第22話 お前はだれだ!
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「ではまず上級編から始めるとしようか」
「待てや、いきなり上級編って何?」
「いや、上級編をマスターすれば初級編もマスターできるかと思っての」
「あほやん」
ボクは頭を抱えた。本当にこいつは神なのか?
「じゃぁ、私が教えるよぉ。まずはいこれ」
「?なにこれ」
レインに渡された白いチョークみたいな…、いやまんまチョークである。
「チョーク?」
「いや、単なる炭酸カルシウムの塊などではない」
「チョーク作ってる人に謝れ」
「これはねぇ、魔方陣展開魔法を使うのに最適な魔法道具《マジックアイテム》だよぉ。魔方陣をそれで描いて使うんだよぉ」
「へぇ…」
「まぁ、どうなんだろぉ。そのチョークって言うのに似てるのかもねぇ。描いたりするわけだしぃ。成分が違うくらいなのかなぁ?一応魔力を多くもった魔石が主成分なんだけどぉ…」
別にそこまで食べ物の原材料名とか見ない派だから大丈夫だぞ。
「そなんだ。で?これどうやってつかうの?」
「まず、覚えてほしいことがあるからちょっと待ってねぇ。魔方陣はただ記号や文字を並べて描くだけでは駄目なんだよぉ。しっかりとその魔方にあった記号があるし、うまく行けば自分だけの魔法も作り出せるんだぁ」
「へぇ…」
魔法って自分で作れるんだね。初耳。
「じゃあまず簡単なやつからやってみよぉかぁ。はいこれ」
「ん」
レインからチョークを受けとる。
「…」
「…え?」
しかし、教えてくれるというレインは一向に口を開かない。なんで!?
「…早く準備してよぉ」
「準備ならして…あ、はい」
はい、もうわかりました。女体化ですね?
「ファシア、これでいい?」
「うん、問題なしだよぉ」
これで十時間、冬山紅華ライフが始まるとなると萎える。
「じゃあこれをこの紙にそっくりそのまま描いてみて」
「これ?」
レインは頭の上に乗っているカイナが口にくわえているものをとって渡してきた。
そのお手本はTHE・魔方陣と言わんばかりの模様。
これを模写すんの?
「…ぬ…」
そして渡されたもう一枚の10×10cm位の紙にそれを写していく。
「…」
「できたぁ?」
「…無理」
いやいや、もはや無理ゲーですから!いきなり魔方陣を描け言われても…書き方わからんし!
案の定、描き終えた魔方陣はミミズがのたくったかのようにぐちゃぐちゃである。
「…ま、まぁ…とりあえずつかってみようかぁ…」
レインの表情がひきつった。なんか…スンマセン。
「えっと、これに魔力を注ぐんだっけ?」
「そぉ、その魔方陣に意識を集中するんだよぉ」
「よし…」
魔力を集めるのは得意だ。オブラートを攻撃するときにいつも使ってる。
「っ…」
目を閉じて、意識を魔方陣一つに集中する。狙うは魔方陣。狙うは魔方陣…
「?」
しばらくすると瞼の裏に仄かな緑色の明かりを感じた。
ゆっくりと目を開けてみると、そこには先ほど描いた魔方陣が紙から浮き上がり緑色の光を放って回転していた。
「おぉ…成功かの?」
「これで成功?ただ浮いてるようにしか見えないんだけど……あ」
少し、油断した時だった。
手からその紙がするりと抜け落ち、落下を始めた。
「ぴぎゃ!」
その危険を察知し、カイナはレインの頭からこちらの頭に飛び移った。
しかし、カイナがいなくなったことでレインの頭はノーガード。魔方陣がレインの頭に被さる。
「あ」
刹那、レインが白い煙で覆われた。
「けほっ!けほっ!レイン?大丈夫か?」
「私は大丈夫だぁ~」
「?レイン?なんか声高くない?」
もとからレインの声はまぁ…低くはなかった。しかし、今は完全に高い声になっている。
「レイン?」
煙を掻き分けて彼女のもとに近寄るとふと、手にさらさらとしたものが触れた。
おそらくレインの髪の毛だろう。しかし位置がおかしかった。普段レインの頭はボク、もとい紅華の肩辺りにあるのだが…今は腰辺りにある。
「レイン?」
「どうかしたのぉ?」
煙が晴れ始めた。
「縮んでんぞ!」
「はぁ~?蒼…何を言って…あれ?身長のびたぁ?」
「レインの身長が…」
「えぇ?そんな訳…え?」
「縮んどるの」
「ええぇぇぇ!?」
レインの驚愕の声が虚空に響き渡った。




