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君の厨二病が覚醒したら

作者: 水瀬火ノ

 男「ふーっ、新学期初日の通学路ってのはホント憂鬱だなぁ。あ、おはよう女」

 女「愚劣な人の子よ、どうした?貴様もあの太陽が憎いのか?安心しろ、今にあの醜い汚物は邪神ニャルラトホテプの降臨よって混沌の闇底へと失堕する事であろう」

 男「」

 女「フフフ、我こそは世紀の魔術師「アレイスター・クロウリー」の再来と称せられる転載魔術師!ヘルハート・ヴェネツィア!」

 男「他の掲示板から苦情が飛んできそうな魔術師だな」

 女「あっ!漢字間違えたッ!?」

 男「つーか、お前の名前「女」だろ」

 女「違う!それ(戸籍)は世を忍ぶ虚偽の忌名……。真の我が名は幾千もの地獄を統べ、無限のゾルダート達をその軍門に置き、森羅万象を自在に操る最凶の魔術師!ヘルハート・ヴェネツィア!その気になれば世界征服など、赤子の手をひねるよりもたやすい……」(ニヤリ)

 男「そうか、そんなことより急がないと学校に遅刻するぞ」(スタスタ)

 女「ククク、我の魔力に恐れをなしたか。逃げ惑うがいい愚かな人間よ!世界の終末は近い!貴様がどう足掻こうとハルマゲドンは……って、置いていかないでぇ!」

 男「しかしまわりこまれてしまった!」

 女「ぜぇ……ぜぇ……。……フン、いいだろう。貴様はどうしても世界滅亡のカルマを食い止めたいと言うのだな」

 男「いや、学校行きたいだけなんだけど」

 女「ならば、我を倒して己の求むる未来を切り開いてみよ!」

 男「聞いてないコイツ。なにで勝負するんだ。早くしろ、このままじゃ俺もお前も遅刻で反省文だろうが」

 女「いにしえより伝わる禁忌の儀式術。その名を『陰陽拳』と言う」

 男「悪い予感がするな」

 女「略して『んみょうけん』」

 男「『お』しか略してねぇ!」

 女「……『みけん』」

 男「『眉間みけん』じゃねえか!」

 女「『ん』」

 男「ん!?ってもういいわ!早く説明してくれ!」

 女「こほん、陰陽拳のルールは簡単だ。決闘者は互いに三つの印を結ぶことが出来る。まず『内縛印』、これは『外師子印』に対して有利だ。次に『外師子印』、これは『日輪印』に有利だ。最後に『日輪印』、これは『内縛印』に有利だ。それぞれ逆に、他方に対して不利となる。互いに同じ印を結んだらあいこ、もう一回だ。」

 男「要するにジャンケンじゃねぇか!」

 女「今更挑んだことを後悔しても遅いぞ。邪悪なる闇の眷属である我に刃を向けた、その心意気だけは褒めてやろう。だがしかし、我が秘術『ラプラスの悪魔』の力を以てすれば、この勝負、勝負にすらなるまい。この秘術で我は三千世界の過去、現在、未来の全てを見通す事が出来るのだ」

 男「御託はいいからさっさとやるぞ」

 女「……では、ゆくぞ!」(ゴゴゴ)

 男「…………ッ!?」


 女「ロック、ペーパー、シザーズ!」(パー)


 男「英語版!?」(チョキ)

 女「ぐあああぁぁああぁあぁ!負けたあああぁぁぁぁああああぁぁぁああぁあぁ!」

 男「(コイツいつも最初は必ずパーを出すんだよなぁ)」

 女「………………む、無念……」(バタリ)

 男「気が済んだろ。さっさと行くぞ」

 女「ま、待て……」

 男「ん?」

 女「…………三回勝負に(ry」

 男「やってられるか!」

 女「ぐうぅ」

 男「……それにしてもお前といると退屈しないぜ、まったく。夏休み中に何があったのか知らないが、2学期もよろしくな」

 女「えっ!?……う、うん。よろしくね…………」(オドオド)

 男「……ほら、いいから立てよ。この手を取れ」(サッ)

 女「ううっ……、あ、ありがとう……ぅ」(ギュッ)

 男「校門まで走るぞ」(グイッ)

 女「うん……」(タッタッ)

 男「…………」(タッタッ)


 女「…………(手繋いじゃってるー!)」

 男「…………(手繋いじゃったぜー!)」


 女「終末の鐘が終わりを告げている……」

 男「チャイムって言え!あーあ、二人揃って反省文か。仕方ないな」

 女「クッ、地獄の門が閉じているぞ。我のサイコキネシスでこじ開けるか……」

 男「いや普通に先生が開けてくれるから」

奇跡的に読んで下さった方、ありがとうございました。

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