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2-23 学園内にとある事件が発生しているようなので調査します。

別作品の長編が連載中ですのでよければ見に来てください。

「最強スキルを得た悪役ヒーローは勇者パーティを返り討ちにして悪事を働くが何故か感謝されるのだが?

 知らずのうちに英雄のように称えられるが、あくまでも俺は悪役だからな。そのへんよろしく!」

https://ncode.syosetu.com/n8091hp/

 

日食まで残り七日。

特に変わりない日常を送っていたルーシェだったが、一方でここ。ウィッチエナン魔法魔術学園ではとある事件が勃発していた。

 その件でマギー・テルはルーシェを渡り階段に呼び出していた。


「マギー先生。お呼びですか?」


「ルーシェさん。来てくれましたか」


「勿論ですよ。マギー先生の呼び出しとあればどこへでも駆けつけます」


 ルーシェは乙女の顔になっていた。どうもルーシェの好みはマギーのようだ。

 それはテトの目から見ても明らかだ。


「色気付いちゃって」


「なんか言った?」


 ルーシェはテトを睨むとそそくさと逃げていく。


「そう言えばいつも職員室に呼び出されるのに今日は珍しい場所に呼び出すんですね」


 愛の告白をされるのではないかとルーシェは絶対にありえないことを想像してしまう。


「誰にも聞かれたくなかったので人目に付きにくい場所を選びました」


 来た! と、ルーシェの胸が高まる。


「ルーシェさん。実は今、この学園でとある事件が起きていることをご存知ですか?」


「とある事件?」


「器物損害です。生徒のホウキを折られたり、私物が壊されたりしている事件です」


「あぁ、クラスの子がやられたって言っていたような」


「はい。教師の私としても困っているんです。ルーシェさんにはこの犯人を突き止めて欲しいんです」


「私が?」


「もしかしたら魔女狩りがこの学園に侵入しているかもしれません。万が一のことを考慮して七賢人の力が必要なのです。頼めますか?」


「はい。七賢人としてお任せあれ」


ドンッ! と、拳を胸に当てる。

 ルーシェの想像から斜め上の答えだったが、マギーの頼みを断ることはできない。

 それに敵が攻めて来る前から既に校内に潜んでいることを考えるとジッとなんてしていられない。


「ルーシェさんならやってくれると信じていました。エリカさんにも声を掛けたのでよろしくお願いします」


「ゲッ。あいつにも声を掛けたんですか?」


「えぇ。少し渋っていたのですが、ルーシェさんも参加すると言ったら快く引き受けてくれました」


「って、私、今その話聞いたんですが」


「と言う訳で犯人を突き止めて下さい。期待していますよ」


「は、はい。お任せ下さい」


 ルーシェは事件の調査をすることになった。


「あーあ。安請け合いしちゃって。面倒ごとを自分から引き受けるなんてどうかしているよ」


 マギーが去った後、テトはルーシェに向かって小言を言う。


「別に安請け合いじゃないもん。この学園のピンチに七賢人の私が動かないでどうするのよ」


「今回の事件っていうか。ただのイタズラだと思うよ。魔女狩りならこんな姑息な手は使わないと思うんだけどな」


「それはそうかもしれないけど、このままほっておく訳にはいかないでしょ。犯人を見つけて二度とこのようなことをしないって約束させるんだから」


「別にルーシェがやることもないと思うけどな。エリカもやるなら彼女に任せればいいじゃない」


「あいつに良い顔をされるのだけは無理! それなら私が先に見つけてやる!」


「何を言っているんだか」


「マギー先生がわざわざ私に頼んでいるんだよ。断るわけにはいかないでしょ」


「僕はどうもあの人苦手なんだよな。何を考えているか分からないし、取って食われそうで怖いよ」


 ルーシェはテトを睨んだ。


「マギー先生のこと悪く言わないで!」


 ルーシェはマギーの悪口は耐えられないようだ。

 ともあれ。学校で事件が実際に起こっていることは事実だ。

 ルーシェは被害にあった同じクラスの子から事情を聞くことにした。


「げっ! ルーシェ。何よ。私に何か用?」


 警戒心剥き出しに反応したのはココア・クリームだ。


 以前、サシャにちょっかいをかけたガキ大将系の彼女。

 ルーシェに対して少し距離を置いている。


「いや、用ってほどじゃないんだけど、ホウキ折られたって本当?」


「何よ。文句あるわけ?」


「いや、そういう訳じゃなくて」


「何よ。いい気味だと思って嘲笑いに来たの? それともこの間の仕返しにあなたがホウキを折ったんじゃないの?」


「いや、だから違うって」


 ココアはルーシェに力の差を見せられたことで警戒している様子だ。


「これを見なさいよ。朝、来たらホウキ置き場の私のものが真っ二つに折られていたのよ」


 ホウキは見事二つに折られており、これでは乗ることは出来ない。

 魔女にとってホウキとは大事なアイテムの一つだ。

 それは同じ魔女であればよく分かっているはず。それを折る行為は魔女としては考えにくいことから外部の仕業だと噂が立っている。


「なるほど。これは酷い」


「笑いたければ笑いなさいよ。ホラ!」


「いや。笑えないよ。そもそもそんなカッカなされるな。私はそんなつもりないし」


「じゃ、なんだっていうの?」


「ちょっと見せてもらえる? 私が直してあげようか?」


「え? そんなこと出来るの?」


「直せる人を知っているから少し、このホウキ借りるね」


「それは別に構わないけど」


「ありがとう」


 ルーシェはココアのホウキを持って帰ることに。


「ねぇ、テト。このホウキ。どうやって折られたものだと思う?」


 ホウキの折られた先端は避けており、道具で切断したというより適正な方法以外で折られたものである。


「握力?」


「素手でホウキを折れると思う? どれだけ怪力なのよ」


「僕には判断できないよ。ルーシェはどうなんだよ」


「私? うーん。何かで叩いたような」


「何かって?」


「多分、ハンマーとか硬いもので折ったと思う」


「でも犯人は何故そんなもので壊したんだろうね。普通、鋭利な刃物で切った方が楽だと思うのに」


「その場に刃物がなかったとか?」


「それなら思いつきで犯行に及んだってこと?」


「思いつきか。その線は考えられるかも」


 ルーシェは回復魔法で折れたホウキを復元させた。

 試し乗りをしてみるが、飛行に問題はなさそうだ。


「これで明日、ココアに返せる」


「回復魔法は異質だから誰もが出来る魔法ではない。七賢人ってことを隠すために持ち帰ったってことか」


「えぇ。流石に目の前で直すと疑われるからね。明日、朝早く行って見張ってみようか?」


「僕は朝早いのは厳しいよ」


「何を行っているの。早起きは三文の徳っていうんだからシャキッとしなさいよ」


「それは人間に対してのことでしょ。僕は猫なんだから関係ないよ」


 テトは最後まで早起きをゴネていたが、ルーシェはテトを無理やり連れていく。

 自分で歩くことができず、ルーシェに運ばれる形で学園に登校する。

 よく狙われるのはホウキ置き場だ。

 ここ数日、何人かの生徒が被害に遭っている。

 ホウキ置き場は自転車置き場のように簡易的な仕切りで筒状のものに入れて保管するタイプになっている。

 一応、鍵をかけられるようになっているが、皆が皆、鍵をしている訳ではない。

 生徒が登校する前に待機しているルーシェは物陰からジッとホウキ置き場に視線を向ける。

 来るのはホウキを置きに来た生徒のみで犯人らしき人物は現れない。


「テト。起きて」


「何。どうしたの?」


「お手洗い。私の代わりに見張っていてくれる?」


「えー」


「頼んだよ」


 テトに見張りを頼んだルーシェは校内のトイレに駆け込んだ。

 ルーシェが席を外したのは十分くらいだろう。

 スッキリしたルーシェが戻ったその時、まさかの光景を目撃することに。

 ホウキが二、三本折られており、無残にもその残骸が転がっていた。

 犯人が現れたのだ。

 そしてあろうことか、テトはその場で熟睡中だ。


「もう! テトのばか」


 無情にもルーシェはそう嘆くことしかできなかった。


別作品の長編が連載中ですのでよければ見に来てください。

「最強スキルを得た悪役ヒーローは勇者パーティを返り討ちにして悪事を働くが何故か感謝されるのだが?

 知らずのうちに英雄のように称えられるが、あくまでも俺は悪役だからな。そのへんよろしく!」

https://ncode.syosetu.com/n8091hp/

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