第36話 じゃらじゃらじゃらじゃらやかましいわ!
「杖の一撃ですよ?」
今までは例え魔力で身体強化を施したところでここまでの威力は無かった。
あったとすれば、せいぜい頭にこぶができる程度の威力だ。
「な、なんだ!別敵か!?全員発砲用意ぃ!」
「えぇ!?隊長?だってあれ…最近話題の…」
「髪の色が違う!!撃て!隊長の指示に従え!でないと今月のボーナスはなしだぞー!!」
「んなむちゃくちゃなぁ!」
特殊部隊員はいやいや引き金を引いた。
「えっ!?ちょっと何撃ってるですか?」
まさか同士撃ち(?)されるとは思わなかったので体制を崩してしまう。
「もらった!」
その隙をついて椎名は距離を詰め始める。
「まずっ!?闇眼【ダーク・アイ】」
椎名を避ければ銃弾の嵐、銃弾を避ければ椎名に攻められる。ならば、銃弾の中を潜り抜けるしかない!
闇眼【ダーク・アイ】は周囲をの状況を一時的にスローに見ることができる。らしい。
いわゆるゾーンだ。
「隊長ぉぉぉ!避けてますぅぅぅ!」
「あいつ、チーターだぞ!」
隊長とやらが、よくわからないことを叫んでいるのを尻目に銃弾一つ一つに意識を集中する。
「闇底【ダーク・ホール】」
そろそろ銃弾の層が増してきたので、セコい技を使わせていただく。闇底【ダーク・ホール】はミニ・ブラックホールのようなものだ。周囲のものをその超重力で飲み込み、保存する。任意のタイミングでそれを放出することができたりする。
「隊長ぉぉぉ!飲み込まれてますぅぅぅ!」
「お母様へ、今までありがとうございました。前に私が近所の少年をボコボコにした時、あなたは私の罪を被ってくださいましたね。あなたのことは一生忘れません」
「隊長ぉぉぉ!遺言残さないでくださいぃぃぃ!ってか隊長何やってんすかぁぁぁ!暴行罪ですよぉぉぉ!」
「やはり、そうじゃったか」
初めて目にした時、思わず目を疑ったのぉ…。
あの身のこなし、魔法に対する慣れの速さ、その尋常じゃない魔力の量。
「ずっと…ずっと探しておったぞ…」
妾が…あの方のご指名を受けて探し続けて何年たったであろう。
「次世代の魔王の玉座は…お主の物じゃ」




