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第32話 蒼、襲撃される!!

「どわぁぁ!?」


そのままガチムチ防衛隊ごと、自称イケメンの田川とその仲間達が棒を押し倒しボクら赤組の勝利となった。


端から見れば、田川達が捕まりガチムチ防衛隊といっしょに軽く吹き飛んでいるようなのでもの凄くあわれな光景だった。とくにガチムチ防衛隊には「ぷぷっ!あんな筋肉なさそうなやつらに負けてるよ。あの防衛側の頭の中、筋肉しかないんじゃね?」と脳筋発言されている始末だった。


「よっしゃぁぁ!かったぞぉ!」

「「うぇっへぇぇぇぃ!」」



さすが自称イケメン。他人の力で勝ったのに、それをあたかも自分の力のように捉える。自称イケメンの必殺技【超ご都合主義解釈】だ。


「どおだぁ!おまえらぁ!やっぱり戦いは頭脳なんだよぉ!」


レインのしゃべり方に似てる。自称イケメンな顔面が台無しである。


「これで俺たち赤組の勝利は確実だぜ!あとはリレーで一位をとるだけだ!なあ!蒼」

「うん、そだね」


この棒倒しで他の組とはかなり点数を開くことに成功した。あとは、リレーで一位を取ればマジもんの優勝だ。


「よっしゃ!勝つぞ!」

「「おおおおぉぉぉ!!」」


田川が声をかけると赤組一同はそれにあわせて意気込みを表した。



ガチムチ防衛隊の上で…。










「校舎裏ってここだよな…?」


ご飯を食べずに昼休み、教室をそそくさと抜け出して椎名とやらに言われたリレーの打ち合わせ会場に来てみたのだが…誰もいない。


「これがいま流行りのキテキテ詐欺か?ご飯抜いてきたのに…まさか騙された?」

「騙されてなんていないわよ?」

「あ、えっと…椎名?」


いつの間にか目の前に現れていた椎名 歩。先ほどあったときよりも、眼光は鋭さを増していて微笑を浮かべていた。


「リレーのミーティングじゃないの?その割には誰もいないけど…?」

「誰もいなくていいのよ、だって私があなたを殺すためなんだからっ!!」


椎名はどこからか取り出した長さ三メートルはありそうなごつい鎖をうねらせ、こちらに向かって振るってきた。


「っくぁ!?」


突然の不意討ちに思わずバランスを崩すも、ボクは歴然(約2ヶ月)の魔法使い(笑)。そうやすやすと当たっていられない。

体をひねってかわして空中で体勢を立て直し、着地する。


「ミーティングにしては随分と荒っぽいね!」

「ふふふ、いつまで口聞いていられるかしら?」


その瞬間、鎖の先端が楔型に変形しまるで意思を持つかのようにその身をうねらせ突き刺そうとしてきた。


「あぶなっ!?」


鎖は二本、一本を回避するともう一本が追撃を仕掛けてくる。なんとも絶妙な連携プレーである。


「あれ?反撃してこないの?紅華さん?」

「っ…それはボクのネーミングセンスがないことを罵ってんの?」


あかん、ばれてもうた。

いや、まあばれてるなら魔法とか使ってもいいんだけど…、ボクはリレーを控えている。いまここで女体化したらリレーに出られない!


「波翔!」


両手から凝縮した魔力を解き放ち、その衝撃で一度椎名との距離をとる。


「…しゃーない、自称イケメンの田川には悪いけど…ファシア!」


手元に小さな魔方陣を描き、そこから杖と魔導書を引っ張り出す。


「お、ようやく本気だすの?」


椎名は相変わらずニヤニヤと微笑を浮かべている。


「ここで死ぬわけにゃいかないしね!」


杖で次々と迫り来る鎖を弾き飛ばし、今度はその隙に距離を詰める。


「翔雷」


波翔のもうひとつの上級魔法、翔雷。

魔力をぎさせ解き放つと同時に電気属性の魔法を放つ。波翔よりもぶっ飛ばし力は下がるが相手の動きを麻痺させること位は可能だ。



「あぐっ!」

「らぁ!」


椎名が怯んだ瞬間に懐に飛び込み、今度は通常の波翔を行使する。


「がっ…、…なかなかやるみたいだね。ブランクがある割には」

「ブランク?こちとら毎日のように変なやつと戦わせさせ…戦わさせら…たた…ああ!戦ってんの!ブランクなんぞないわ!」

「…情報通りか。まぁいい。今の一撃、最上級の魔法でも使わなかったこと、後悔させてやる!」


椎名の瞳がおぞましい光を放ち、しばらくすると地中から新たに二本、鎖が生えた。


「その鎖…絶対生きてるよな」


今でさえ、ミミズのようにうねうねと地面から頭?を出している。

だめだめだめ、ミミズ、ダメ、絶対。

蒼さんはミミズが苦手のようです(笑)

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