。それだったら世の中の犯罪者は無実を主張します」
ラベルはフーキの発言に耳を塞ぐ。
これ以上、聞きたくないという防衛反応なのだろう。
「会長! 現実逃避しないで下さい」
「あーうるさい。何も聞こえない」
二人のやりとりにルーシェは取り残された気分になる。
「あのー。会長さん」
と、ルーシェは申し訳なさそうに手をあげる。
「どうしました?」
「いや、私が犯人ではないのは確かなのですが、私は犯人を探している立場です。探偵が犯人とか有るまじき展開では決してないのでそこは信じて欲しいのですが」
「ほぉ。どうしてあなたが犯人探しを?」
「それは頼まれたというか」
「頼まれた? 誰に?」
「いや、それは言えませんが、少なからず私の意思で探したいと考えています。はい」
「そうですか。それは良い心掛けですが、それは生徒会の仕事のうちです。勝手なことをされると困るんですよ」
ラベルは急に目付きが真面目になった。先程までとはまるで別人だ。
「まぁ、あなたがどういう目的で動いているのか興味はありますが、今、学園で起きている事件は安易なものではありません。外部の犯行の線もある。変に首を突っ込まない方があなたのためだと思いますが?」
「なら、犯人を見つける糸口は見つけてあるんですか? もしあるなら聞かせて下さい。それで納得できるのであれば私は身を引きますよ」
ルーシェは試すように言い放った。
現状、生徒会は具体的な対策を立てていないのは事実だ。
それをどうするかはこれから。
ラベルは口籠もった。
「私が真犯人を捕まえます」
ルーシェは言う。
「その保証はどこにあるんですか? 確かに捕まえてくれれば頼もしい限りだけど」
「私、その気になれば出来る子です。だから、任せて下さい」
ルーシェの誠意にラベルは腕を組み、考えた。
「そう。なら条件があります」
「条件?」
ルーシェは嫌な予感がした。
「犯人を捕まえる活動を許可する代わりにルーシェさんは生徒会に所属して下さい」
「私が生徒会に?」
「はい。生徒会に所属すれば犯人探しをする口実が出来ます」
「それって犯人が見つかるまでの一時的なものですよね?」
「いいえ。ずっとです。丁度、書記の席が空いていますので」
なんだか面倒なことになったと感じる。
生徒会の仕事を強制的にさせられるのには癪だ。
「勿論、生徒会に所属することでメリットもありますよ。本来、学園を卒業すれば魔女見習いとして自立しますが、生徒会の場合はいきなり魔女になることだって可能です。それほどスキルの高い仕事が多いんです」
七賢人のルーシェとしてはメリットとは感じられない。
むしろ、デメリットに感じる。
よってルーシェの答えは。
「申し訳ないのですが、お断りさせて貰います」
「そう、悪い話じゃないと思ったのですが、仕方がありませんね」
「はい。そう言う訳ですので失礼します」
ルーシェは扉に手を伸ばし、開けようとするが開かない。何故?
「逃がしませんよ? ルーシェさん」
ラベルのその一言にルーシェは背筋が伸びた。
「どう言うつもりですか?」
「交渉決裂ということは犯人探しに許可することは出来ません。つまり、ここから出す訳には行きません」
「は、はい?」
「あなたには犯人が捕まるまで拘束させてもらいます」
「え?」
次の瞬間、フーキは粘土状のものをルーシェに向けて放った。
それはルーシェの全身を絡みつけて芋虫のようにしてしまう。
「ちょっと、いきなり何をするのよ」
「現状、あなたが完全に犯人ではないと断定できない以上、こうするしかありません。ご理解してもらえませんか」
「生徒会長が一般の生徒にこんな手荒なことをするって言いふらすわよ?」
「それは困りますが、だったら逃さないまでです。フーキ。彼女を地下室へ」
「はい。会長」
地下室?
この学園には地下室なんて存在するのだろうか。
ルーシェは魔法で浮かされて地下室へ運ばれる。
「ちょっと。私をどうするつもりよ」
「少しの辛抱ですので我慢して下さい」
無情にもルーシェは地下へ連行される。
それからルーシェは数日の間、幽閉されることになる。
ガシャン!
別作品の長編が連載中ですのでよければ見に来てください。
「最強スキルを得た悪役ヒーローは勇者パーティを返り討ちにして悪事を働くが何故か感謝されるのだが?
知らずのうちに英雄のように称えられるが、あくまでも俺は悪役だからな。そのへんよろしく!」
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