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有名商人に、ホンモノとニセモノを交えて鑑定を頼んだら、見抜ける? 見抜けない? ざまぁ編3

「私が店主です。大口の取引なら歓迎ですぞ。ささ、どうぞこちらへ」


 そうして、賢者様とゴルディンは、大口取引用の別のスペースへ移動しました。

 と同時に、周囲の人間が賢者様へ向いたのを見計らって、死角に移動したガランのおじさんへ隠蔽魔法をかけます。


 目的の第一段階はひとまず成功。

 

 あわよくば毛皮の買取で化けの皮を剥がすつもりでしたが、ゴルディンを引きずり出した主目的は、賢者様の出すアイテムを、ゴルディン本人に直接査定してもらうため。


 なので、いよいよここからが本番です。


 その前に、新たに解説に加わるガランのおじさんを視聴者さんに紹介します。


「さて……皆さんもスペシャルゲストが誰か気になっていると思います。では、変装を解きましょう。実は、この方が協力者でした」


 変装魔法を解いて現れたのは、ゴルディンのライバルである、ガランのおじさん。

 これには視聴者さんも驚いたようです。


 :うお、ライバル商会の長とかバッチバチだな

 :最近落ち目って聞いたけど

 :よく手伝ってくれたね


「どうも、ガラン商会を取りまとめているガランと申します」

「ここからは彼にも解説を手伝ってもらいます」


 :解説ってなにするんだろ

 :できれば直接対決が見たかったなあ

 :さっきのは負けに近いと思うんだけどそこのところどうなん?


 やはり、視聴者さんの目にも分が悪かったように映っているようです。

 ですが、まだ巻き返せます。

 そのための催しも準備してあるので、大丈夫なはず。

 つとめて落ち着いて、コメントへ対応します。


「そうですね。前哨戦は微妙な結果となりましたが、本命はここから。賢者様が提出するアイテムは、ガラン氏には事前に査定してもらっているので、その結果もお伝えしながら実況していければと思います」


 :まじのバトルやん。楽しみ

 :これでどっちが商人として優れてるかわかるのか

 :こっから挽回ってわけね


「そして、賢者様が査定に出すアイテムですが……上級魔物の素材と、最上級魔物の素材。それから伝説級魔物の素材を、計10個です。これらの割合はガラン氏にも伝えていません。有名商人であるゴルディン氏、及びガラン氏は、適切に目利きできるのでしょうか?」


 :伝説級魔物ってマジ?

 :目利き勝負か、熱いな

 :そもそも伝説級って値段つくの?


 いきなり品物の格があがったからか、コメントは湧き立っています。


 その流れを絶やさぬように、ガランのおじさんへ話をふりました。


「さて……まずはガラン氏の予想を聞きましょう。賢者様の提出したアイテムは、どのような内訳でしたか?」

「私は、上級魔物素材が2、最上級魔物素材が6、伝説級魔物素材が2と判断した」

「なるほど。それぞれ買い取るとしたらいくらになりますか?」

「上級魔物素材はそこまで珍しい物ではなかったので、どちらも相場の金貨15枚。最上級魔物素材は、バラツキがあるものの、下が金貨80枚で上が200枚。平均すると120枚前後。伝説級魔物素材は、現状、うちの商会では買い取れる資金がないので買取不可、だな」


 :買取不可ってやべーな

 :妥当なのかもな。伝説っていうぐらいだし

 :仮に値段つけるとしたらおいくら?


 横目で見たコメントに気になるものがあったので、拾ってガランさんに問います。

 

「仮に伝説級魔物の素材に値段をつけるとしたら? という質問がありました。ついでに、なんの魔物だったかも当ててもらえると盛り上がるかもしれません」

「そうだな。ひとつはおそらくガルガンクローという巨大な鳥型の魔物の爪で、仮に私が買い取るなら金貨10万枚をつけるだろう」


 :10万枚!?

 :さすがに盛ってない?

 :いくらなんでもそんなに価値があるとは思えないけど


 コメントの言うことももっともなので、私は彼らの声を代弁しました。

 

「あまりにも高い値付けですが、配信をもりあげるためにわざと高く言ってませんか?」

「いや。それほどの価値はある。あれが本物なら、この世で最も硬い物質になる。実際、あの爪は肉ごと抉られていて、まともな加工ができない。しかし、槍の穂先につけると破城槌と同じことができてしまうので、戦略兵器になりえるあの爪は、金貨10万枚はすると踏んだ」


 :たしかに歩兵が城門ぶっ壊せるならその価値はあるのか……

 :物知りだなこのおじさん

 :へえー、あれが一番硬い物質なんだ


「推測通り、ガルガンクローの爪で正解です。ちなみに賢者様は、あの爪を石像彫刻の道具にしていましたよ」


 :イカれてる……

 :発想が恐ろしいな

 :さすがと言うか、なんというべきか


 これには、コメントだけでなく隣のガランおじさんも呆れ気味です。

 やっぱりあの人、どこかズレてますよね。

 長年生きてるとあぁなるのでしょうか?


 そんなことを考えてぼーっとしていると、ガランのおじさんが続けて解説を始めました。


「もうひとつは、ライブラタイトというゴーレム型魔物の核だろう。実はこの核、まだ完全に機能停止しておらず、かなり緩やかに再生していく。元の姿は宝石体で、新たに生えてくるのも宝石だ。ライブラタイトという同名の宝石があるが、それが生えてくるのがあの核、ということだな。あの核からしか取れない宝石なので、現存する物は限りなく少ないが……内臓魔力が枯れるまで半永久的に生み出す性質を持っているから、値段は、そうだな……正確にはつけられないが、金貨10億枚はくだらないだろう」


 それは……凄まじい価値ですね。そんなものを軽々しく扱う賢者様に驚きです。


 :ちょっと桁が違うっすね……

 :魔力が尽きるまで金の生える木ってことだもんな

 :なんてもんを持ってきてやがる

 

「これも正解ですね。ちなみに賢者様は、さっきの爪の砥石にしてましたよ」


 :頭おかしい……

 :たしかに再生するなら砥石にちょうどいいけどね??

 :使い方が贅沢すぎるだろ


 皆さんショックを受けていますけど、ゴルディンは以前、賢者様が買取依頼した伝説級素材を、ひとつ金貨100枚程度で買い叩いているんですよね。

 それを知ったら卒倒するんじゃないでしょうか。

 

 さっきの爪も、数があるから売ったと言ってましたし。

 それをゴルディンは王城に献上しているのですから、なんとなくでも価値は見抜けているはず。

 今回の焦点は、配信中のいま、正規の値段で買い取ろうとするかどうか、です。


 なにかに勘づいて正規の値段を提示したら、こちらはかなり分が悪くなります。


 しかし、今日はオークションの翌日。なるべく節約したいでしょうから、買い叩く可能性が高いですね。


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