第2話:出会い光
自分を取り巻く光が消え視界がはっきりしてくるとそこはさっきまでいた公園前の道ではなく雲の上にいた。
「な…なにがどうなってんだ!?たしかオレは男の子を助けてそんでもって光に包まれて…。光が消えたら雲の上って…。やっぱオレ死んだのか?」
なにがどうなってるのかわからなくなり自分の顔を殴ってみる。
“ボンッ”
思いっきり鈍い音と共に顔に痛みが走る。
「イテー!!痛みがあるってことはオレは死んでないのか?じゃあここはいったい…」
すると突然、首飾りが妙な力で引っ張られオレはその勢いで飛ばされた。 「ちょ…今度はなんだよ!?」
あまりの速さで飛ばされている中吹き飛ばされている方向にとてもキレイな“純白の城”が建っていた。
「なんだあの城は?雲の上なのに?」
遠くにあった城はもうオレの目の前にあった。
“キラーン”
首飾りの白い石が光った。
「入れっていうのか?」
とても大きい扉をゆっくり開けてみる。
「これはいったい?」
扉のそこには“白い結晶”が台の上に祭られていた。
「なんだこの結晶は?」
「それは“ホーリークリスタル”です。」
「えッ!?」
後ろからいきなり声が聞こえ振り向いてみるとそこにはとてもキレイな瞳をした。女の子がいた。
「き…君はいったい?」
「私は“レイ”です」
レイとなのる彼女は微笑みながら名を名乗った。 「ここはいったい何なんだ?」
「ここはあなたがしている首飾りの世界です」
「‥首‥飾りの世界?」
「あなたが車に引かれそうな時に私がここへ呼びました。」
「じゃああの時の光は君が‥」
「はい」
どうやらここは首飾りの世界らしい。
「ゴメン。わからない事が多すぎて‥。1から説明してくれないかな?」
「わかりました」
彼女は説明を始めた。
「この世界“ホーリーランド”は1000前、“ホーリーストーン”と、共に誕生しました。
あなたがしている首飾りの石です」
「これが‥“ホーリーストーン”」
「はい。恐らくあなたのご先祖様が拾ったのでしょう」
「じゃあ“ホーリーストーン”はここのモノなんだ。ゴメンね。これ返すよ」
「やっぱりあなたは私が思った通りの人ですね。返す必要はありません。」
「え‥でも」
「“ホーリーストーン”を落としたのは心正しき者に拾って貰うため」
「なんの為にそんなこと?」
彼女は一瞬下を見て再び話だした。
「この世界は純白の世界。いかなる事があっても汚してはならないのです。」
「そうなんだ。‥でもオレなんかが来ちゃマズいんじゃ…」
「いえ‥。私はあなたが首飾りをしたときからずっとあなたを見てました。あなたの優しい心を身近で感じていました。
それに先ほども‥」
「そっかぁ。ありがとう。そこまで言ってもらって」
彼女に微笑みかける。
「あのそこでお願いがあるんですけど…」
彼女は少し遠慮がちに言ってきた。
「いいよ。命助けてもらったし」
「あの私と一緒に旅に出てくれませんか?」
「えッ!!旅?」
予想していなかった言葉に少し戸惑う。
「あの〜ダメ‥でしょうか?」
不安そうに彼女が聞いてきた。
「いいよ♪学校とか退屈してたし」
「ホントですか!?」
彼女の笑顔をみてオレは少しドキッとした。
「でも休み続けるのはマズいかな〜」
「その事については大丈夫です。」
「えッどうして?」
「旅するのはパラレルワールドです。それにこの世界は時間がありません」
「そうなんだ。じゃあ大丈夫だ。ところで旅ってなにすんの?」
彼女は“ホーリークリスタル”のところまで歩み出した。
「ホントはこれ以外にもクリスタルはあるんです」
「えッ!」
「“ホーリークリスタル”を取り囲むカラークリスタルがあるんです」
「カラー‥クリスタル‥?」
「はい。全てを手に入れれば虹の階段が出るのです」
「へぇそれがでれば何があるの?」
「それはまだわかりません。」
「そっか。でも旅していくうちにわかるよ」
「そうですね」
「これからよろしくレイ」
「はい。こちらこそ、未来さん♪」
彼女はとても笑顔だ。
「あ〜敬語はやめてよ。未来でいいよ」
「え‥でも」
「ほら言ってみて」
「ミ‥ライ」
「うん。‥/!!」
「あ!!ホーリーストーンが!!」
ホーリーストーンがいきなり黄色に光だした。
黄色い光はオレたち二人を包み込んだ。
「「わッ!!」」
光がやむとオレ達二人の姿はその場から消えていた。