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第56話 落ちろぉぉ!

「じゃあ話が合う君は殺さないであげますよ!」

『え?な、なにを?』


私は戦闘機の右翼部分に寄り、それを叩きおった。


「はいっと、じゃあ後はパラシュートで脱出しといてくださいな~」

『んがぁぁ~!』


ボンっと軽やかな音がした後、パイロットは窓ガラスからシートごと飛び出てきた。まあこの後パラシュートを開くのであろう。


「後…六機!」


攻撃の機会を伺い旋回を続けていた六機の戦闘機のうちの三機がこちらに向けてミサイルを、各自一つづつ発射した。


「内なる魔力を光に!光底【ホワイト・ホール!】」


主体になる魔力を闇から光へと変換する。

そして、さきほどしこたま闇底で吸収させていただいたガトリングの銃弾を放つ。


もちろん、命を奪っては後々面倒くさいことになりかねないのでしっかりと『機動力ダメージ』を入れることを心がける。


銃弾をくらって火を吹いた三機の戦闘機は機動力を失い、くるくると回転しながら落ちていった。ま、パラシュートを開いて生き延びてくださいませ。


これで後三機か…。


「ん?…そっちにボクはいないんだけど…って!おい馬鹿!」


しかし戦闘機はボクの方にやってくるのではなく、くるりと方向転換を行い先程同盟を結んだ魔物達の方に向かってミサイル攻撃を行っていた。


「あぁ!もぉ!【転移】!」


今から行ったんでは、ミサイルのスピードには追い付けないだろう。

ならば【転移】を行使してミサイルよりも早く魔物の方へと移動する。


「フラフィクト・シールド!」


転移が完了したのと同時に、ミサイルと魔物達の位置を目だけで確認してすぐさまシールドを張る。


「…ぐぅっ!」


しかし、その威力には耐えられなかったようで二つ目のミサイルを防いだところで割れてしまった。


そして、一本がいまだにこちらに向かってきている。


「…どうする?」


フラフィクト・シールドは使ってしまった。もう一度張るのにさほど時間はかからないがその間にミサイルはこちらに到着している。


「だとしたらっ!これしかないでしょっ!」


必殺!ミサイルを腕で弾く!



もちろん使うのは生の方の腕じゃない。オブラートにもらった特別製の義手の方だ。

これならちょっとやそっとのことじゃ壊れないからね。弾頭を叩かないように軌道を変えるようにして叩けば大丈夫でしょ。


「よっこらしょういちっ!」


今では古くなったネタを叫びながらミサイルに向かって移動する。そうしてミサイルが目の前を通りすぎようとするところで義手の拳をミサイルの後ろの方に叩き込む。


――べこん!


リサイルの一部がへこむ音がし、その機体は上を向き空のはるか彼方へと飛んでいった。


「「おおおおっ!!」」


そうして次の瞬間、魔俗達の歓声が響き渡る。

…いやお前らも少しは手伝えよ!


「さてさて、そろそろ無力化させていただきますかね」


ミサイルを全弾無効化され、再び旋回している戦闘機に対して声を張る。殺されないことがせいぜいラッキーだったと思え!


「バーティカル・シェイ……は?」


風魔法で翼を叩き切ってやろうと思ったのだが、突如戦闘機のはるか彼方頭上に一筋の光が現れた。太陽でもなく、星でもなく…UFOか?と思った次の瞬間。


「わあああああっ!?」


その光から紫色の光線が発射され、それは三機の戦闘機を飲み込んだ。


「…え?」


そして三機の戦闘機は爆散した。あれではパイロットは生きることはできないだろう。


「…なにが…?」

「…蒼殿、…今すぐお逃げください」


その光をしげしげと観察していると後ろから魔物達の代表者がボクの肩に手を置いた。


「…なぜ?」

「…あれは、招かざれし災いの源。地の恵みを吸い、水を消し去る。…悪魔です」

「地の恵み?残念ながらこのご時世、ビルだらけの街にゃそんな物存在しないよ」

「しかし、生き物の魂は存在する」

「…?」




「やつらが…我らの故郷を奪ったのです…戦闘種族である我らを相手に虐殺を行った。…必死の抵抗をしながらなんとか我らは逃げてこられたのですが…まさか追われているとは…」

「ふぅん…」


そういえば、彼らは逃げてきたって言ってたよな。なるほどなるほど。ようやく繋がった。


「…とりあえず、言わせてもらうよ?」

「蒼殿?」

「ボクは同盟を結んだんだ。それなのにいざ敵がきていきなり同盟を破るなんて、できないよ」


手元に小さな魔方陣を二つ描き、そこから現れた魔導書を義手に。杖を生の腕で掴む。


「しかし…」

「そりゃさ、ボクだって戦いたくはないよ?そんなやつらと戦ったらボクだって生きて変えられるかわからない」

「なら…」

「でもさ、もしそんなやつを今、ここで放って置いたところでこの場所の生き物の命が危険にさらされるのはかわりないんだよ。だとしたら…今、ここで戦うしかないんだよ」

「…わかりました。蒼殿のその思い。しかと心に刻み込みました。我らも最大限の努力をして戦わせていただきます」

「そう?それはありがたいね。いくらなんでも一人で戦うのは辛いって……名前は?」

「?」

「いや、まだ名前をきいてないなーって思ってさ」

「あぁ、そうでしたな。我の名は『アビスコール』です」

「アビスコール…ね」


蛸みたいな名前してんな、おい。

まあこの際名前の良し悪しなんぞ気にしてはいられんわな。





「改めてよろしく。アビスコール」

「こちらこそ。蒼殿」




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