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体感と脳波

モニターを着けた二人は、ほとんど体を動かさない。


画面の中では、高速で飛び回る女帝とアマゾネス。


それを操る二人は、動いているかすら解らない本当に微かな挙動のみ。


身動ぎすらせず人の速度を易々と超えて疾る。


「…誰が止められるんだ」


脳波と動きをトレースするコントローラーの可能性はここに。

「遠征発見」


「…調伏いたします」



今。外部からやってきた、凄腕のプレイヤーが微塵に刻まれた。



技やレベルがないのは、個の能力で無限に強くなる仕様のためで、敢えて無駄なレベル制限を作らなかったと言うが…。


武器は強くしても、素早さなんかは変えなかった理由も、これを見た後でには納得するしかない。


二人が言うには、敢えてカクゲーの要素は棄てて、音ゲー・ダンス系ゲームのノリでやれば、大分動きが変わるらしいのだ。

それを踏まえても、オレたちには理解不能な領域でしかない。

全てが縮地やないか。


それにしても、二人とも密閉式モニターに視界が塞がれ、加えて彼女らはミニスカートを履いているのだから、パンチラくらい期待してたっていいじゃないか。


それなのに。


ほとんど動かない。スカートは揺れない。小揺るぎもしない。


動かないから、ソファーで横になっても見えはしない。


床にごろ寝するのもありか?どうにか許されないだろうか?


それにしても、二人に見えている世界は常人では反応できない世界に突入しているんじゃないか?

たとえ、真似して早く動ける人がいても、流れる視界に反応出来ないんじゃないかと思う。


中に入り込む未来な体感VRじゃなくて、視覚による錯覚だけだぞ?

本当は本当に思考とか脳波だけでプレイ出来る代物だったりするんだろうか…。


海人と同じ簡易型なのになんでこんなに差がでるんだろうな。


「奏さんの平和は」


「カナ兄さんの初めては」


「「私たちが守ります」」



なんか、リアルで二人が格好いいポーズ()めてる。


カンッゼンに入り込んで羞恥心がブッ飛んでないか?


しかも、三崎ちゃんたら戦い終わると祝詞とか唱えて清めの儀式らしき物をなさる。


ちゃんとエフェクト発生するからポカーンである。


さらに、時おり「…く、祓いきれません」とか呟くようになってきてるし、ゲームにハマり過ぎだろうな。


もっと派手に動いても…いいのよ?


まぁ、ゲーム進行には貢献してるみたいだから、それでいいのだろう。


「奏さん、誰もいなくなったから、ダウジンしても大丈夫だよ」


「すぐお迎えに参ります」


ダウジング係出勤。


因みに、コントローラー型は姿勢固定ができるから、ダウジン向きのプレイらしい。


最大四人ログインできるが、装着は二個しかない。


因みに、なぜかコントローラーは赤外線通信のタイプなら他メーカの物でも使用できる。


極端なはなし、操作は難しくなるが、複数ボタンとジュージヤキーがあれば、エアコンやテレビのリモコンでも遊べてしまう。


誤差どうだらけでロク事にならないけどね。


とりあえずゲーム開始。


空は暗く、強い風に雲は渦を巻いたりなをかして、いかにも何か起こりますよって感じだ。


リアルなら、家を出て大丈夫じゃすまない天候である。


瓦礫に、荒れた道路と崩れた家屋。

もはや、世紀末というより終末世界。



PKしすぎだ。


「お待たせしました」


「んぉっ!?」


後ろから三崎ちゃん出現。


迎えにいくってきいてたから、てっきり歩いて来るものだとばかり思っていた。


スタート地点は基本的に端末がある場所になるから、三崎ちゃんのモニターだけ一度電源落として、再度ログインしたみたいだ。


「遥香ちゃんは?」


「モニターつけてると、暗くなるのもわからないので、今のうちにお風呂を沸かして入ってくるそうです」


「え、マジで?いつのまに」


手の届く位置にいたのにいつの間に居なくないつた。


リアルの伸ばしたてが、想定よりやらかいふよふよとした背中にふれた。


「あれ、いやでも背中に…?」


「カナお兄さん。それは私のお胸です」


背中じゃナカタ。


向きなんか関係ないかも知れないが、前向いてやるもんだろ普通なら。


「ソレハタイヘンシツレイシマシタ」


「残念ですが手遅れです」


ズシリと覆い被さってくると同時に、モニターに軽くない衝撃。


「くっくびが…っ」


「邪魔されました邪魔されました邪魔されました…モニターごときに」


真横に三崎ちゃんの声がする。

―頭突きなら大成功だよ。



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