表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月夜に提灯、一花咲かせ  作者: 樫吾春樹
山査子編
5/12

伍輪目 昼顔

 肩をぽんっと叩かれ意識を戻す。そうだ、僕はパーティションの工事が終わるのを待っているところだった。

「ぼーっとしてるのはいいけど、そろそろやるよ」

「はい、わかりました」

 終わりかけている作業を見て、作業の準備を始める。僕は特に出来ることがないが、先輩のやることを見て覚える。今日は天井とパーティションの隙間を埋めることと、壁との隙間も埋めることだ。なので、ガラスとサッシでのシール作業よりは多少、手間が省ける。

 通常、窓などにシリコンを打つ時は、まずライナーというクッション代わりになるものを敷き、バッカーというものをガラスが当たるサッシの側面のうち、ガラスの片面だけにサッシ側に貼り付ける。そして、ガラスをはめ込み、バッカーを張ってない面にそれを入れてガラスを動かないようにする。そして、マスキングと言って、シリコンがはみ出しすぎないように、範囲を決めてガラス面とサッシ面にマスキングテープを貼っていく。それからシリコンを打つ作業になる。ザックリとした手順はこんな感じである。今回はマスキングの部分と、シリコンの部分のみになり手順も短縮されて楽になる。

 作業する先輩を見ながら、工程を復習する。そして、必要になりそうなものを先輩のリュックから引っ張り出し置いておく。シールを打ち始めればそばにいて、渡されるシリコンのガンや必要なものを渡していく。

「終わったからあとは監督に見てもらおう。それで良いって言われたら、片付けて次の現場に行くよ」

「わかりました」

 それから道具を片付け、いつでも移動できるようにした。監督が来るのを待ち、気づけばお昼近くになっていた。このまま来なくて昼休みになるかと思っているところに、監督が来て許しをもらい挨拶をして道具ごと駐車場に戻る。

「次はどこでしたっけ?」

「横浜。時間に間に合えばいいなと思うよ。行く途中でコンビニに寄るから、そこでお昼買っちゃいな」

「そうします。お昼食べないのは辛いので」

 道具を車に積みながら、次の現場の話をして予定を立てる。そうした方が、流れを考えやすい。だか、現場に着いてから予定が変わるなんてことは日常茶飯事でもある。

「トランク閉めといて。清算してくるから」

「はい」

 バタンと閉め、助手席に乗り込む。精算を終え、戻ってくる裕人先輩から駐車場の領収書を受け取り、まとめてある場所にしまう。

「忘れ物ないね?」

「無いです」

 そんなやり取りをして僕達は、駐車場を出て次の現場である横浜へ向かって出発した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ