人間関係は難しい
優しい男とチャラ男は紙一重。
女遊びが激しいのがチャラ男の特徴だ。だが、チャラ男は基本的に女性に優しく肉体関係を持たなければ、複数の女性の間を往き来しようとも、浮気じゃないと考えている。
優しい男は、誠実真面目、八方美人である。
ある意味においては、事前に女性関係などを平気で暴露してしまうチャラ男より、寡黙で優しい男の方が女性関係でもめる事が多い。
クズでないチャラ男は、一言では語りきれぬ。
俺は、チャラ男をイメージしたただの賑やかしキャラなので、女性関係は真っ白である。
厳密に言えば、カッコヨクできなけりゃモてねぇんだよ。
モテモテなのは、男ばかりじゃない。
相原嬢達三人も、街を歩けばナンパされ、ラプレターをもらったりや告白をされた経験がある。
された事のない人間には分からない感覚だが、羨ましいとも思えない。
そんな事を思いながら、四人の後ろでをチャリにまたがる。
全員チャリ通だが、学校を出てから続く賑やかな町並みを、分かれ道までゆっくり押して歩く。
集団行動と青春。
密かに眺め頬を赤らめる恋心。わかります。
「奏さーんっ!」
「かな兄さーん」
車道の向こうから名前を呼ぶ私服の中学生達。
「おー、春佳ちゃんに三崎ちゃん?」
ショートカットの春佳ちゃんとミツアミの三崎ちゃん。美幸の友達だが、近所にすむ彼女らも子供の頃からの付き合いで、勉強会と称し妹の部屋に集まっては、そのままお泊まりしていく事もしばしば。
男は泊まりがけとか、あんまりそうゆう付き合いないよね。
まぁ。そんな彼女らだが、何やら此方へ来いと手招きしている。
「なに、渥美君の知り合い?」
「近所の子達だよ。呼んでるみたいだから皆は先帰ってていいよ」
「わかった」
「おう、またな」
チャリを置いて車道を渡り二人に話しかける。
「こんにちは」
「こんにちはカナ姉さん」
「お姉さんこんにちは」
姉違う、兄の間違いだ。
「奏さん。あの女の人達だれです?気になります」
「あんまり親しくも見えませんでしたけど…」
「海人の友達で、オレにとっちゃ知り合いだな」
三崎ちゃんの言う通り、オレは眼中にないらしいからな。金魚のフンとか思われてる可能性も否定出来ない。
遊び友達だと紹介するほど仲がいい訳でもないから、知り合いくらいかな。
「あの中に好きな人とか」
「オレの?いや、いないいない」
「海人さんは?」
「微妙だな。今に、隣にいるクララの尻に敷かれそうな勢いだけどな。」
「ミサ。忘れないなようにメモッといて」
「了解」
「君たちは何を調べてるの」
「「それはまあ色々と」」
本当に何を調べてるの、そんな情報要らないだろう。
「お兄さんが売れ残った時にわかりますよ」
「ふふふ。海人さんたち、上手くいけばいいですね」
春佳ちゃんはともかく、三崎ちゃんからダークな物を感じるのは何故だ。