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第1話 理不尽からの“はじまり”

◇◆←場面の転換を示してます。

〜〜←時間の経過を示してます。


ブクマ、評価、感想をくれた方誠にありがとうございます!僕の小説を書く原動力になっています₍₍ ◝(●˙꒳˙●)◜ ₎₎

これからも拙作をよろしくお願いします!!

 その記憶を思い出したのは父様と母様がルシエルを屋敷に閉じ込めたときであった。

 ひどく慌てた様子で屋敷にいる数人の使用人達も武器を取り出し父様の指示の下外に出て行ってしまう。父様はルル、大丈夫だ。すぐに戻ってくる。と言い、母様は安心しててね。ルル、愛しているわ。と、ルシエルを抱きしめ言った。

 そのときは父様と母様が何をしに行ったのか、4歳のルシエルには理解するのができなかった。

 だが、それもあの記憶を思い出しときに全て悟った。

 あの二人の顔は死にに行く顔だ。

 記憶の中にある九条 冬夜(くじょうとうや)を庇って死んでいった父暁彦(あきひこ)桃華とうかを庇い冬夜を逃がそうとして死んでいった母神奈子(かなこ)に重なってしまった。もしかしたらその記憶はルシエルの悪い妄想でただ混乱しているだけなのかもしれない。だが、きっとあの記憶は確かにあったことで僕の前世なのだ。妄想の一言で片付けてしまってはいけない。とルシエルは断じた。

 記憶にある惨劇をルシエル・フォンダリアの父パトリックと母ルディアに重ねたルシエルは居てもたってもいられず、屋敷の玄関へと駆けた。前世の様に何も行動が起こせず、訳のわからないままでいるわけにはいかないのだ。駆けた勢いのままで扉を押し開けようとしたが、扉はビクともしない。


「なんで!開かないんだよ!」


 扉から微かに魔力を感じる。恐らくルディアが外から強力な結界を張ってルシエルを隠して敵である何かから守ろうとしたのだろう。


「くそっ!開いてよ・・・・・・開いてくれよ!!」


 激情と共に扉を殴りつける。無意識の内に魔力を込めていたらしく、扉はガラスが割れるような甲高い音を響かせて開く。その瞬間、屋敷へと入り込む風と共に咽せる程の血の臭いがし、ルシエルは目を疑った。

 屋敷の外は一言で言えば“地獄”そのものであった。

 あたり一面に血が広がり、首を巡らせば何処もかしこも死体が転がっていた。人の死体もあれば、“人型の何か”の死体もあり、その“何か”はすぐに判明した。体表は黒一色の人型。妙に手足が長く、関節張っており痩せているように見える。極め付けは背中にコウモリの羽根を生やし、顔はあるべきパーツが何一つ無く、ただぽっかりと空洞になっていた。

 パトリックの書斎にある魔物目録に載っている、下級悪魔レッサーデーモン夜鬼ナイトゴーントだ。下級といえども悪魔である。基本的には悪魔召喚サモン・デビルに応じて現れる魔物だ。

 何故都市ではなくこんな町に?

 ルシエルはそう考えた思考をすぐに振り払った。


「今は父様と母様を探し出さないと。」


 思考を切り替えたルシエルは空にまだ夜鬼が飛び交っていることも忘れ、無我夢中で町の広場へ走った。広場に近づくに連れて人の悲鳴、罵声、そして恐らく夜鬼の鳴き声も一際大きくなっていく。

 大丈夫、父様は今は違うけど騎士だったんだ。母様も一流の魔術師なんだ、きっと平気だ。

 そう自分に言い聞かせても胸中の嫌な予感は拭えない。

 開ける視界、広場に着く。探し求めた二人の姿は広場の中央にいた。


「父様!母さ・・・ま・・・・・・」


「がぁ・・・・・・ルル・・・に、逃げろ!!」


「こっちに、来ては・・・・・・いけません・・・ルル・・・・・・」


 たった今夜鬼の長い手に備わった鋭利な爪がパトリックとルディアを貫き刺している。ゆっくりとその貫手が二人の胸から引き抜かれると前のめりに崩れていく。

 視界から色が失われていく。前世の惨劇がフラッシュバックし、頭がどうにかなりそうだ。否、もうどうにかなっているのかもしれない。


 あぁ・・・・・・遅かった。

 二度も。目の前で父と母が死んでしまった。

 僕は周囲に夜鬼が囲んでいるのも気にせず、天仰ぎ涙を流した。


「——あぁぁ、うあぁぁぁぁっ!!!!!」


 夜鬼が近づく。だが、もうどうでもよくなっていた。ここで死のうがルシエルは構わなくなっていた。もしかしたらあの世で父と母に会えるかもしれない、そんな諦念を懐いているのだった。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 少し時は遡る——


 若くして大陸全土の人族を束ね、治世する賢王ファーゼン・ファム・ファタール王。その御方が居城とする王城を囲むようにできている大都市は創世神アリステラが創世したとされる世界アネスフィアの五大陸随一の迷宮都市ファタールと呼ばれている。その迷宮都市にある宿屋『迷い猫の尻尾亭』の二つ借りられている内の一部屋にその少女はいた。

 マリア・セインクレイ。セインクレイ伯爵家の三女として生を受ける。齢十のときに創世神アリステラを最高神にそれに連なる四神の一柱である癒しと慈愛を司る女神カリアディスの加護を授かり、才能が開花。迷宮都市魔術学園で神聖魔術を習い首席で卒業するとすぐに冒険者登録。およそ二年でA級に昇格し、冒険者ギルドから『聖女』の称号を襲名する。現在は十八歳でS級冒険者パーティ『四神の加護』に所属している。

 彼女は自らが信仰する女神への毎朝の祈祷を始めた。


「毎朝お祈りして飽きないの、マリア?」


 そう問うたのは、マリアと同じ『四神の加護』に所属するS級冒険者『精霊の隣人』の称号を持つエルフ族のシルヴィナ・アルクス。


「お祈りは欠かさずにやることが大事なんですよ。シルヴィ、貴女も加護を持つのです。お祈りをして然るべきなのでは?」


 マリアの言う通り、シルヴィナも四神の一柱の豊穣と技術を司る女神クライオネシスの加護を授かっている。ここまで来るとわかると思うが冒険者パーティ『四神の加護』はその名の通りメンバー全員が四神の加護を受けている者が集い設立されたパーティだ。


「いやぁ〜わたしはそこまで敬虔な方でも無いし。だからエルフの森から出てきたんでしょ・・・・・・ってもうお祈りに集中しちゃったか。」


 エルフの大多数は森林や全ての自然を司るとされる女神クライオネシスを信仰し、エルフ族が統治する西の大陸のエルフの森から出ることは少ない。しかし例外はあるものでシルヴィナの様に外界に興味を持つ者も少ないはないのだ。

 まぁ、エルフは他の種族と比べると端正な顔立ちの者が多く、その長大な寿命で成長が遅いので奴隷などの制度があるこの世界ではその手の手合いがいるので、多少腕っ節がなくては外界などに出ようとは考えないのだが。シルヴィナは四神の加護を受ける程の実力者なのでその例外だったのだ。

 そうしてマリアが祈祷し始めて数瞬の後であった。彼女の顔がどんどん青褪めていた。


「ど、どうしたのマリア?顔色が優れないけど。」


「神託が、降りました・・・・・・た、大変です!早く皆さんを集めて助けに行かなくては!!」


 と、マリアはとても焦った状態で慌ただしく仕度を始める。


「どうしたの!女神様は、女神カリアディス様はどんな神託をしたの?言わなくちゃこっちは訳わかんないよ!!」


「じ、邪神教団が悪魔召喚に成功し、迷宮都市近隣の町に、災厄が起こる、子供を助けろ、と。」


「邪神教団!?それに悪魔召喚・・・・・・と言うかやけに詳細ね。いつもはもう少し断片的なのに。」


 通常の神託は受ける者の理解力や精神状態、技量に左右される。マリアはそれなりの実力者でそこそこ詳しい神託を授けられるのだが、ここまで詳細な神託は初めてだった。


「そんなことよりアークさん達にも知らせて早く出立しなければ!!手遅れになってしまいます!!」


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「成る程な、状況は理解した。そうするとここから近い町と言えば、英雄が住む町フォンダリスか。元宮廷魔術師の名家フォンダリアからつけられた町だな。前王で愚王と呼ばれたゲリオス・ファム・ファタールの暴虐に現王でゲリオスの息子、つまり第一王子だった賢王ファーゼン・ファム・ファタールと共に反旗を翻し、ゲリオスの暴虐から民を守った英雄か。確かその戦争の後、当時フォンダリア家当主だった『大賢者』ゼルダムはその件以降王家とのしがらみを嫌って自ら貴族の座から脱し、フォンダリスで暮らしているのだったな。貴族達からは堕ちた名家などと揶揄されてはいるが、実力者なのは間違いない。しかも悪魔召喚とは言え普通は一体や二体が精々だ。簡単にやられるとは思えないが・・・・・・」


 そう言い馬を駆るのは『四神の加護』リーダーである龍人族のアーク・ドラゲニオン。四神の武と裁断を司る女神セスフィアの加護を授かる北大陸の武士だ。


「まぁ確かにオレも人族の強者としてその名は知っているし、アークの意見もわかるんだが、今回は神託だ。マリアの神託は外れたことがない・・・・・・それにいい機会だ。オレは人族の英雄とやらを一度見てみかったんだ!ガハハハハ!!!」


 豪快に笑い金のたてがみを揺らす筋骨隆々な男は獣人族の中でも王家の血筋を継ぐ獅子族ガレオス・キース・レオンハート。百獣王国レオンハートの第一王子で、現在は代々次期王に課せられる武者修行の旅の途中である。旅の中でS級冒険者に昇格したガレオスは同じく武者修行をしていたアークに負けたことから彼について回っていくうちに四神の大地と繁栄を司る女神オルネアスの加護を授かり、この時点で四人は出会っており冒険者パーティ『四神の加護』を設立する切っ掛けを作ることになる。


「ガレオスさんは少し緊張感を持って欲しいですが、その通りです。召喚されるのが下級悪魔なら一体や二体でも問題ないでしょうが、中級悪魔アークデーモンが、最悪上級悪魔(グレーターデーモン)が召喚される場合があります。神託でも“災厄”と仰られました。もしかしたら私が誤った解釈をしてしまっているかもしれませんが・・・・・・それでも可能性があるなら一刻も早く助けに行かなくてはなりません!」


 マリアのその真剣な表情に一同は気を引き締めて頷く。

 駿馬で駆けていた『四神の加護』の前方に町が見え始めた。そして、その異様な光景に誰もが目を疑う。


「な、何あれ、町の空に召喚陣!?」


「あぁ。あれは恐らく悪魔召喚の陣だろう。だが、あそこまで大規模のものは見たことがない。」


 シルヴィナの疑問にアークは答える。が、彼自身もその召喚陣の大きさに呆気に取られてしまう。

 それに追い打ちをするかの如く町の上空の召喚陣は一度大きく光り輝き、怪しい光を放ち始めた。更にその召喚陣から大量の下級悪魔が現れた。

 それを見たマリアは馬を蹴り、速度を上げる。


「皆さん!早く行きましょう!!このままでは町の人達が全滅してしまいます!!!」


「おう!!久し振りの大規模の戦闘だ、腕がなるぜ!!!」


 約一名まだ緊張感を捨てきれていないのがいたが、マリア達『四神の加護』は町へと急ぐのだった。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「はぁっ!!!」


 その声と共にシルヴィナの周囲に浮かんでいた無数の圧縮された風の槍、帝級風魔法ティフォネスハスタを放った。轟音と共に夜鬼の大群は塵も残さず消し飛ばされる。


「もう召喚し切ったようだけど、雑魚とは言え流石にこんだけの量はキツいわね。でもここのは今ので最後みたいね。」


「ガハハ!!オレもこんな下等な悪魔風情に引けを取るはずがないな!!!」


 ガレオスは両手の黒鋼の手甲を打ち鳴らしながら、シルヴィナに答える。どうやら、五十体近くに囲まれていたのに関わらず全て肉弾戦で殴り倒したらしい。


「あ〜ハイハイ、筋肉馬鹿のことは誰も心配してないから、安心しなさい。・・・・・・と言ってる内にそっちも終わったのかしら?」


「あぁ。南側にいた悪魔共は全て斬り伏せた。」


「はい。こちらも終わりました。家に隠れていたり、逃げていた町民の方々も避難させました。後は町の中央にある広場ですね。」


 マリア達は大群とは言え下級悪魔である夜鬼であったことで多少なりとも安堵していた。勿論死傷者も出てしまったがなんとか全滅にはならない。それにこの事件で難民は出てしまうだろうが、現在の王は今回の件を知れば快く迷宮都市に受け入れてくれるはずだ、と。


 その時だった。


「——あぁぁ、うあぁぁぁぁっ!!!!!」


「「「「!?」」」」


 広場から子供の哀しく、絶望に染まった悲痛な叫び声が響いた。

 マリア達は逡巡もせず広場へと駆け出した。

 そこには数体の夜鬼に囲まれ、天を仰ぐ銀髪の子供がいた。

 悪魔に囲まれる中心に涙を流す銀髪に紅に煌めく眼を持つ子供という、宛ら高名な画家の作品のように怪しくも何か神秘的な光景にマリア達は一瞬立ち止まるが、すぐに行動に移した。


「っ!シルヴィ!!」


「わかってる!!」


 マリアの声にシルヴィナは帝級風魔法ティフォネスフィラフトを発動させる。風の結界は銀髪の子供に近づこうとしていた夜鬼を阻む。その隙にアークとガレオスは間を詰め、


「龍牙閃・滅」


「獅子王千撃っ!!!」


 数十体の夜鬼をアークは細切れに、ガレオスは殴り飛ばした。それを見届けたシルヴィナは結界を解く。そしてすぐさま、マリアは銀髪の子供に駆け寄ろうとする。


「大丈夫ですか!?お怪我は」


「待て。マリア、あの子供様子が・・・・・・」


 駈け出すマリアの手をアークは掴み、マリアに子供を見るように促す。

 天を仰いでいた子供は何か危うい雰囲気を醸し出し、ゆっくりとこちらを見た。


「・・・・・・なんで、邪魔したの?」


「・・・・・・え?」


 銀髪の子供はその紅の眼を昏くさせながら、語りかけてくる。その瞬間、子供のその小さな身体から圧倒する程の魔力を放つ。その魔力は徐々に黒く染まっていく。


「マズイよ!!その子反転しかけてる!!!」


 その言葉に皆一様に凍りつく。

 魔力の反転。魔力には火水風土雷光闇無八つの属性があるが、それとは別に正と負の属性がある。正は全ての種族、生きとし生けるものが魔力に持つ属性である。そしてもう一つの負。これは自然の理から外れ、世界の生態系を破壊する魔物が持つ属性だ。

 魔物。

 それは遥か昔、今で言う神代の創世記。世界を創った神アリステラにはもう一柱同格の神がいた。それは破壊と魔の女神ティスタロイア。彼女らは協力してこの世界、アネスフィアを創世した。更に世界のシステムを円滑に回すため、四柱の神を創生する。それが四神の女神達である。そうして順調に創世した世界はいつしか生態系、種族を作り、文化ができた。

 そのとき異変が起きてしまった。女神ティスタロイアは創世神である前に破壊神であったのだ。彼女は蠢めく生命、その営みを見て全てを壊したくなってしまった。そして彼女は無垢であった。仲間と共に創世した世界、それを破壊しまいと止めようと努力したが、衝動を止めることはできなかった。しかし当然他の五柱の女神は止めにかかる。そうして起こったのが神々の闘い、人々はそれを崩壊期と呼んだ。

 神々の闘いは熾烈を極め、世界は闘いの余波で全滅はせずともそれまでの文化は崩壊してしまった。その闘いの果て、軍配が上がったのは五柱の女神達。しかし女神ティスタロイアは最高神アリステラと同格の力を持つ破壊神で更に神術という闘う術を編み出し、人々が扱えるように魔術を伝えた闘いのスペシャリストである。倒し切ることはできず、封印するのにとどまった。

 そして封印される最期のとき、彼女は二つの呪いを世界に放った。それは生きとし生けるもの全てを破壊すべく魔力から生まれ、負の魔力を持つ“魔物”、そして生きものの持つ正の魔力が反転し負の魔力になると魔物になるという恐るべきものであった。

 そう、人は魔力の反転が起きると魔物に姿を変えてしまうのだ。


「くそっ!どうする!まさか殺す訳にいかないだろっ!!」


「しかし、反転してはもう元に戻る術は無いと聞く。やるしかないのでは。」


 ガレオスの言葉に、アークは汗を滲ませ呻くように言う。


「そんな!それじゃああの子を殺すって言うの!?神託でも子供を助けなさいっていってたじゃない!!」


「なら、どうすると言うのだ!先も言ったが今の今まで反転から戻す方法など・・・・・・マリア?待て、どうするつもりだ!!」


「あの子はまだ反転していません。今ならまだ間に合います。」


 シルヴィナとアークが言い合う中、マリアはそう言うと銀髪の子供へ近づいていく。


「来るな、僕に近づくな・・・・・・!!」


「大丈夫です。貴方に危害は加えません。どうしてそんな眼をしているのです?親御さん・・・・・・お母さんとお父さんは何処にいるのです?」


「母さんと父さんは・・・・・・いや、母様と父様は死んだ!!!」


「っ!!」


 その瞬間周囲の空気が重くのしかかるようにマリアに襲った。銀髪の子供の魔力がプレッシャーを放っているのだ。


「二度だ!!二度も母さん、父さんを・・・いや母様?父さ・・・ま?・・・僕を殺してくれないなら・・・僕の大切な人達を奪うこんな・・・・・・理不尽な、理不尽で残酷な世界なんて・・・・・・!!!!」


(二度?この子は一体・・・・・・しかしあの眼、まさか本当に・・・)


 マリアは銀髪の子供の眼に昏く深い哀しみを感じた。そして同時にこの子を守らなければならない、そんな使命を感じる。きっと女神様が神託で伝えたかった子供はこの子だとそう彼女は確信した。


「!?」


「もう大丈夫です。私が貴方とずっといます。貴方の前から居なくなりません。そして、理不尽から貴方を守る術を与えます。そして今度は、今度こそは貴方が理不尽から大切な人達を守れる力を授けます。だから——だから、もう安心てください。」


 マリアは優しく、その銀髪の子供を抱き締めた。それは癒しと慈愛の女神カリアディスの加護を持つ聖女の名に相応しく、そして一人の女性としての愛情を感じさせる姿だった。

 銀髪の子供——ルシエル・フォンダリアは彼女の愛をその身に感じ、涙した。それは先程の絶望から来るものではなく、安心、安らぎ、一人ではないという嬉しさ、安堵の全てから来る涙をであった。

 彼から溢れ出いていた負の魔力はすでに正に戻り、穏やかになりつつあった。


 緊張した空気は解けルシエルはマリアに抱かれたまま、温もりの中眠りについたのだった。



アークさんェ・・・寡黙キャラにするつもりが、いつの間にか説明キャラへと転職しなさった・・・


今回は早い段階での投稿ができましが、次話の投稿は不定期です(´・ω・`)受験勉強の息抜きとして書いている小説なのでそちらを優先させて頂きます。ご了承ください(ーー;)

ですが、もしかしたら早い段階での投稿ができるかもしれませんのでそのときはよろしくお願いします(`・ω・´)シャキーン


誤字・脱字、ご指摘などは感想でお待ちしています(訳:感想を書いてくださいおねg以下略)

ブクマ、感想、評価が僕の小説を書く原動力となるのでお願いします(投稿速度が上がるとは言っていない)

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