エピロローグ
こうして大人(権力者)の事情により生まれた、王国の何十年ぶりかの新しい貴族の誕生は国内外の耳目を集めることになった。
それに伴い、ユーリアも遂に『王都審査官』の職に留まり続けることが出来なくなった。
男爵位を授けられ、領主となったユーリアは一旦審査官職を離れ、慣れない領地経営に四苦八苦しながらも後に上司であったピグリルの後を継ぎ、王都審査副官長となる。
また異世界グルメシリーズとしてこの後もいくつかのレストランの立ち上げに関与し、世間の認知度は低いが従業員一同からは『会長』と呼ばれ尊敬を集めている。
目下領地で味噌と醤油の製造をテルトの助けを借りながら計画しており、ゆくゆくは日本食をこの中世的世界で実現するのが彼の夢である。
テルトはユーリアに付き従い、行政面軍事面双方から彼の領地経営を支え、有り余るスペックを抱えたまま、3年後まさかの領主夫人となった。
エルフの美少女と冴えない黒髪の男という逆シンデレラストーリーは国内外を大いに沸かせ、貴族の異種間婚姻の初めての例として後々まで語り継がれる事となる。
王都では
『テルトロス』
なる言葉が生まれ、多くの人々が虚脱状態となったという。
だが冴えない黒髪の青年と、ハイスペックすぎる美少女エルフの物語はこの世界にも多く存在する非モテの人々に勇気と希望を与える話としてもてはやされてもいる。
なお絵師としての仕事は継続しているらしく、締め切りが近づくと連日長文で届く王都の工房からの督促状を何よりも恐れているらしい。
フルーもまたユーリアの領地へついてゆき、数年後、晴れて自由身分となったルフとゾフを王都へ迎え入れ、私費で領地の衛兵たちから成る実業団野球チームを設立。
一地方都市であるにも関わらず、獣人3人を擁する圧倒的な実力を誇るチームの出現により、王国の野球熱はさらに加速することになり、都市対抗野球の発足のきっかけとなった。
ユーリアとテルトが領主夫妻となってからも彼は未だ未婚ではあるが、色気より食い気のこのフルーにとってそれは些末な事であるらしく、好意を寄せる女性たちをあしらうのにむしろ苦労しているようである。
そんな彼らのこれからの話はまたいずれ語られることもあるかもしれない。
お読みくださりありがとうございますm(__)m
諸般の事情により一旦これにて完結とさせて頂きます。
完結とはせず、休載しようかとも思いましたが、再開の目途が立たないまま放置のようにしてしまうのも忍びないので完結とさせて頂きます。
ここまでお付き合い頂いた方、本当にありがとうございました。
幾つか別の書きたい小説の構想もあるのですが、日刊連載は公私の都合上出来なくなりそうです。
消化不良な拙作ではありますが、次回作品の参考などにご意見感想など頂き得れば幸いですm(__)m




