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異世界召喚は二度目です   作者: 岸本 和葉
第四章 人間大陸にて
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75 降臨

導入につき短めです。

 創造神とは、絶対の存在の片割れである。

 この世界を創りだした神であり、そして「創造」を司る者。

 彼女がいなければ発展はなく、衰退もなかった。

 そんな神である彼女が乱心すれば、もう止められるすべはない。 

 神とは、その名に恥じない力を持ち、別次元に存在する者のことを指す。

 

 故に、今この世界に降臨した創造神〈クレアシル〉を倒すという行為は、彼ら一次元下の存在には不可能である。

 彼らは、ただその強大な力に、怯えることしかできない。



◆◆◆

 思わず、膝の力が抜けかけた。

 この女はやばい。

 着ている羽衣のようなものから、肌、髪の先端まで純白に染まっている。

 唯一色が付いている青色の眼からは、何も感じ取れない。

 殺気も、怒りも、その他の感情も、何もかも。

 それがたまらなく恐ろしい。

 逃げろ、逃げろと本能が叫ぶ。

 魔力が尽きている今の俺では、こいつに勝てないことは明白だ。

 それでも――――――――こいつらだけは。


「エルカ! グレインにティアもありったけの魔力を俺によこせ!」

「っ! はい!」

「分かったよ!」

「うん」


 俺の意図を素早く読んでくれた三人が、俺に駆け寄り魔力を流し込んでくる。

 しかし、これじゃ足りない。


「ロアにシロネコたちも頼む!」

「よく分かんねぇけど……任せて!」

「了解です」

「はい!」


 獣人三人も、同じようにして魔力を注いでくれる。

 だいぶ回復した。

 これなら少しの間持ちこたえられるだろう。


「ブラッド! デザスとリヴァイアを回収しろ! 夕陽は二人の治療を頼む!」

「ああ!」

「分かったよユキくん!」


 ブラッドが素早く移動し、腹をナイフで刺された二人を抱きかかえて離脱する。

 夕陽はそこに駆け寄り、すぐさま治療を開始した。

 

「そんでもって……全員かなり遠くまで離れろ。こいつは……次元が違う」


 この女からは、魔力や相手を威圧する覇気も、何もかも感じない。

 それだけなら、ただ弱いようにも見える。

 だがそうじゃない。

 魔力を感じない(・・・・)ってのはありえないんだ。

 この世界で息をしている限り、生物には魔力があるはず。

 じゃあ……こいつは何だ?

 こうして睨んでいても、やつは一切動かない。

 不気味ではあるが、ありがたくもある。

 その間に全員の退避が終わった。

 この場にいるのは、俺と、冬真と、白い「何か」だけ――――――――――――。


「ふむ……我の存在が分かるか、小僧」

「っ……少しだけな」

 

 正直に言えば、俺はやつの存在が少しだけ感じ取れる。

 気配と言えばいいのか……夕陽たちなら、やつが背後から近づいてきても気づかないだろう。

 俺ならかろうじて分かるかどうかと言ったところか。

 どちらにせよ、この場においては何でもいい。


「神の気配が分かるか……おかしな男だ――――――――――む?」

 

 そのとき、やつの胸元から黒い鎖が生え出し、全身へと伸びて行く。

 やがて全身を絡めとられたやつは、完全に身体を縛り上げられていた。

 これは、冬真の?


「創造神〈クレアシル〉……ッ! 僕の呪いで、僕に従え!」

 

 倒れている冬真が、やつに向かって手を伸ばしていた。

 これか、さっき〈呪術魔法〉が使えないって言っていた理由は。

 とんでもなく複雑に組まれた呪いだ。

 こんなの受けたら、俺でもどうしようもねぇぞ。


「人間が……思い上がるな」

 

 しかし、それではやつは捕まらなかった。

 少し力んだだけで、粉々に砕ける呪いの鎖たち。

 こりゃ……桁が違いすぎるな。


「やっぱりだめか……」

「虫にも劣る生物風情が……今ここで消えるか?」


 やつの手が、冬真へと向く。

 それを見た俺は、とっさに小さな火の玉をやつの顔面に放った。

 やつは避けようともせず、そのまま顔で受け止める。

 ダメージはないだろうが、炎の煙で視界が潰れているだろう今がチャンス。

 俺は全力で地を蹴り、冬真を抱えて距離を取った。

 今こいつを失う訳にはいかない。

 

「セツ……どうして僕を……」

「この女は……俺一人じゃどうしようもねぇからな」


 俺は、エルカたちからもらった魔力を、半分冬真に流し込む。


「あいつはどうやら俺たちが気に食わねぇみたいだ。そんでもって、このままじゃ確実に消される。

阻止したくても、俺一人じゃ多分勝てねぇ」


 ならば、することは一つだ。

 

「力を貸せ、冬真――――――――――――――――共闘だ」


 俺と一緒に戦えるやつを、味方にするしかない。

 

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この度新作を投稿させていただいたので、告知させていただきます。 よろしければ、ぜひブックマークや評価をいただけると嬉しいです! 世界を救った〝最強の勇者〟――――を育てたおっさん、かつての教え子に連れられ冒険者学園の教師になる ~すべてを奪われたアラフォーの教師無双~
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