感動の再会? ケモナー成分当社比300%
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愛は作者を救う!
・・・えっ?救わなくてもいい?・・・マイッタナ。
「決意は立派だけど全然かっこよくないよ? お兄さん!」
そういうとルフと呼ばれた少年はベストに差し込まれたナイフを引き抜き、ユーリア目がけて投擲する。
ー【チィンッ!】ー
早いが軌道の読みやすいそれはユーリアの剣にあっさりと弾かれたが、その間にルフは自分のナイフの間合いにまでユーリアに迫っていた。
ここまで近くなるとテルトも魔法で支援がし辛い間合いだ。
「やるじゃん、お兄さん! 今までのやわな調査官の人達とは鍛え方が違うみたいだね。」
【ギィンッ!】
「くっ!」
ナイフとショートソードが交錯して火花が散る。
【ギィンッ! ギィンッ!】
2度3度と撃ち込むが守勢に回ったユーリアは危なげなく防いでいる。
守勢に徹したユーリアを突き崩せる者はそう多くはないだろう。
そのままテルトの援護を待って反撃に転じるつもりだった。
するとルフは突然攻撃の手を止め、半歩退くとまじまじと自分のナイフを見つめる。
「?」
怪訝そうな表情のユーリアを無視するようにルフはナイフを弄る。
その刃はショートソードと切り結んだことで既にいくつもの刃こぼれが生じており、もはや武器としてはモノの役に立たなくなりつつある。
だが、そのナイフを弄ぶ獣人の表情はなぜか嬉々としていた。
「あーあ、駄目だぁ~。 っていうかお兄さんの剣反則だってー。僕のナイフこんなになっちゃった! ホラっ!」
「っ?!」
悪戯っぽい笑みを浮かべ、ボロボロに刃こぼれしたナイフを投げつけた。
「あははっ! それっ!」
ナイフを切り払ったユーリアの持ち手をしたたか蹴り上げる。
「ぐっ?!くっそ!」
予想外の場所への攻撃に剣を取り落としかけ、何とか耐えるユーリア。
が、その蹴り上げた勢いのまま足元に踏み込んだルフは、低い姿勢から体を大きく捻ると拳をユーリアのみぞおちにしたたか撃ち込む。
一瞬頭がグラつくような吐き気に見舞われるユーリア。
「ぐっ、かはっ・・・?!」
通常の騎士や傭兵とまったく異なる変則的な戦いに翻弄されて、ユーリアは剣を地面に突き立て膝をつく。
肩に足をかけ、ルフはからかうような口調だ。
「はははっ! 剣に執着しすぎじゃない? おにいさん。 まぁ人間ってそういうのばっかりだから僕もつけこみやすいんだけどね。」
(くっそぉ・・・、こいつは脳筋パワー系なだけじゃなく技巧派かよっ・・・。)
ユーリアが崩れる様は、ゾフと刃を交えているフルーからも見えていた。
斬撃の合間を縫って叫ぶ。
「おい! ユーリアっ! っ!うおっ!」
ユーリアの声を聞いて、ゾフとナイフで斬り結んでいたフルーが顔を向けかけるが、横合いから強烈な斬撃を浴びせられ慌てて防ぐ。
目の前には小馬鹿にしたようなゾフの顔があった。
「おっとぉ、今は俺と遊んでるんだろ? 集中しようぜ? おっさん。って、うおっ!」
【ギャリリイツッ!】
「誰がおっさんじゃあああああ!! こんのクソガキぃいいいい!」
犬歯をむき出しにしながら叩き付けるように自分のナイフをゾフのナイフとかち合わせるとそのまま力押しに身長差と膂力の差を利用してゾフを押し込んでいく。
「お、おにいさん!力ハンパねぇっすね!」
軽口を叩くゾフも先ほどまでの余裕はない、必死に耐えているがグイグイと押し込まれていく。
「ごめんなさいするなら今のうちだぞ!」
「はぁ? 誰がするかよっ! ワリいな! 人間相手には可哀想だけど使わせてもらうぜ!」
【ウォーーンッ!】
吠えるなり、ゾフの体は灰色の体毛に覆われ、オオカミのような獣人の姿が現れ、さっきまで劣勢だった形勢を見る間に押し戻された。
「なにっ!」
「わはははっ! わりーなおっさん! 終わらせてもらうぜ?!」
フルーのリアクションを驚きととったのかゾフが勝ち誇ったように言う、だが。
「ああん? なんで勝ったつもりでいるんだ? このアホ獣人が! そして俺はお兄さんじゃぁああ!」
ブーメランになりそうなセリフを言いながら犬歯をむき出しにしたフルーの体が早回しのように獣人へと変化し、銀灰色の体毛に覆われたゾフより二回りは大きな獣人が現れ、形勢は急速に再逆転し、ゾフは地面に膝をついて耐えるのがやっとだ。
「うえっ! ズルっ! おっさんも獣人かよっ!・・・ん? どっかで見た獣人だな・・・?」
歯を食いしばりながらいうゾフの視線が完全に変身を終えたフルーの姿をまじまじととらえると、アイスブルーの瞳が見開かれる。
「・・・って、あれ?! フルーのあんちゃんじゃん!」
「 えっ!? ああっ! あんちゃんだ!」
ゾフが声を上げると、ユーリアを追撃しようとしていたルフも顔をそちらへ向け驚愕と嬉しさの入り混じった声を上げる。だが、
「お前らみたいなクソガキはしらぁあああんっ!!」
-【ギャリギャリギャリッツ!!】-
「うえっ?! えええええっ!!」
ユーリアを蹴り飛ばされ、頭に血が上っているフルーはそんな事はお構いなしに、力に任せて組み伏せようとゾフにさらなる圧力をかけようとする。
「ルフ!早くお前も変身しろっ!」
ゾフが言うとルフは耳の垂れた赤茶色の体毛に覆われた獣人となり、焦りながら呼びかけた。
「フルーのあんちゃん! 僕らだって! ほら見て! ルフィーダとゾフィーダだよっ!」
「だからそんな ルフィーダとゾフィーダなんて双子は!・・・・ん? ルフィーダとゾフィーダ? ほえ? お前ら、何でこんなとこに居いるの?」
「「それはこっちのセリフだよ!」」
言いあう獣人3人を見ながらユーリアに肩を貸していたテルトがぽつりと言う、
「・・・知り合い・・・?」
「ケホッ・・・そうらしいな。なんにせよ助かったよ・・・。」
蹴られた腹をさするユーリア。 顔色は真っ青だが、大したダメージはなさそうだ。
思わぬ遭遇戦は、こうしてあっけなく幕切れを迎えたのであった。
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とりあえず3人のテンプレ山賊は縄で縛り付けて猿轡を噛ませ、その辺りに転がしたあとユーリア達3人はルフとゾフから事情を聞くことにした。
同郷ということもあり、適性は大いに疑問だが、珍しくフルーが聞き役でスタートする。
「いやぁー、まさかルフィーダとゾフィーダだとはなぁ。 なぁ~んか、かいだ事ある匂いっていうか、どこかであったことあるような気がしてたんだよなぁ。」
頭をぽりぽりとかきながら苦笑いするフルー。
「あんちゃんひどいよ! 完全忘れてたただろっ!俺らのこと。」
「まぁまぁ、僕らも子供のころから随分変わったしねぇ。」
食ってかかるゾフと、苦笑しながら宥めるルフ。
二人の言葉は対照的だが、どちらのシッポもわっしゃわっしゃと振られていることを見る限りフルーとの再会が嬉しいのだろ。
わかりやすくて助かる種族である、尋問も捗るというものだ。
「いやぁ、すまんすまん。あぁ、ちなみにこっちが俺の上司のユーリアで、こっちが魔法少女テルト☆マギカちゃnイダダダダッ! やめて! ハードレザーのブーツで脛を蹴るのはやめてっ!」
フルーの軽口にゲシゲシと容赦なく脛を削りにかかるテルト、今日携行している杖はオーダーメイドの高級品なので、いつものように鈍器としての使用は控えているようだ。
「あはは・・・。あらためまして、どうもユーリアです。 今回は臨時の調査官として派遣されてるけど、普段は補佐官のフルーと働いています。」
「テルト、この脳筋獣人と同じく補佐官としてユーリアと働いている。」
「酷いわぁ・・・。そいで? 何で二人はここにいるんだ?」
2人がごく簡単に自己紹介を済ませたあと、そうフルーが脛をさすさすしながら尋ねると、二人の尻尾の動きがピタリと止まった。
「い、いやぁ、ちょっと外の世界を見てみたいなぁ~。なんてへへへ。 なぁ、ルフ?」
「そ、そうそう、ゾフの言う通りだよ。 ハ、ハハハハ~」
((怪しい・・・))
引きつった笑いで言う二人にユーリアとテルトは疑惑の目を向ける。
「うそつけっ!」
-【ゴスッ!】-
「いでっ!」
-【ボカッ!】-
「いったぁ!」
「お前らは嘘ついたらシッポの動きですぐわかるんだよっ! 小さいころから面倒見てる俺を甘く見るんじゃねぇっ!」
「「ううっ、ごめんなさい・・・。」」
仁王立ちになり、腕を組んで叱るフルーに目に涙をためてアタマを抑えながら謝るルフとゾフ。
ユーリアとテルトはその様子を平静を装って見つめながら、こぶしを握り締めツッコミたくなる衝動に耐えていた。
((オマエ(のシッポ)もだよ!))
と・・・。
お読みくださりありがとうございます。
3人出てきたので300%にしてみました 笑
ゾフはハイイロオオカミの、ルフはビーグルのようなイメージで書いています。
感想、ブクマ、評価などで是非作品の後押しをしていただければ幸いです。
派手さはない作品かもしれませんが、これからもどうぞ温かい声援、応援よろしく願いします。m(__)m




