第一話 初めまして。ルミナエル・シルベスターです。
埴輪です。隔週更新で申し訳ございません!!今回、再推敲したら案の定文字数がばかみたいに増えまして・・・一万から一万五千へと。
長くて申し訳ないですが!ゆっくりと読み進めていってくだされば!
シーン2-1 初めましてお父様、お母様
目を開けれない。
しかし無意識に泣き声を上げる。
神様に導かれ、今、神無月弥代は異世界転生を果たしました!
めでたいです!記憶があるおかげでこうやって、頭の中でいろいろ考えれるわけですが、言葉にしようものなら、赤子の泣き声となってしまうわけであります。
暇です。転生したはいいものの、赤ちゃんからのホントに一からなので、少々不便…
耐えるしかありませんがね。
そして、私の名前が決まりました!神無月弥代、改め「ルミナエル・シルベスター」通称、ルミナとなりました!きっとこの、シルベスターっていうのが名家なのでしょう。
神様が姫になるくらいだっていうからにはきっと。
え?口調が変わっている?生まれたとともに、もともとの口調がうまく、喋れなくなりました。
まあ、あのままの口調では、女王になったときとか不便になりますから、いいんですがね。
でも、暇です。生まれた時って何をしていたのかわかりませんからね。不便です。
シーン2-2 まだまだ小さい子ですから
先ほどぶりです。ルミナエル・シルベスターは五歳となりました。
やっと普通に喋っても不審がられなくなりました。
最初のころは、よく喋りすぎて周りの人を困惑させましたが、今となっては無問題です!
今は、自宅の広すぎるお屋敷の廊下を徘徊しています。
「お嬢様!勝手に部屋を出ていかないでください!」
後ろから、白と黒を基調にした、シルベスター家専属のメイドが走りながら私を呼び止めようと駆け足で寄ってくる。
「何度も言っておりますが!勝手な屋敷の徘徊はおやめください!お嬢様」
「わかっているわ。でも、私だって好奇心旺盛な時期よ?少し位ご容赦くださいな」
「さすが奥様の子供・・・言葉でも勝てる気がしません・・・」
廊下の途中でメイドに迷惑をかけるわけにもいかないので、立ち止まってあげることにしました。
そうです。私は、前世の記憶とともに、母親であるリルベスト・シルベスターの遺伝もあってか、異様なくらいの語彙で、大人にも負け怖じしません!と、どや顔を内心決め込みます。
お母様には負けますよ?前世の記憶があっても言葉で圧殺されました。勝てませんでした・・・化け物ですね。本当に。
そんなことを考えながら、私の言葉で撃沈したメイドは、膝と手を廊下の床につけ、崩れていました。
メンタルは作者並みのようですね。そのうちに逃げましょうかね。
(あの、ストーリーに中の人を絡めないで)
(いいじゃない。メンタルの比較には作者が適役でしょ?)
(反論する余地もありません。しかし、あまり出さないでね?)
(はいはい。わかりましたよ)
廊下の角を曲がった瞬間、私の目の前に大きな二つの柔らかな球場の何かが現れました。
案の定、ぶつかりましたね。なんだか小学校の頃に廊下は走るなって言われる理由を間近で感じた気分です。
ぶつかった相手方というのは紛れもなく私のお母様。リルベスト・シルベスターです。
「あら、そんなに走ったら危険よ?サラワさんは?」
「プハッ!お母様!サラワは後ろのほうで泣き崩れていますが?」
「あらあら。それは、また正論言ってしまったの?」
「・・・まさしくその通りですわ」
母に抱かれたまま、顔を胸からだし、軽く目だけでもうつむく。
にしても母のその寛容な胸は軽々しく窒息死ができそうで怖いのですが、ぶつかるうえではいいエアバッグだなと感心してします。
「仕方ないわ。お母さんもよく小さいころはやったものよ。うふふふ」
「え。」
思わず固まってしまう。うふふふなどと柔らかくしていながらも、紛れもなく相手方は意気消沈であっただろうと推測する。
聖母のような優しい風貌を持つ母は、かなり過去が暗い気がしました。
そして母に連れられ、今だ地に体をうずめるサラワを回収し、仕事から帰ってくる父のもとへ廊下を抜けて向かう。
大きな玄関の前に立ち、父ギルガメッシュ・シルベスターの姿を待つ。
ガコンという音ともに、大きな扉が開きだした。
六人の兵士がやっとで片方だけ開く扉を押していく。毎度思いますけど、欠陥住宅不可避の大きさだったりと規格が外れすぎな気がしますよ私は。
すると、背中を母に押されて目のめりになりつつ目線を前へ向けると、そこにいたのはごつい鎧を付けつつも目元の隈と残業後の前世の兄のような目をした父の姿。
母の行動の意味は、あの沈んだ父を蘇生しろということであり、ほぼ毎日やらされている日課みたいな行動である。
前のめりになった体制から一気に走り出し、白色の母とおそろいのドレスをジャンプによって浮かせながら、父の足元に向かって氷柱を創造と魔法の力で生み出し投げつける。
瞬間。父のオーラが急変し、こぶしで私の作り出した小さな氷を鋭いパンチと共に砕く。
同時に着地した瞬間に頑張って考えた氷の剣を生成し、胴体へ向かって切りかかる。
ガキン!という音とともに、氷の剣は砕かれ、魔力で出来ていた氷が散開する。飛びかかっていた私の体を父は、鎧を着ているとは思えぬ柔らかさで、抱きかかえる。
そして私は満面の笑みで勢いよく
「おかえりなさい!お父様!」
と言う。
「ああ、毎度練習台にしてくるお前にいつか殺されそうだぞ?お父さんは。ただいま」
と、先ほどまでの戦闘オーラは消え去り、笑顔で返事を返してくるその光景に、周りの兵士は慣れた人は拍手を送り、初めて見る人は青ざめつつ、母の元まで父は私を軽々しく肩に乗せて歩き出す。
そんな父ギルガメッシュは、現王国の騎士団団長で拳で先陣を切るような特攻野郎。ではなく、緻密な作戦の元、敵陣へ向かう頭脳派筋肉なのだ。
聞く話によると、王国立の武闘学校で卒業試験の一つ、講師へ一撃を入れるという、武闘家らしい試験でワンパンで先生を吹っ飛ばし、ダウンさせた。という伝説を持つ、超危険な人です。
つまりは私の両親は揃いもそろって化け物級の実力があるんです。
お母様もお父様に負けないような特技を持っていますからね。末恐ろしいです。
シーン2-3 家族でのお食事
それから父に抱きかかえられたまま、大きないつもの食事する部屋へと連れていかれる。
いつものように、私の隣には母。前には、食事をまだかまだかと満面の笑みで待つ父が座る。
娘である私でも、ここまで脳筋よろしく単調感情な父に頭脳派かと疑いたくなる。
しかし実績があってしまうが故、認めざるを得ない。
それから、何人かの専属のコックと料理長がやってきて私たちの前に豪華な料理を差し出し、メニューの紹介を始めた。
「本日は、ご主人様がご討伐なされた、ジャイアントソードフィッシュにキングホーンラビットをメインとした、お嬢様が求めていらっしゃった、焼肉というものを用意いたしました」
「やっとできたの!!」
その言葉に私は席を勢いよく立ち上がるって歓喜の声と表情をあらわにする。
「遅れてしまい申し訳ございません」と、料理長が深々と頭を下げるので慌てて「いいのいいの!一度食べてみたかったのよ!自分で焼いて食べるお肉!ありがとう!」と返すと、料理長は涙目に感激の顔を浮かべながら頭を上げた。
「お、おい。衛生的にどうなんだ?シェフ?」
「問題ございません。研究に研究を重ね、火属性の料理魔道具を開発し、ちょうどいい火加減というものを出し続けるものを作成しました。結果として、滅菌処理法という方法によって衛生面で言えば、滅菌され続けるという画期的なものになっております」
「やはり、君を雇ってよかった。こうしてルミナが喜んでいるのは、見てて微笑ましいね」
「ありがたきお言葉。料理を作る側も全員、こんな笑顔なお嬢様を見ていたら、気力がわきますよ」
その料理長の言葉に整列していたコックたちが一斉にうなずいていた。しかも涙を流しながら。
そんなにかと思いながらも席に座りなおして、キングホーンラビットと呼ばれるモンスターの肉を金網に乗せる。
すると、初めて見るがこれぞ焼肉と言わんばかりの音と白い煙。極めつけにとてもいいにおいが漂ってくる。
焼き加減を確認して、一口サイズに切れている肉を口へ運び込み噛み締めると、肉汁がぶわっと口の中いっぱいに広がりだした。
合わせてジャイアントソードフィッシュの切り身も一口頂く。これもまた絶品であった。
本当に魚も肉もおいしいのよね。さすが異世界の食材といったところなのかしら?前世ではほとんど貧相なものばっかりだったから比べてしまえばもう・・・ね。
「どうですか?お嬢様、お気に召されましたでしょうか?」
「ええ!本当においしいわ。この下味が焼いた時にちょうどいい味になってて!」
「さすがお嬢様。今回は、魚にも肉にも、こだわった味を付けさせていただきました」
涙を吹きながら気づいてくれたぁ・・・という感激な表情でまた笑顔のまま涙を流している。
それは、ほかのシェフたちも例外ではなく、涙していた。それがまた面白く、今一度この世界に転生してよかったと思う。
「あら、ソースがついてるわよ、ルミナ」
ふきんを手にした母が、優しく微笑みながら、私の口元を拭った。
いつの間にか笑って食べていたせいで肉に着けるタレが口元についてしまっていたらしい。
「ほら、お母様も食べてみてください!絶品ですよ!」
「あら、じゃあいただきましょうかね」
母に拭ってもらいつつ、笑顔で言うと微笑みながら、肉に目を向けた。
そして肉を一枚だけ掴むと思われたが、一気に十枚金網ぎっしりに敷き詰めた。
さすがにその行動には目を丸くしてしまう。桁が違うが、父も負けず劣らず、白飯を入れている茶碗が毎度のことだが、今日は一段と段を重ねていた。
そして時折、こっちを見ては二カッと笑いかける。家族とはこういうものなのだろう。短い時しか感じれず、日常によって噛み締めてこれなかったこの団欒とした風景に思わず心が痛んでしまうが、それはそれこれはこれと、心の中でかたずけて私も負けじと金網に肉を乗せて喰らう。
粗方、私と母の食べる速度が落ちてきた頃。
未だに衰えぬ早さで食い尽くす父が口を開いた。
「そろそろ、ルミナの検査をしようと思っていて、明日にでもしようかと思うのだが」
突然の検査という言葉に体がこわばる。
前世ではあの症状によって幾度となく元両親にあれやこれや調べられた思い出が脳裏に現れる。
「あら。そんな急がなくてもいいじゃない」
「いや。早めに知らないと、帰ってくる度に命の危機が迫るのは…俺でも」
「ふふふ。仕方ないわね。明日、行きましょうかね。予約は入れてるの?」
私の知らぬ間に話が進む。慌てて話を遮る。
「え?ちょっと待って?なんの検査?」
「ふふ、それは明日のお楽しみよ。安心して、痛くないから」
「そうだぞ。どちらかと言えば、気持ち的な面で痛むかもしれんがな!はっはっは!」
なんだと。父よ。それは困る。
私だって言っておくが作者並のメンタルしか持ち合わせていない。
つまりは、結果によっては、籠ることになる。
事実、前世の私はあの日、両親の死からこもり始め、やっとこさででてきた三日目だったのだ。
出来れば控えてほしいが…今の両親には何を言っても無駄であろう。そう思い、最後の一口として魚の切り身を口の中へいれる。
が、しかしながらやはり
「き、気になる…」
「なーに。俺とリルの子だ。問題なんぞない!」
「そうよ。王国一の純血の人狐なんですから。そして、予約は?」
「おお、そうだったな。安心しろ、あのヨルムンゼレバのおかげでバッチリだ。あと、王のご子息も明日で同時にやるそうだ」
「ま、待って?王のご子息って?!」
思わず話をと切らせてしまう。
何せ、王のご子息ってことは、王子にあたる人。つまりは私の将来の方ってことでしょ?
私に乙女の心はないため、ときめきはしないが、気になりはする。
「うん?次期国王候補。現国王エルクレム・ミネルバ・サイキストの息子。カルナスラ・ミネルバ・サイキストの事だが?」
うん。元日本人の私には少しばかり難しい気がする名前だが。
どうせ無理にでも覚える羽目にはなるのだろう。
そして、話し中ずっと思っていたことを指摘する。
「はぁ。それと、お父様?焦げてますよ。お肉」
「ええ!?」
話してるうちに、父が焼き始めた肉は物の見事に焼け焦げていた。
焦げた肉でも食べようとした父を止めに入る料理長やシェフに、私と母はそのいざこざを笑いながらみていた。
最終的に焦げた肉は料理長が強引に引きつった笑みで回収し、そのままディナーは終わった。
その後、私の前にはアイスクリーム(これも私が立案。というか前世から持ってきた知識)に可愛い装飾をしたものとココア。
父の前には赤ワイン。この世界ではワインではなく、ワルキスという独特な呼び方をしているが、赤と白の区別はそのままらしい。
母には、ミルクによって穏やかな色になったコーヒー。またまたこの世界では、ラ・ヒート。というらしい。
ゆっくりとそれを飲み干しつつ、雑談をする。
それは、私が前世で感じきれなかった、幸せな時間であった。
こうして、記憶を残して転生を果たすと、前世でできなかったことや感じきれなかったことをやり直すことができる。
それは時に嬉しくも悲しくもあった。
そんな思いに耽ると、兄のことを思い出してしまう。
今、どうなっているのだろうか。私の棺桶は発砲スチロールみたいなことになっていないだろうか…。
考えるだけで兄の心配をよそに恐ろしさが勝る。
しみじみ思っていた私の脳内は、父の声に遮られる。
「ああ、忘れていた。明日の昼頃からルミナ専属のメイドが来ることになっていたんだった」
「はいぃ!?なんでお父様毎回毎回急なんです!もっと事前に連絡してください!」
「おお、それはすまない。あとで稽古に付き合ってあげるから許してくれ」
「付き合ってあげる?頼んだ覚えはありません!」
「ルミナはほんとにリルのいいところを受け継いだな」
父は本当に頭脳派なのだろうかとこの夕食の時間だけで二回も考えてしまった。
なぜ戦略は豆なのにこういうところはルーズなのだろうかと苦悩してしまう。
そんなふうに父へ物申す子をみている隣の母い目をやれば、やはり笑っていた。
「頬を掠めてあげます」
「ふん。できるものならしてみろ。弱々しい氷なんか砕いてやるわ!」
ハッハッハと高笑いする父に憤りを少し感じつつ、話を戻すことにした。
「で?その専属の方の名前は?」
「ああ、今日の仕事で隣町の奴隷商を取り締まったときに、解放した奴隷の子・・・」
「まさか、そこでまた可愛い子がいたとか言わないでしょうね?お父様ぁ?」
心情をそのまま顔にしながら食い気味に問いかける。
「い、いやそれは・・・でも!実力は確かだ!ってぇえぇ!」
突然、父は私をなだめるように右の掌を出したまま、痛みの悶え始めた。
きっと、母が満面の笑みを浮かべてるあたり、テーブルの下で脛でも蹴ったのだろう。
やはり、脛をも鍛えている父をこんなに痛がらせる所を見ると母も頭だけではないのだと心底思う。
このままでは話が進まないと感じつつも、父の痛がる姿を憐れむ。
「そ、それでだな?お前と同じ…獣人の子がいたんだ。職業は、元巨狼騎士。ある時、国のミッションと騙されて拘束されて、この王国まで流されたそうだ。それで引き取ってきちゃった」
ああ。やっぱり…頭悪いかもしれませんね。
ちなみに、職業についてはある程度勉強しているのでわかる範囲で言えば、巨狼騎士とは、狼の獣人で、ある一定数の経験を積み、認められるとなれるそうです。なおかつ、巨狼騎士はまず見習い剣士。剣士。見習い兵士。兵士。見習い衛兵。衛兵。騎士。巨狼剣士。その後、見習いを抜かして、順々になっていくそうです。
あれ?そう考えるとかなりのベテランなのでは?と思った矢先に。
「年齢は、ルミナと一緒だ」
「「はああ!?」」
母と揃った。理由は明確であろう。この世界で最も知識を保有している人物に近い母だ。私以上に職業についても理解している。
ならば、今の情報はかなり思った通りすごいのだろう。
案の定、聖母も声を張り異を唱える。
「えぇ。二人揃って何?」
「いや。なにって。え?私のメイドが、私と同い年?」
「いくらバカでもそれは…フォローもなにも出来ないわ」
母もワルキスの入ったグラスを片手に空いた手で額を抑える。
「な、なんかごめん」
「はぁ、今日は徹底的に潰しにかかってあげるから!お父様」
「おお、怖いな・・・あとリル。憐れむ目を向け続けないでくれ・・・」
お父様。本気でかかってあげますよ。と固く決心しながら溶け始めたアイスを口の中へ入れる。
そして、頭が冷えて痛くなるのだった。
シーン2-4 普通には出来ないのですか?お二人とも
あの後、軽く休憩し、現在母の見守る中、屋敷内の練習場へきています。
母は頭が良いだけではなく、治癒魔法においては学生時代、魔法学校で有名人だったらしいです。危険人物という意味で。
あと、魔法防御壁などにも長けているとかなんとか。
私の母親高スペ過ぎます。本当に名家に生まれてきてしまったようですね私は。
「さて、今日はいつも通りフリーの一本か?」
「ええ。それじゃなきゃ拳で勝てるわけないでしょ?お父様」
フリーの一本。それは、決闘のルールのひとつ。
何をしても良い。ただ、相手に一発重いのを当てればいいのだ。逆に小さい攻撃をいくつ打っても一本にはならない。
戦い方は様々だが基本的に、速攻か持久がメインである。
始まった瞬間に間合いをつめ、決める速攻は、拳で語り合う人に似合っている。対して、持久は隙を狙い続け、読み続けて一点で決める感じだ。
両方共、メリットもデメリット存在する。
そういう私はどちらでもなく、操作。つまりはコントロールである。
形は持久戦のようだが、相手を自分のいい形へ持っていってからの一方的に沈める。それが私の得意とする戦法。
対して父は、速攻かと思いきやオールラウンド。持ち前の拳を刺すために、細かい動きと突発性の攻撃。速攻も持久もいけてしまう。
その時その時で決め方を変えてくるのだ。
つまりは私と父の戦いは、いかに準備させずに自分の形を作るかである。と、それを頭に再度、唱える。
「3・2…」
母の声が練習場へ響き渡る。
「1!ファイト!」
瞬間、私は創造の能力と魔法を使って速攻対策の壁と氷の柱を作り出す。と、同時に氷の柱が砕ける音がする。
壁のせいで状況は分かりにくいが、音のおかげで大体はわかる。
私の柱を予測していた父は高く飛び上がり、柱ができた瞬間に地上へ拳をぶつけ、地面の衝撃で根元から氷の柱をへし折り、ぶっ倒したのであろう。
あんな拳を喰らえば骨半本か行かれる。だけでは済まないだろう。
最悪死ぬ。
しかし、これで時間は少なくとも数秒は作れた。
創造のスキルと弓道を活用した結果で生み出したボウガンを手にし、矢を装填する。
氷の壁による砂ぼこりがいまだ舞い上がり、黒い影でしか父の姿を確認できず、揺れる影に向かって矢を打ち出す。
発射時の小さな音が聞こえたのか、打ち出してから一秒も経たずに影は虚空へと消え去ってしまう。
「やっぱり…」
思わず声が出る。
それと同時に、右斜め後ろに飛び退く。
紙一重と言うべきか。私がいた場所には、赤く燃えるような拳を突きだした父がいた。
ボウガンを投げ捨て、私のメイン武器である最も扱い慣れた大鎌を作り出し、父の首目がけて飛び出し、切りかかる。
位置は完璧だが、ガキンという金属音とともに、父が腕にはめているガントレットに阻まれる。
「ふん。本気で殺しに来てるな。だが!甘いぞ!」
阻まれ、空中に浮いたままで父のすぐ横。これは。かなりまずい。回避行動ができない。
右ストレートが遠心力と共にくる!
これまでの経験上。これを受け流せたことも防げたことも一切ない。
直感で考えるよりも先に
「真・魔法障壁!」
叫んだ瞬間、目の前に魔法陣が現れる。青白い文字と記号によって描かれる円形の魔法陣は、予想通り遠心力を加えて振るわれた父の拳によって一瞬だけ止まるが、砕き飛ばし私の方へ向かってくる。
ここまでは予想通り。とはいかない。前よりは魔法障壁の純度は上がり、耐久力もそれなりになっていたと思っていたが、父の拳はいまだ軽々しく振るわれてしまっている。
まだまだかと思うが、これで終わっては本気ではない。
いつもならば終わってしまう場面でも、今回ばかりは粘る!そう心に決めていたからこそ。危険ながらも
新しい方法で回避する!そう心の中で叫ぶとともに
「インパクト!」
火属性魔法に属され、その枝分かれした先にある爆発系の初期魔法。
火力は少ないが今はそれが短所から長所へ変わる。「回避」に使うならばちょうどいいぐらいの威力。
私の目の前で魔法障壁の破片が残るところへインパクトを放ち、体を受け身を取りやすい体制にする。
インパクトの爆風によって一メートルほど吹き飛ぶ体を空中で制御し、後転しながら地面に着地する。
父の拳はそのまま空を切り、爆風の煙を切り裂いた。
そして私は勝ちを確信した。私にとって最高の場面が今揃ったのだから。
「今回は、私の勝ちです。お父様」
トラップ。私が四歳のころに魔法研究で明け暮れた末に完成した魔法。
『トラップ発動条件。
対象者が特定の位置におり、なおかつそこで空気が乱れており、周囲に爆発が発生し、対象者の直径二メートル以内に生物がいる。』
条件が細かいほど、強力なトラップが打てる。ということが研究の段階で判明しているからこそ、複雑な条件を掲げ、場面を作り出す。
これが私流コントロールのお決まりのスタイル。
「トラップ。バインド!」
呪術系の中でも初期魔法のバインド。しかしそれは、私が魔法の中で、二番目に得意な罠魔法により、格段にレベルが上がる。
その魔法が発動とともに、父が少しだけ顔をしかめた。
「これは、封印か?」
「そう。バインドの中でも上位のやつ。封印術式・序よ」
「ならば、解けるな。何度も敵国の召喚士によって慣れたものだ」
「さぁ?それはどうかしらね」
「ふ、おちょくるな」
しかしながら父よ。そう何度も封印術式に嵌らないでほしい。封印術式は父だから解けるものの最高峰ともなれば、百年もの封印など手軽にできてしまうのだから。
そんな考えをよそに、これを解こうとした瞬間。父は衝撃を受けた顔をした。
「……いつ習得した?」
「ついこの間。でも、お父様?その考えははずれです」
「では、これはあの刻印ではないと?そういうのか?ルミナよ」
「そうです。対お父様専用魔法!対象者を絞りに絞り切ることで、効果を格段にアップさせ、複雑化させました。言い換えれば、専用にしてそれっぽくした偽物ですよ」
「だから、解読不能なのか」
「簡単に破ろうと思わないでください」
父が考察した刻印とは、先ほどの最高峰の中でも最も有用性のあるもので、罠魔法と近い存在なものであり、何かに呪術で使われる呪語の中でも最も古い古語を彫ったものを触媒として発動する魔法である。
それはそうと、このまま固定していてもいいのだが、勝ちたいので今回は、丁寧に一本もらう。
鎌を目の前で回転させ、回転の中心部から氷魔法で帰宅時に投げつけた氷柱よりももっと大きな氷柱を形成していく。
私にとって得意な魔法第一位は紛れもなく、この氷魔法である。
直径は最大の部分で二メートル強。クリスタル上になっている氷柱の先端は裁縫用の針並みの鋭さ。
狙いを定め、鎌の回転力を添えて父に向って放つ。
パキンッ!
つららの先端が折れて砕け散る音がする。父が防げるはずがない。まさかあのトラップを解かれた!?
そんな思いもしたが、答えはすぐに表れた。
砕けた氷のダストによって光が反射され、神々しくきらめくその奥に母の防壁が見えた。
「今回は、勝負あったわね」
「ああ。初めてだ。こんな小さい娘に負けるなんてな・・・鍛えなおしだ」
そう言って、母により罠魔法を解かれた父は、私に近寄って頭を撫でる。
しれっと母にはバインドを解除されてるのは無視しておきたい…。いくら専用と言えど、解読はその人物関係なくややこしくしたはずなのだが・・・。
「さて。次はそのトラップを発動させないような形で行かなくてはな」
「まだまだ他にも罠はありますよ?お父様?」
五歳とは思えぬ不敵な笑みを私は今、背の高き巨体の父へ向けていることだろう。
「なら、まだ対策してない所を突くまでだ」
と、父はまた始まったときのように高々と笑って、私の手を引いて母のもとへ行き家族三人揃って、練習場を後にし、部屋へ向かう。
自室へ入り、明かりをつける。
上質な木製のベッドに本棚。クローゼットにテーブル。
全て、私が頼んで作ってもらったものの数々である。
まだ私物と言える物は少なく、強いていえば魔法の教科書が十数冊と前世ではないような絵本が何冊かあるだけ。
そして、本棚の上には家族写真が置かれている。
それくらいしか今、部屋にはない。が、前世の時の部屋と比べれば王室と一軒家の部屋ほどの差だ。
クローゼットから毎日メイドによって洗濯され、清潔なフリルのついた寝間着に着替えてから、ベッドに入り明かりを消す。
この明かりも魔道具です。さすが異世界…。電気という概念がずれていますね。
深夜、奇妙な違和感と共に目を覚ます。
何事かと、明かりをつけると、辺りにはなんにもない。
勘違いかと思えば、何事かはあった。私の布団の中に、違和感の元凶はいた。
バッと布団を床へ投げ飛ばすと、そこには質素な服に大きな狼のような耳。そして、暖かそうな尻尾の生えた黒髪の獣人が寝ていた。
「わふぅ?」
目を擦りながら、起き上がった狼の獣人。何者ですかあなたは・・・
困惑しつつも、話を聞かんことにはどうしようもない。
「えっと?どちら様でしょうか?」
「ご主人様のお父様に、招かれた元奴隷です。眠いです…」
「そっか。どうやって入ってきたの?」
狼狽えるな私。平静を保て!いくらこんな非常事態でも平静おぉ・・・
「窓」
「はいい!?」
無理でしたぁ!!平静なんか装ってられない!窓!?まどぉ!?え?あの不審者よろしく盗みの入口、窓先輩から!?
え?ここ一応屋敷の三階だよ?高さにしたら四階建ての学校の校舎の屋上ぐらいだよ?それくらい高いんだよここ?
え?いくら前世の泥棒でもここまで危険なことはしないよ!?
ゆっくりと口を開き、問いかける。とにかく、整理だ整理。落ち着けールミナエル・シルベスター。
「まさか、壁登ってきた…」
「りしました。これくらいボクには簡単です!わふ」
「デスヨネー。食い気味ありがとう・・・」
「あの、明日からメイド?だそうで、昨日の昼から移動してきてたんで、ちょっと疲れちゃって」
「あ、ああ。だからそんなに眠そうなの」
先ほどから欠伸をした回数はゆうに十数回。いくら眠くてもそこまで行く?っていうぐらい繰り返していた。
「はいです。なので、朝でもいいですか?ご主人様?」
じ、自由奔放な子…しかし私も、深夜に起きたせいで眠気が残っていて欠伸に関しては人のことを言えない。朝でもいいと思ってしまう。
「じゃあ、寝ましょうか。私もこんな時間に起きたら眠たくて…」
そう言うと、尻尾を振りながら私が投げ飛ばしてしまった布団を回収し、早く寝よ!と言わんばかりに、目を輝かせてきた。
もはや犬。そう思いながらも、ああ狼かと自問自答しつつそのまま二人でベッドにて就寝。
朝。
目を開くと、目の前にあの犬。こと狼の…あれ?この子の名前ってなに?
深夜の出来事を思い返しても、聞いた覚えがない。
そうだ。夕食の時も、名前聞く前にお母様の蹴りが炸裂して、すっ飛ばしたんだ!
私としたことが…大事なことを聞き忘れていた…。
「わふ?おはようございますです。ご主人様…」
「あ、おはよう。よく眠れた?」
「はい!あ、それと自己紹介がまだでした!本日付でご主人様のメイドであり、護衛に着きます!ホカラナ・リエスタルトと申します!気軽にお呼びください!」
そう生き生きとベッドの上に正座し、尻尾を振るう姿はやはり犬だった。いや。狼かと心の中で同じ下りをもう一度する。
「よろしくね、ホカラナ・・・さん?」
「はい!あ、それと厚かましいようで申し訳ございません。よくカナと呼ばれていたので、出来ればそう呼んでいただけると…恥ずかしながら反応しやすいです!わふ」
「は、反応しやすい・・・ね。まあ私のことは軽々しくルミナとでも呼んでね」
「・・・ルミナ・・・やっぱり無理です!慣れれば行けるでしょうけど・・・やはり、主人に当たるので」
「命令。普通に接さなかったらお仕置きだからね?」
未だにベッドで正座するカナへ昨日の父へ送ったのとはまた別の悪魔の笑みを送る。
「は、はい。分かりました・・・」
「あと。色々とお父様に報告しに行きましょうかね?カナ?」
再度、服を着替えながらカナへあの笑顔を向ける。
涙目で弱々しく答えるカナの尻尾はさっきのようにぶんぶんとは振っておらず、下向きに垂れている。犬だ。いや。(以下略・・・。
カナの背は私より二寸ばかり大きく隣に立つと、一歳上のように見える。
決してわたしの背が小さいわけではない。はず…あと、胸も。まだ五歳だカナがおかしいだけだ。とそう何度も言い聞かせながら廊下を歩く。
そして、私とは髪の毛の色が相対的でかなり隣にいると目立って見える。
母譲りの白銀とひと房の青い髪の毛に対し、カナは少しバサついた梳かせば綺麗な黒髪。
廊下を通る途中。掃除中のメイドの人達にも私が変なものを拾ったのかという顔だった。
正確には、父が拾ったものなのだが・・・。
昨日の夕食と同じように、扉を開けて中へ入ると、早くも母が待っていた。
母の姿は昨日よりも一層綺麗で妖艶でもあった。きっと朝から部屋に備え付けのシャワーで洗ってきたのであろう。
恐るべしマイマザー・・・。
「おはよう。その子は、昨日のあの話の子かしら?」
「おはよう、お母さま。そのようです。昨日というか今日の深夜に窓から侵入したらしく・・・」
「あらあら。元気なのね。ふふ」
いや。違うと思うぞ母よ。元気だね〜で済む話ではないと思う。なにせ学校の屋上を壁伝いに上ってきているのと一緒なのだから。
事実、これがカナじゃなくて暗殺者とかの類だったら警備もワロタ( *´艸`)不可避だよ!と内心そんなことを思いつつ、母の隣へ座る。
隣にいたカナは、床に正座し父と料理を待つ。
・・・いや。ちょっと待って?え?私のメイドどこに座ってるの?今までの笑顔が引きつりに代わって、恐る恐るカナへ声をかける
「か、カナ?普通に椅子座ったら?」
「え?」
え?私がえ?だよ!?朝っぱらから私は突っ込みですか?!なんでやねん!前世でも漫才とか全然見れなかったから分からないけど、これが突っ込みだと思う!絶対に。
「い、いや。椅子あるから座ったら?」
「ええ!?い、いいんですか!?座って?」
「う、うんそうだけど?」
ん?これは・・・ああ。なるほど。前世で読んだ小説か漫画のどっちかで見たことあるなこれ。
忘れていたが、カナは一応奴隷商人からってことはメイドではなく、奴隷であり、奴隷のお決まりと言えば自由がほとんどない。
なるほど理解した。異世界の奴隷制はやっぱりそんなものなのだろうかと悲観しつつ、ほら。と私の隣の椅子を引き、カナを座らせるよう勧める。
私にとって奴隷の制度など知る気もまっさらさらないので、普通に接しますがね?
オドオドしながら、落ち着かない様子で椅子に座る。と同時にタイミングよく、父が扉を開け仕事服(防具)を身につけて入ってきた。
そして、父の目線は母、私、そしてカナに止まった瞬間。
父の顔が完璧に変わった。ああこれは・・・と母も私も思った。相変わらず沸点が分からなすぎる。
テーブルに近づくにつれ、父の紅い謎の怒りを感じる。つまりはキレている。
母もなんでこうなのかしらね。とでも言うように苦笑いをしていた。
それを変えて言えば、母としても止めるのが困難であるということを示すには十分すぎる対応。
そしてその怒りの理由は百パーセント、カナであろう。
拳が飛び出してきたらを考え、大鎌手元に用意する。
そして、テーブルに到着すると同時に両手をカナの前でテーブルにたたきつける。
やっぱり。大鎌を握る手をより一層強く持つ。
「どうして椅子に座ってる?」
「……」
助け舟を出すか迷う場面となった。
沸点がわからすぎる以上運悪ければ、酷い結果になる。母も手を差し伸べるかどうかを迷っている様子で目を細めながら、テーブルの下では魔法障壁の魔方陣が編まれていた。しかも最高レベルのものを。
「なんで。座ってるんだ?あと、どうやって入った?」
「…はぁ…座るのに関しては私が許可を出しました。他になにかダメとなる理由ありますか?この子の主人は私です。この子の行動にお父様が口を挟まないでください」
カナがいよいよ泣きだしそうになっているのを見たら、思わず父と対立してしまった。
「主人がお前だと?抜かせ。こいつを拾ったのは俺だ。主人の名のところにお前の名前を書いただけだ」
「では、主人は私です。契約者の欄の名前が誰なのかが、結果として主人のはずですが?」
「昨日勝ったからと言って図に乗るな」
瞬間的に父の殺気が失せる。内心、クソがと思い、表情はもはや苦虫を噛んだ時以上な顔をしていただろう。
父の殺気が失せているのは許したからではない。殺気を押し込み、ある部分に殺気という名の力をためているのだから。
父の能力『殺気の操り』。殺気を意図して力に変換することができる。
父に合いすぎてチート級になっている能力。こればっかりは対処の使用がない。
言葉で少しでも母の魔法障壁の編算に時間をまわすことに集中する。
「カナに手を出すならばそれ相応の覚悟があるんですよね?」
「逆に問おう。お前は今、誰にたてついてるのかわかっているのか?」
「ええ。重々承知の上、こうして鎌を突き付けています」
私の大鎌の先端は父のすぐ首元。つまりはほぼ魔法という魔法が使えない父はこれを少しでも深く入れれば、守る術なくダメージを食らうと。
すると、母が小声で私の耳元に囁く。
「大鎌の先端を首に当てて。瞬間的にそこから魔法を流しますから」
「ううん。大丈夫もう、私の勝ちがまた決まったから」
「・・・あら。ふふ、そのようね。さすが私の子供」
冷や汗が流れて目のすぐ横を伝っていくのがよくわかる。
「頭冷やしてください!このあんぽんたんお父様!」
裏で形成した氷を束ねて作り出した直氷冷えピタ!を父の額に炸裂させる。
冷静を装っていたが内心冷や汗もので、その冷静さが欠ける瞬間と同時に冷えピタを投げたせいで、少しばかり大声を出してしまうが、綺麗に冷えピタは父の額にクリーンヒットした。
ちなみに誰もこの冷えピタが柔らかいなんて言っていません。
ゴチン。
「かはっ!」
父は力ない言葉と共に、床に倒れ込む。
「あ、カラウシアさん。父をお願いできますか?」
父の同期であり部下で副団長を務めるカラウシアが毎度のごとく、父を引きずっていく。
「またですか…もう少し自重を知って欲しいです。なんで沸点がバラっバラでズレてんでしょうかね」
などとぼやきながら食堂を抜けていった。
父の頭が無傷であることを祈りつつ、いつの間にか運ばれていた朝食に手をつける。
そして、母はいつの間にか食べ始めてました。十二分に母はブレないなーと思いながらパンを一口ほおばる。
かくいうカナはあれからずっと尻尾が不規則にぐねんぐねん回している。犬とは違う感情の表現の尻尾に戸惑いつつ、朝食をまた頬張る。
それはそうと、今日は、何かしらの検査というふうに聞いていたがどうなるのだろう。
「お母様?今日は検査だとかなんとか言っていませんでしたっけ?」
「そうよ?あれがぶっ倒れていても行けるから大丈夫よ」
アレ呼ばわりされる父…少しだけ罪悪感を覚えるが、そんな気もすぐにどこかへ消えていった。
「食べ終わったらすぐ行くから用意しといてね」
「はい。カナも一緒ですか?」
「ええ。あなたとホカラナの検査ですから」
ホカラナの単語と検査という単語でカナがより一層不安げになっている。
その姿も可愛いのでほっといて鑑賞しますがね。
♦
それから、朝食を終え自室に戻り、カナの服を選別する。
いくらなんでも、奴隷の時の服に私の服を適当に羽織っている今のままでは、外へ出た時どんな目をされるかわかったもんじゃない。
適当にカナに合いそうな服をクローゼットから取り出し、着せる。
「うん。いいんじゃない?」
「そ、そうですか?このフリフリが多いのが気にりますが」
「フリルのこと?かわいくていいわよ」
「か、かわいいなんて…一生ついて行きます…」
最後の方はなんて言っていたか聞こえなかったが、我ながらいい感じの服を見繕えた。
「それじゃあ、行きましょうかカナ?」
「はい。ご主人様!」
その時のカナの笑顔は天使そのものであった。
「あと、次もう一度ご主人様って言ったら、一時間ほど冷凍庫いきね?」
「嫌です!!死にます!!」
「敬語使っても駄目だから」
「・・・・・・」
もう最後まで来ちゃいましたかwえ?先にあとがき読んでいる方がいる!?
どうぞ、あとがきはここまでにして本文へどうぞ。
別にネタバレするわけじゃないんですがね?できれば、あとがきだったりは最後に読んでいただけるとw
はい。今回はプロローグに続いて長ったらしい文章を読んでいただきありがとうございました!これだけの量になると、隔週でもかなりぎりぎりを攻めますので、更新速度上げてくれ~とかは作者の埴輪顔が土偶になるので・・・
でも!こんだけ長ければ?一週間ぐらいかけて読んでくださいますよね?|д゜)チラ
では!
第二話におきましても変わらず感想、レビュー、ブックマークに評価。よろしくお願いします!