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第47話 なんか空…赤くね?

貴重な休日を豚頭族オークと人間(ゾンビ?)に潰され、ぐ~たらする暇もなく学校に登校するのであった。


珍しく今日はオブラートが休みだった。お腹でも壊したのかな?

そんな風に物思いにふけっていると三時現目を伝えるチャイムが響いた。


「よし、じゃあ授業を始めるぞ」


授業は数学、ボクは数学が苦手である。しか~し、そこでも手を抜かないのが蒼さんクオリティ。


そういえば最近、ボクのこの姿に違和感を覚える人がクラスで減った気がする。

それに加えて熱血同性愛組に絡まれることが多くなったが…一応今のボクは女でして…あまり体を触らないで頂きたいのです。


「よし…じゃあ例題1を解いてみろー。三分たったら答え合わせな」


教室がしんと静まり返る。たまにはこんな雰囲気もいいね。静かが一番。一番。


「…おぃ…あれ…」


しかし、しばらくしてその静寂は打ち消された。窓側に座る人達がなにやらざわめき始めたのだ。

そちらに目をやると何やら窓の外を指差して眺めているのだ。


「ん?」


どうせ、飛行機かなんかだろ、と思いノートに目を戻すがその瞬間。目が回るほどの頭痛が襲ってきた。


「あぐっ…」


しかも風邪を引いた時のような痛みではない。なにか、頭を殴られているような…。


「魔力?」


この痛みは宝石店に現れた男の使っていた魔法の痛みによく似ていた。


「キャーッ!」


今度は誰かが悲鳴を上げた。それもまた窓側の。今度はなんだとそちらに目をやるとそこには…









血を流したかのように赤く染まった空があった。










『蒼よ、聞こえるか!?』


突如かかる切羽詰まったターシャによる脳内通信。もちろん聞こえてますとも。


『緊急事態じゃ、早期に戦闘準備をせい』

(は?いきなりそんないわれても、何が現れたっちゅーの?)

『最悪の事態じゃ、この世界が滅びるかもしれぬ。奴が復活したのじゃ。【紅石のスカーレット・ストーン】がな』

(紅石の…魔?)


初めて聞くワードに首を傾げる。


『いいから行け!時間がない!説明は後じゃ!』

(う、うん)


授業中だが仕方ない、席を立ち上がって窓側に向かって駆け寄る。


「何がおきてるんだ…」


窓を開け、サッシを掴んで飛び降りる。ここは三階、教室にいた全員が悲鳴を上げた。


しかし、前から使える魔法の一つ。『重力操作』で落下死はおろか、空を舞いぐんぐんと高度を上げていく。


「えぇ?」

「何?蒼も二次元的な要素で構成されてんの?」


教室からざわめきが聞こえるがそれは後だ。今はターシャの言う『紅石の魔』をこの目で確かめなければ。







『紅石の魔は過去に封印された魔物の一種じゃ。レインやカイナもそうじゃが強さは比較にならないじゃろう』

「え…レインでもチート級に強いのに?」

『ああ、個々に与える肉体的ダメージはレインらの方が上かもしれんが…紅石の魔は簡単に国の一つや二つを潰せる。過去に封印されていたのじゃが…』

「また封印が解かれた?」

『そうじゃ、レインらの時と同じように。やはり裏がいると思った方がよいじゃろ』


誰かが封印を解いている…しかし…なんのために?


『見えたぞ蒼よ、あれが紅石の魔、じゃ』


視界の先には住宅街のど真ん中に立つ巨大な岩。表面には何やら魔方陣のようなものが刻まれているがなんの魔方陣かはわからない。


「でか…」


その大きさはゆうに東京タワーを越しているだろう。スカイツリー以上かもしれない。


「ん?…あれ…オブラートか?」


その紅石の魔の前でなにかカラスのようなものが飛んでいると思えば…それは今日休んでいたオブラートだった。


「なにをしてんだ…あいつ…」

『あやつ…紅石の魔を封印にかけるつもりか!』


どうやらオブラートは紅石の魔を再び封印しようとしているらしい。あの闇の厨二病なら事なきを得ず終わらせてくれるかもしれない。


そんな願望もつかの間。紅石の魔のてっぺんから放たれた紫色のレーザーがオブラートの体を貫いた。彼はそれを喰らうと大きくのけ反って吹き飛ばされコンクリートの壁を破壊しながらその瓦礫に埋もれた。


「オブラート!」


慌ててその下に降りやり、瓦礫を『派翔』で吹き飛ばし、オブラートを引きずり出す。


しかしレーザーを喰らった場所は大きくえぐれていて血があふれでていた。それでもまだオブラートには息があった。


「ターシャ、カイナを呼んでオブラートを治療して」

『わかった』

「ボクはこの化け物と戦ってくる…」

『っ…死ぬでないぞ?』

「大丈夫、こんな所で死なない。『ミカナ・ライル』!」


魔剣を取りだし紅石の魔を睨み付けた。

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