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姉と俺(と母と父)

奇跡

作者: 聖魔光闇
掲載日:2011/03/16

なんじゃこりゃぁ!!

「ただいま! 母さん、見てくれよ! 凄いだろ! 奇跡じゃねぇかって自分でも思うんだ!」

 学校から帰って、一目散に母親の所に行くと、一枚の答案用紙を差し出した。

「何これ! 本当に!?」

 母親も驚きを隠せないようだ。

「凄いだろ! 奇跡的だろ!」

「本当ね……。奇跡ね……」

 弾ける俺とは裏腹に母の表情が曇っていく。

「俺が……悪いんじゃねぇよ……」

「本当に、そう思ってる!?」

 曇りきった母の顔が恐い。

「じゃ! 俺部屋に戻るわ!」

 答案用紙をふんだくり、部屋へ行こうとした俺の腕を母が掴んだ。

「な、何だよ」

「あんた、数学得意じゃなかったの!?」

「得意も得意。大得意教科だよ!」

「じゃあ、何なのよこの点数! 0点って何なのよ!」

「名前……書き忘れ……。でも! 名前書いてたら100点だったんだぜ! 奇跡的だろ!」

 開き直って、踏ん反り返った俺から答案用紙をもぎ取ると、

「今日、父さんが帰ってきたらわかってるわよね!」

 母が《鬼》に変貌していた。





『しくじった。奇跡的な出来事に浮かれ過ぎていたよ。……ハァ、説教か……』






 その夜、俺は父と母に呼ばれた。

「お前! 名前忘れで0点だったんだってな! しかも、名前をきちんと書いてたら、100点だったっていうじゃないか! 凄いな! 俺なんて、名前書いたのに0点取った事あるぞ!」

「へ?」

 父の顔を見る事も出来ず、俯いていたが、思わず父の顔を見た。

 すかさず母が、父の頭をペットボトルで殴った。

「あなた馬鹿!? 怒らなくちゃいけないでしょ!」

「そんな事言ったって100点だぞ100点。凄いじゃないか!」

「問題はそこじゃないでしょ!」

 目の前の夫婦は、もう俺の事も忘れたかのように喧嘩している。




『【夫婦喧嘩は犬も食わない】って言うしな、退散……しよーと……』





俺のせいか?

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― 新着の感想 ―
[一言] 確かに奇跡ですが、この父親の存在も奇跡ですねw 素敵な時間をありがとうございました。
2011/03/17 01:14 退会済み
管理
[一言] 聖魔さん、やっぱりすごいです。 笑いのセンスが良いですね! やっぱり、笑ってしまいます。 いつもいつも、本当に素晴らしいです。 ありがとうございました。
2011/03/16 19:15 退会済み
管理
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