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第4話 浪漫の冒険者登録

まず、謝罪をさせて下さい。

…申っし訳ありませんでしたぁぁぁぁっ_:(´ཀ`」 ∠):

大学受験が終わったから活動再開しますの一言から、結局これだけの時間をあけてしまいましたぁ…

一時期は『まぁ大学入ったら書く暇あるでしょ』などと宣っていた数ヶ月前の自分を殴りたい。

という訳で思っていた以上に大学は忙しいです、ハイ(小並感)

なので、これからまた不定期更新になってしまいます。どうか皆様、こんな不甲斐ない作者を見捨てないで下さいませ(泣)

そしてこれからも『そまりく』と小生を宜しくお願い致しますm(_ _)m

 僕とアークは修行をしていた荒野から迷宮都市へと帰ってきた。そのまま冒険者ギルドに寄って登録を済ましてしまおうというアークの言葉でギルドに向かっていた。他の『四神の加護』メンバーにも一緒に行こうと言ったら、何だか慌てた様子で「この後用事がある」と言って出かけて行ったので今はいない。今日の夕飯頃には戻ると言っていたので心配はしてないけど、ちょっと気になる。


「そういえばルル。さっきの試験で俺が渡した予備の刀を折ってしまっていたな。」


「あ、そういえばそうだった。ポッキリ根元からいっちゃってます。修理とかできるのかな?」


「いや、今日はお前の誕生日で修行もひと段落ついたんだ。新しい物を調達しよう。前のは俺のお下がりだし、今回のが本当のお前の武器だな。」


「えぇ!本当にいいの?なんだか申し訳ない気が……」


「お前はまだ子供なんだ、遠慮するな。それに俺が買ってやりたいんだ。貯まっていく一方だった金をようやく有意義に使えるからな。」


 アークは笑い言った。僕の武器か、なんかいい響きだな。冒険者登録もロマンがあるけど、自分の武器を買うっていうのも中々ロマンがあるな。アークら『四神の加護』がよく行っている武器屋があるそうで、ギルドに行ってからそこに行くと言っていた。

 しばらく僕らは朝でも活気の満ち溢れる街並みを歩き、朝食がてらに露店に売っていたドードーダックの焼き鳥を買い、食べながらギルドに向かう。ドードーダックとはC級魔物(モンスター)でC級冒険者と互角くらいの戦闘力を持っている。なので安全に狩るならC以上の冒険者でパーティを組んで挑むのがセオリーなのだが、厄介なことにドードーダックは群れる習性があるので危険度は実質B級程ある。だが、その見返りにドードーダックの肉は脂身が少なくさっぱりとしていて身が柔らかく、蒸してから焼くと鶏肉の旨味が溢れ出す。そして、この焼き鳥の様に濃い味付けの甘辛いタレが絶妙にマッチし食欲を増進させられる。5本程食べたところでギルドに着いた。


「アーク、僕喉乾いてきちゃった。」


「いつも思うが、お前は見た目の割に大食漢だな……」


「何を今更。何年の付き合いだよ。」


 しかもさっきまでアークと試合をしていたんだ。お腹が減っていても不思議ではない。さてさて…遂に僕の記念すべき冒険者登録だ。アークは目で早く行って来いと合図してくる。一人で行けと……ま、いいか。


「うん。前世の小説とかだと冒険者ギルドといえばお約束があるもんだけど、残念ながらこれは現実だし。今僕武器ないから不安といえば不安だけど、まぁ大丈夫かな。」


 そんな風に益体のないことを考えながらギルドの両開きの扉を開く。途端、ギルドの中から酒の匂いが溢れ出す。

 ギルドの一階は酒場と併設されていて、まだ昼前なのに既に酒に溺れている輩が何グループかいる。二階に上がる階段もあり、看板を見る限り、上には治療院があるようだ。僕はざっと見渡して、いくつかある受付カウンターを見て空いているところ見つけると、そこに向かう。向かう途中、酒場から遠慮のないこっちを見定めるかの様な視線を感じる。じっさい値踏みしてんだろうけど、僕は無視して受付嬢へ話しかける。


「すみません。冒険者登録をしに来たんですが。」


「えぇと、お嬢ちゃん一人なの?保護者とかはいないのかしら?」


 むぅ、また間違えられた。というか、こっちを心配してくれてるのは分かるんだが、仮にも接客業でこの態度は如何なものか。前世の記憶があると現代日本のプロ対応と比較してしまう。そう、ついクレーマーじみたことを考えながら受付嬢に性別を訂正しようと口を開きかけた時。


「こら、セリーナ。いくらお客様が可憐な方でも、対応を間違えてはなりませんよ。冒険者は10歳からなることができるのですから。」


「す、すみません。」


 そう言って、柔和な口調で受付カウンターの奥から一人の男が現れた。緑の髪を肩まで伸ばし、切れ長の双眸は弧を描く様に微笑みを浮かべている。そして一番の特徴はその尖った耳だ。森の民、エルフだ。

 初めて見た。むむ、やはりエルフが美男美女の種族と言うのは本当らしい。僕もすこし見惚れてしまった。


「ん?あぁ、エルフを見るのは初めてですか?まぁエルフはこの迷宮都市でもそこまでいませんからね。昔から引き篭もりの種族でして。」


「いえ、ジロジロ見てしまってすみません。それで冒険者登録なんですが。」


「あ!すみません、長らくお待たせいたしました。ではこの水晶に手を置いて、魔力を込めてください。そうすることで貴女の最低限の情報が記録され、こちらでギルドカードを発行いたします。その間にギルドの規約などの説明をさせていただきます。」



 エルフの職員による説明を大雑把にまとめよう。

 まず、冒険者になれるのは10歳から。そして冒険者にはランク制で受けられる依頼の難易度があり、当然そのランクが高ければ高いほど危険で高報酬だそうだ。ハイリスク・ハイリターン、うん、わかりやすいね。で、そのランクは既にガレオスからも教えて貰っているけど、確認の為に纏めると、下からF、E、D、C、B、A、Sの7段階あって、最高峰のS級は各国でも10人いない。こう考えると、アーク達『四神の加護』は凄いんだって再認識できるね。で、割と重要なのがここからで、以前は10から15歳までは最高でもE級までしか昇級出来なかったんだけど、何処の世界も天才というのはいるそうで、ランクと実力が釣り合わない連中が現れたりして、そのクラス帯の冒険者に依頼が回らないという事態に発展してしまったそうだ。それから年齢制限の撤廃がなされ、例え、10歳の子供でもE級以上になれる。まぁだからと言って何人もそんな天才はいない様ですが。

 因みにFからE級がルーキー、DからC級が一人前、B級は一流。A級からは才能という壁があり、ここから一気に冒険者の絶対数が減る。それを超えて、何かの偉業を成し得て、ギルドから認められると英雄という称号とともにS級になれるそうだ。やっぱ、アーク達スゴイ。

 で、規約、つまりルールなんだけど、一番大事な点は例え死んでもギルドでは一切責任を負わない。ただ、パーティのメンバーだったり、迷宮内で他の冒険者の死体を発見した場合はその人のギルドカードをギルドまで持ってきてほしいとのことだった。そうすればギルド側がその冒険者のパーティメンバーや、親類などに亡くなったことを報告してくれるそうだ。ギルド側としたら冒険者の国家間の行き来を楽にしてくれる為の身分を保証し、依頼を斡旋してくれるんだから、自身の生き死に位そっちが責任持てよって感じなんだろうな。そりゃ、死んでほしくはないでしょうけど。

 後は、当たり前だけどギルド内で騒ぎを起こさないことと、冒険者間の諍いなどには一切干渉いたしませんとのことだ。さっきも言ったけど、自分の事は自分で守れってことだね。


「ーーと、ギルドのルールに関してはこんな所ですかね。他に何か質問などはお有りでしょうか?」


「ルールは大丈夫ですかね。あ、でも一つ質問を、パーティの申請はどうすれば?」


 これについては聞いておきたかった。アーク達の様にもしパーティを作る時もう一度説明を受けるのは面倒くさいし。


「これは失礼致しました。えぇと、パーティ申請をなさる場合はここの受付にパーティ申請をなさる冒険者の方と一緒に来てくだされば、こちらで登録いたします。」


 なるほど、ただここに来れば良いだけなのか。


「丁寧な説明をありがとうございます。おかげで分かりやすかったです。」


「いえいえ、これが私どもの仕事ですので。あ、もしも紛失や盗難にあった場合は手数料がかかりますが、すぐにこちらで再発行の手続きをして下さいね。ギルドカードの悪用は少なくない件数起こっておりますので。それではこちらがギルド…カードに……」


 ん?なんか、エルフのお兄さんが僕のギルドカードを見て固まってしまった。何か不備があったのだろうか?


「る、ルシエル様はだ、男性でしたのですね。いえ、失礼致しました。とても、顔が整っていらしゃったのでずっと女性の方かと。」


 あぁ、そういうことか、そう言えばずっと訂正するのを忘れてた。エルフのお兄さんが間に入ってきて、タイミングを逃していたんだ。


「だいじょぶです。慣れてますんで、えぇすっごい慣れてますんで。」


 少し、不機嫌に返してしまったけど、まぁ不可抗力ってやつです、ハイ。態度に出でしまったので、エルフのお兄さんは苦笑しながら、


「それでは、これから貴方様の適正ランクを計らせていただきます。この試験では引退なさった元B級冒険者の試験官との模擬戦を行ってもらいます。但し、この試験ではB級までしか飛び級を認可されておりませんので、ご留意下さいね。」


 そういえば、年少の子でも高ランクを狙えると言っていたがこういう処置がされているのか。試験官も元と言ってもB級冒険者、ここは試験官殿の胸を借りるつもりでこの試験を受けよう。


「こちらが試験官のモブル殿です。」


「おう、嬢ちゃん、じゃなかったんだっけな。俺が試験官のモブルだ。よろしくな、坊主……やっぱこの呼び方しっかりこねぇな。」


 そう言って、エルフのお兄さんから紹介されながら出てきた大柄な男。身長2メートルあるんじゃないかってくらい巨漢なんだけど、それ以外これと言って特徴のない、なんともいえない男だ。しかも極め付けにモブルと来たもんだ。これはもう狙ってんじゃないの?って聞きたくなるほどの漂うモブ感。しかし年齢が40代に見える顔に反して、彼の姿勢や筋肉のつき方はまだまだ現役に見える程の力強さを感じた。それでも明日にはもう名前忘れてそう。ごめん、モブさん。


「じゃあ、早速試験をやりに行こうか。ギルマス、いつも通り訓練場借りっから、今使用してる奴らの人払い頼むわ。」


「分かりました。それでは暫くお待ちくださいませ。」


 ん?“ギルマス”??なんかモブさんがエルフのお兄さんに向かって謎の呼称で話しかけた。いや、なんかわかって来たんだけどさ。

 そんな怪訝な顔を浮かべ両者の顔を交互に見ていると、モブさんが


「坊主、どうしたそんな顔して。あぁ、もしかしてリデル、お前まだ坊主に自己紹介してねぇだろ?」


「あ、確かに。失礼しました、遅ればせながら自己紹介させて頂きます。私はリデル・ラマール、ここのギルドマスターをしています。以後お見知り置きください。」


 そう言ってにこやかに微笑み会釈するリデルさん。いや、確かに妙に周りの職員の方がヘコヘコしたらなぁとか、遠巻きに見てる冒険者の方達がヒソヒソしてるなぁって思ってたんだけどさ。

 でもそんな偉い人が何で受付にいるのかな?それと、モブさんもそんなにタメ口でいいの?とか聞いて見ると、リデルさん曰くギルマスの仕事は案外暇だそうで、そしてモブさんとはリデルさんが現役で冒険者やってたときのパーティメンバーだそうだ。ていうか、現役時代ってリデルさんどう見ても20代前なんですが。やっぱりエルフは長寿種族なんだろうかね。

 そんなこんなで雑談しながらギルド裏にある訓練場に向かうのだが、


「なんだなんだ、また試験か?」


「わぁ!あの子可愛い!!」


「あんな可憐な嬢ちゃんが試験受けんのか?」


「ちょっと!モブル、そんなか弱い子に傷でもつけたら承知しないからね!」


 何故だか、野次馬がたくさん付いて来た。


「………」


 うわっ!?なんかよく見たら、端っこにアークがいる…これは無様な姿を見せようものならまた、あの地獄のような修行(しごき)が……これは何が何でもB級まで飛び級せねば!


「悪いな、見せもんでもないんだが毎回言っても直んねぇんだ。まぁ、安心しろ。模擬戦だから武器の刃は潰してある、つっても当たらどころが悪ければ大怪我じゃすまねぇかもしんないが、冒険者ギルド(こんなところ)に来るって事はそんぐらい覚悟してんだろ?」


「はい、大丈夫ですよ。そんな事はいいんで始めましょう?」


 そう、そんな事は百も承知なのだ。あの修行や偶に同行させて貰ったクエストなどで『四神の加護(あのひと)』達の近くにいれば否応無く、冒険者っていうのは常に死と隣り合わせの危険なものなのだと。なので、さも当然と言った風に笑いながらモブさんに応えると


「そ、そうか。なら良いんだ。じゃあそこから獲物を選びな。」


 モブさんは一度、身を震わせると武器が立て掛けられている壁を指差す。そんなモブさんに首を傾げながら、僕は武器を選ぶ。

 本当は刀が良かったが、生憎刀は無かったので1番近い形状のロングソードを選んだ。


「それではこれより、試験を開始致します。」


 立会人をやるらしいリデルさんが声を上げる。

 僕は左腰に挿したロングソードの柄にそっと手を添え、腰を下げる。

 その瞬間、空気が張りつめた気がした。



「ふぅ……」



 僕は目を閉じ、軽く息を吐く。



「始めっ!!」





 進撃を開始する。




本当に久しぶりだったのでリハビリも兼ねて約5,000文字書いて見たのですが、どうでしょうか?

少ない!とか物足りない!と感じた方は感想などに書いて頂きたいです。

特に問題ない場合は基本的にはこの位の文量でいきたいと思います。

勿論、上記以外での感想もお待ちしておりますよ?(つд・)チラ

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