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異世界召喚は二度目です   作者: 岸本 和葉
第一章 魔族大陸にて
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22 竜の巣へ

二日に一作ペースが基準になりそうです。


今回眠すぎて色々支離滅裂だと思われます。後日修正をば……

「――――――アリゼさんに何をするッ!!」

「ちょっとお兄ちゃん!?」


 俺がアリゼにとった行動に怒りを覚えたのか、アーメルの兄貴が剣を抜きながら飛びかかってくる。


「や、やめろラーメル!!」

「はぁぁぁ!!」


 振られた剣を余裕を持って躱し、俺はその太刀筋を観察する。思ったよりも動きがいい。こんな森の中の村だっていうのに、兵士のレベルは相当高そうだ。……いや、こんな森の中だから強くなれるのかもしれないな。森は本来魔物の住処だし。


「離れてくださいアリゼさん!! あなたは自分が守ります!!」

「いや、そうじゃなくて……その人に逆らっちゃ……」


 おい弟子よ、お前は俺をどう思ってんだ。そんでアーメルの兄貴はキザなこと言いやがるな。うん、俺より勇者っぽいぞ。


 まあそんなセリフを言わせてしまって悪いが、必死に振られる剣は全く俺に当たってねぇぞ。


「ほい」

「うがっ!?」


 俺は剣を振りかぶって無防備になった胴に拳を叩き込む。もちろん最大限手加減をし、数十メートル吹っ飛ぶ程度に抑えてやった。


「あぁ……言わんこっちゃない」


 転がって沈黙するアーメルの兄貴を見て、アリゼがそう呟く。妹であるアーメルも呆れ顔だ。見たところあの兄貴はアリゼに惚れているようだが、これはカッコ悪い姿を見せさせてしまったかもしれない。起きたら謝罪しとくか。


「いきなりなに村人を戦闘不能にしてんのよ……」

「そう言うなリヴァイアよ、一応村に貢献したんだから」

 

 後から来たリヴァイアに、なぜか言い訳じみたことを言ってしまう。

まあ飛びかかってきたのはあっちだしな、俺はそこまで悪くないはず。


「お、お兄ちゃんがごめんね?」

「村の兵士が申し訳ありません師匠」

「気にしちゃねぇからいいよ」


 申し訳なさそうに謝罪してくる二人に、本心で返す。まあ好きな人をあんな扱いされちゃキレるわな、俺もキレるだろうし。そんなことより俺は聞いておきたいことがあった。


「そんなことより、このまま竜の巣へ行こうと思えば行けるが? もう行っていいのか?」

「! そうか、アーメルが呼んできた助けは師匠だったのですね」


 なるほど、アーメルは村に助っ人を呼ぶことを伝えていたんだな。これなら変に説明しなくて済みそうだ。


「それなら一度村に入ってもらえないかな? セツさんたち道わからないでしょ?」

「おお、確かにそうだ」


 言われてみればそうだったな。


「それじゃ一度村にお邪魔させてもらったら? まあしばらくしたらまたリザードマンたちが押し寄せてくるだろうけど……」

「そうだな、リザードマンは……俺が村に結界でも貼りゃぁいいか」


 結界つっても、村の入口に野営に使っている魔物よけの石を置くだけだけども……


 それから俺の魔物よけの石にアーメルが驚愕してひっくり返るなんて出来事があったが、そこは省略。最高級ポーションもだけど、アーメルはちょっと驚きすぎだよな。


 おっと忘れるところだった。アーメルの兄貴の回収もしとかないと。




 ◇ ◇ ◇




「ひとまず―――――師匠、ようこそ私の住む村へ。今回助けていただけるとあって大変心強いです」

「まあ今日中には助けてやるよ、その代わりハチミツ酒をくれ」


 あの酒が無事ならば俺はそれでいい。あれさえあればリザードマンの群れなどゴミ掃除同然だ。……まあそれは酒がなくてもあまり変わらないが……


「うぅ……」

「お兄ちゃん、そんなにセツさんを睨んじゃダメだよ?」


 ここはアリゼの家の客間、そこで椅子に座っている俺とリヴァイア、向かい合う形でアーメルとアリゼがいる。そして椅子には座らず、地べたでロープに縛られているのが、アーメルの兄貴であるラーメルだ。

 そんなラーメルは、先程からずっと俺のことを睨みつけている。つけている胸当てはさっきの俺の一撃で凹んでいるが、彼自身に外傷はない。俺だってちゃんとヒールをかけるくらいのことはする。


「村全体でおもてなしをしたいところですが、生憎けが人やらの手当に追われていて……」

「構わねぇよ、村総出でなんてめんどくせぇだけだかんな」


 それに俺にとっちゃリザードマン退治なんざ作業だ。そんなんでわざわざ崇められても困るだけだからな。


「んで、じゃあアリゼ案内しろよ。めんどくせぇことはさっさと終わらせっぞ」

「はい、すぐに出発の準備を整えます」

「あの……私も行きたいんだけどダメかな?」


 立ち上がり準備を始めたアリゼに、アーメルが声をかける。それを聞いてアリゼは顔を歪めてそれを止める。


「リザードマン単体でもお前には辛いだろう。お前はC級であり、私はA級だ。あまりに危険すぎる」

「でも……こんなすごい人についてける機会中々ないし……私だってそのうちすごい冒険者になりたいの!!」


 そう言われるとアリゼが困惑顔で考え込んでしまった。多分気持ちがわかるんだろうな、こいつも最初のうちS級依頼についてきたいとダダこねまくってたし。


「でも……」

「まあ戦うのは他ならぬ俺なわけだし、このリヴァイアだったらアーメル一人守るくらいわけないと思うぜ?」

「そ、そうだよ! リヴァイアさんもすごい強いんだよ!?」

「……なんかどんどん私置き去りにされているけど、この子一人くらいは余裕で面倒見れると言っておくわ。私のプライド的に」

「……そうですか? ならば無茶をしないという条件で同行を認めようか……」

「やったぁ!!」


 許可をもらったアーメルは飛び跳ねて喜び始める。そんなに嬉しいもんかな? 俺はあまり人についていく立場じゃなかったから理解できない。

 って妹まで俺についていくとなってラーメルのやつ更に不満そうな顔になってやがる。


「待て!! 俺も行きますよアリゼさん! その男だって本当に助けてくれるかわからないし!」


 ついていく意思を見せるため、縛られたままで立ち上がり、さらっと俺を疑ってきやがった。なんだこいつすげぇめんどくせぇ。


「私の師匠はそんな方ではない、そしてお前は変わらず村の警備だ」

「ええー!? そんなぁ!!」


 アリゼに同行を拒否されダダをこねる様子は妹そっくりだな……さすがは兄弟。

 その後散々二人は口論を繰り広げ、俺たちが飽きてきた頃にようやく決着がついた。


「はぁ……それならば私も村に残る、これじゃだめか?」

「え!? アリゼさんが村に残ってくれるんですか!?」


 妥協案を出された途端にラーメルの顔が笑顔に変わる。案内ならばアーメルでもできるし、アリゼも万が一の事態に備えて村に残ったほうがいいかもしれないな。リザードマンの残党が現れないとも言い切れない。ラーメル的には俺と一緒に行かないだけでも喜ばしいことなんだろうな。もう目が恋する男だよ、ちょっと怖いぞ。


「アリゼがそう言うならいいぞ、んなら俺たちは行くか」

「そうね」

「案内は任せて!!」


「申し訳ありません、師匠の手を借りることしかできずに……」

「ハチミツ酒さえおごってくれりゃ問題はねぇ、それより――――――後でなぜそこまでお前が弱体化(・・・)したか、教えてもらうぜ?」

「ッ……さすがに気づかれますか」


 そりゃそうだ、俺の弟子なんだから。というかそもそも動きが昔に比べて鈍い。SS級の実力はあったはずなのに、あれじゃ本当のA級レベルだ。最初は手を抜いているだけかとも思ったが、その雰囲気から本気ということが分かる。


「この件が解決すれば、聞いて頂き次第説明します」

「……そうか」


 それ以上は口を紡がれてしまった。気になることではあるが、そこまで俺に関係のあることじゃない。覚えていたら自分から聞こう。


「んじゃ、出発っと」


 俺たち三人は準備万端で、アリゼの家を意気揚々と飛び出した。待ってろハチミツ酒、すぐに助け出してやるからな。




 ◇ ◇ ◇




 出発から歩くこと一時間ほど……道中少なくなったリザードマンを狩り続け、現状見えるところに奴らはいない。そしてようやく竜の巣付近までたどり着くことができた。


「この辺から上へ行こうかな、竜の巣が上から見られるよ」

「わかった」


 アーメルの指示のもと、大きな丘を横から登っていく。その丘の向こう、そこにはうじゃうじゃとゴキブリのようにいるリザードマンたち。

 リザードマンの群れの奥に見える大きな穴が竜の巣だろう。やつらがそこから出てくる以上は間違いない。


「うーん……二人はここで待っててもいいぜ?」

「なによ、私には暴れさせてくれないわけ?」


 少し不満そうなリヴァイアだが、お前の今回の役目はアーメルの護衛だろう。暴れるのは許さんぞ。


「お前はお前の仕事をしろ。今回は単純に一人の方が効率が良さそうなだけだ。まあちゃっちゃと片付けてくるから」

「はいはい、迅速にお願いね?」

「おう、了解っと――――――」



 俺は返事もそこそこに、まだこっちに気づいていないバカリザードマンに駆け寄り、黒丸を叩きつけてやった――――――




 ◇ ◇ ◇



「ッ……」

「どうかしましたか? アリゼさん?」

「いや……なんでもない」


 村の門番をしていたラーメルは、同じく村の門番としてそばにいてくれるアリゼを心配していた。

アリゼは自分の肩を抱き、少しだけ体にあった震えを止める。


 彼女がSS級の実力から転落した理由、それは一種のトラウマが原因なのだが――――――


「少し冷えたのかもな、気をつける」

「そうですよ、風邪なんてひかれては大変なことですから!」


 なんとなく先程から嫌な予感が外れてくれないアリゼは、抱きしめた肩をそっとなぞった。

妙に熱を帯びた肩、そこにはかつてトラウマの原因につけられた生々しい傷が残っている。


 

(心配が杞憂に終わればいいんだがな……)


 アリゼはもう一度優しくさすったあと、門番としての仕事に集中力を戻した。


――――――これから再び自分の前にそのトラウマが現れることなど、今の彼女では予想のしようがなかった。

次回、強敵襲来

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この度新作を投稿させていただいたので、告知させていただきます。 よろしければ、ぜひブックマークや評価をいただけると嬉しいです! 世界を救った〝最強の勇者〟――――を育てたおっさん、かつての教え子に連れられ冒険者学園の教師になる ~すべてを奪われたアラフォーの教師無双~
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