太陽とひだまり
それからというもの…
「日向ー!!お昼だよ!お昼!!食いにいこー!!」
て言いながら、教室に乗り込んで来たり
「日向!日向!ちょっ聞いて‼俺いい事思いついたんだけど!!」
とか言いながら校内探検させられたり
なんだかんだ言って毎日私に会いに来た
……はあ
なんなんだこの人
「あー!日向見つけた!教室に居ないから探しちゃったよー!」
みつかった…
毎日毎日来るものだから今日は教室から出て、このお気に入りの場所に来たのに…
「あー良かった見つかって!あのさ!今日はさ!購買で面白いデザートがあってさ!」
あ、汗…すごいかいてる、
走ってきたのかな…
「ちょっとそこ座ってて」
「え⁇あ、ちょっちょっと?!日向ーー?!」
…確かカバンに、あ、あとそこにあるかな…?
これでいいか
「あ!」
私が戻ると、杉村太陽は主人が帰ってきた時の犬の様になっていた
「日向!!お帰り!ほんとにどこいったのかと思ったよー!!」
…犬だ
「…これ、汗だくみたいだったから」
と、さっき持ってきた物を渡す
「の…飲み物?と、タオル??」
タオルは私のだ
「え?…え⁇」
明らかにすごく驚いている
「…いらないなら、別にいい。返して」
「え?!そんな事ない!え、俺コレ本当にもらっていいの?!?!」
「…どうぞ。」
らしく無い事しちゃったな…
「日向!ありがとう‼すっげー嬉しい!!」
…そんな喜ぶ事もないのに
飲み物も、近くの自販機で適当に買ったやつだし、タオルも…私のだし。
「あの…さ、どうしてそんなに私に構うの??」
「…??」
ずっと疑問に思った事を聞いてみる
「私さ、怖いでしょ。…杉村太陽は私の歌が気に入ったみたいだけど、ただ聴きたいだけで何で私なんかに毎日会いに来るの⁇他に誰か歌うまい人とかさ…」
「違う!」
…え、
「…あ!ち、違くないけど!日向‼日向は怖い人なんかじゃないよ!」
…な、なにいってんだろこの人
「…頭打った…??」
打ったよね、多分。
相当強く
「だからっ!怖くないんだって!頭も打ってない!!」
ガシッと杉村太陽は私の両肩を強く掴んできた
…あれ?怒って…る??
「…日向は優しいじゃん‼俺が落し物した時も拾ってくれたし!歌も褒めてくれたじゃん!今だって俺が汗かいてんのみて飲み物とかタオルとか持ってきてくれたんでしょ?!そんな人が怖いわけない!!日向は良い人だよ!」
…驚いた。
こんな風に怒る杉村太陽にもだけど、特にその内容に驚いた
「だ…だって私見た目怖いし、言葉もキツイから皆に怖がれてるし…、優しくなんかも…無い」
「言葉は、確かに人よりキツめかもしれないけど!一つ一つに日向が優しいって、すごく良い人だってわかるような中身ばかりの言葉だし…だから、」
「日向は!私なんか、なんて言っちゃダメだ!!」
………。
私は杉村太陽と目を合わせられなくなって顔をそらした
ダメだ、何か…泣きそうになってる
「……は、恥ずかしいことばっかり言ってるし…、……変、変だよ。やっぱり、杉村太陽は変人だ…。」
本当に、変人だ
…でも
「私を、私なんかって言うなってはじめて言われた…」
頑張って杉村太陽の顔をみてみる
彼はまん丸の瞳をすごく真剣にして話を聞いていてくれた
「…ありがとう」
あ、はじめてじゃないかな…
人にちゃんとお礼が言えたのは
…あれ?
「杉村…太陽??」
顔逸らされちゃったんだけど…
そんなに変な事言ったかな、私
「日向はやっぱり優しいよ……そ、それに、見た目だって…か、かわ………ってあー!!何でも無い!ごめん!今の忘れて!」
杉村太陽は顔を真っ赤にして反対を向いてしまった
最後の方とか特になんていってるのか聞こえなかったんだけど
まぁいいのかな、
「それより日向!さっきから気になってたんだけど、何で俺の事フルネームで呼ぶの⁇」
え、
「そ…れは、…呼び方ってよくわからない…し、何て呼んだらいいのか…」
「えぇ⁈名前で呼んでよ!俺だって日向の事名前で呼び捨てだし‼日向も俺の事太陽って呼んで!」
…っ、な、名前??え?よ、呼び捨て???
私が混乱している姿を察したのか
「あ!いやあの別に!無理しなくていいから!嫌なら別に今のままでもいいし!!」
「あ、い、嫌…とかじゃなくて。」
…人の名前を呼び捨てなんて、いつ以来だろう。緊張してしまう
「あ、…た、たい…よう??」
声が震えてる、緊張しすぎだ、私
「…っ///」
「た、太陽?どうしたの」
「だーっ!何でも無い!何でもないから!!」
…本当にどうしたんだろ
「ひ、日向さ!そんな風に笑えば絶対に皆怖くないって気づくと思う!」
…笑う??
今、私笑ってたんだ??
「だからーっその!頑張ろう?目指せ友達100人!」
「…小学生じゃん。」
この時、キツめの言葉を言いながらも少し笑うようになった日向に太陽が何を思ったのか
気づくのはもう少しあとのお話
前回のひだまり物語に続いて、一つ続編を書いて見ました!
実はこの話しも前から考えていたものですがやっと形に出来て、とても嬉しいです!!
ここまで読んでくださった心の広い方!
どうもありがとうございましたm(_ _)m