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君となら  作者: 中原やや
20/67

弱点 1

「それで、<チューリ城>になったわけか」

 暖かな風にマントをなびかせ、クリスは先頭を行くロードに言葉を投げた。

「でも、彼女・・・来てくれるのか?」

「たぶん、な」

 振り返り、ロードはそのまま後ろ向きで歩く。

 今日は快晴。雲一つとして見当たらなかった。

 三人は今、<チューリ城>を目指し、南下していた。「お前の探してるヤツもそこにいるかもしれないぜ?」と、説き伏せられたクリスが渋々承諾したためであった。また、ロードがそこへ行きたい理由も、先程歩きながら聞いていたので、クリスとレッドの二人は「仕方ないな」と、諦めていた。

「ティナ〜〜〜!!もうすぐまた逢えるぞ〜〜!!!」

 広い大空に向かい、叫ぶロード。クリスは苦笑した。

(あの浮かれよう・・・。まるで子供だな)

 ロードは彼女の名を呼びながら、草原の海をスキップしている。レッドはそんなロードを怪訝そうに見つめながら、隣を歩くクリスのマントを引っ張った。

「ねぇ、クリス。ロード・・・壊れたよ?」

「いいんだよ。そっとしておいてあげよう。今はね」

 温かく見守るクリスとは対照的に、レッドは冷ややかな視線を彼に投げつける。と、ロードの足元、左足のふくらはぎの位置に、何やら赤い小さなモノがくっついていることに気がついた。

「ロードぉ!なんか足にくっついてるよ?」

「ん?どれ?」

 スキップを止め、ロードは自分の左足を見た。そして――

「・・・・・・・トカゲ?」

 口に出したとたん、さっと血の気が引いていく。一気に嫌な汗が噴き出してくるのが、ロード自身にも、そして、遠巻きに見ていたクリスとレッドの二人にも分かった。

「どうしたんだ?早く取れよ」

 クリスの言葉に、しかしロードは涙目で彼を見ることしか出来ないでいる。本当に今にも泣き出しそうなほど、ロードはおびえきっていた。

「・・・もしかしてさ」

 レッドは意地の悪い笑みを広げつつ彼に近づくと、ロードの足についたトカゲをひょいとつまんだ。

「もしかしなくても・・・トカゲ嫌い?」

 言うと同時、手にした赤いトカゲをロードの顔に投げつけた。

「うっぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!」

 大絶叫が広い草原に響き渡り、ロードは身体をめちゃくちゃに振り回しながら、西の森へと逃げて行く。

 しばらくの間、クリスとレッドはそれをあっけに取られて見ていた。

 ロードが西の森の中に消えた後、彼らは同時に顔を見合わせ、同時に噴き出した。

「クック・・・。何あれ?あんな男、見たことない」

「大の男が泣きわめくなんて・・。ギャー八ハッハ。もうおかしすぎっ!」

 腹を抱えて笑うレッド。ひとしきり笑うと、クリスは涙を拭い、小さな相棒に言った。

「んじゃ、そろそろロードを探しに行くか」

「なんか、余計な仕事が増えてるよね」

「全くだ」

 言い、再び笑いが起こる。

 二人は急いで、ロードの消えた森の中に入って行った。

あ〜〜あ。ロード逃げちゃった・・・

ダメじゃん(笑)

リザードマンとか出てきたらどうなるんでしょうね(笑)?

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