蜘蛛の巣 -19-
その時が来るのを、どれほど待ち望んだことだろう。
未来が自分と同じ部屋に連れて来られれば、ソフィーとアンディはまず武器を手にして彼女を脅し、その上で精神的に痛めつけようとすることは間違いなかった。
FBI捜査官である未来に手を出そうとしたことが破滅の始まりだと、知る由もなく。
サイボーグである彼女の怒りを爆発させることが、どれほど愚かな所作であるかを理解することもなく。
杉田には、未来がパートナーの身の安全を守るために極端な抵抗はしないだろうと予測できた。
現実にその場面が訪れたとき、杉田は自分の感情を抑え込むのに全精神力を傾けた。
薬で意識を奪われ、縛り上げられた未来が床に転がされた時、どれほど駆け寄って彼女を助け起こしたいと思ったことか。目を覚まさないでいる彼女の前でアンディに犯された時、どれだけ屈辱に泣き叫びたかったことか。そして、愛しき者に自分の今の姿が見られないよう、願ったことか。
全ては一瞬のチャンスを作るため、アンディとソフィーという忌むべき2人の殺人犯を欺き、彼らを捕らえるためだったとは言え、それはあまりにも無謀で確率の低い賭けでもあった。
が、彼らに監禁されていた杉田には、それしか残された手段がなかったのだ。
来たるべき裏切りを確かなものにするためには、まず2人の凶悪犯を徹底的に信用させることから始めねばならなかった。だからアンディの怪我を治療し、身体を蹂躙される苦痛に耐え、ソフィーのために花を活けてやった。
こちらの企みを見抜かれれば、速やかで且つ残酷な死が手をこまねいて待っていることは、ひしひしと感じられた。ごく普通の青年にとっては、毎秒が命を削り取られていくような消耗戦だったのだ。
本心がアンディとソフィーに同調しなかったのは、杉田がその拠り所を花と未来との思い出に求めていたからだろう。心から愛するものの助けを借りて彼は自らを厳しく律し、彼は悪魔の二人組に引導を渡す種を仕込み続けた。
アンディには、心で醜く嘲笑いながら、彼の虜になったことをことあるごとに見せつけた。
ソフィーには、未来のことなどどうでもいいが弄んだ方が面白いからと、精神的に追いつめてここへ連れ込むようにけしかけた。
彼らの自分に対する仕打ちも、ドイツ語のメモにして細かいことまで漏らさずに残しておいた。
その結果の全てが、まさにこの瞬間目にしている光景である。
銃を奪うことに成功し、未来はFBI特別捜査官の身分と本当の名前を明かし、彼女はアンディを逮捕すべく駆け出した。
杉田は今や未来に託された銃をソフィーに突きつけ、完全に行動を分断させた。
彼はここに至るまでのパターンを幾通りも考え、シミュレートを繰り返し、迷わずに行動できるように備えていたのだ。
「酷いわ。マサト、私を騙したのね」
その杉田を、恨みを込めて見上げる人工的な緑色の瞳があった。毛布で裸の胸から下を覆い隠し、身を縮こまらせているソフィーである。ベッドの隅に身を寄せて座り、きつく毛布の端を掻き合わせている赤毛の女は、涙を浮かべて哀れを誘う表情を見せている。だが、杉田は向けられてくる感情を全て跳ね返す不可視の盾を目前に翳し、彼女を冷ややかに一瞥しただけであった。
未来がアンディを追って飛び出して行ってから、まだ5分と経っていない。
杉田はベッドルームの開きかけたドアにちらりと目をやると、すぐにソフィーへと視線を戻した。
ベレッタの安全装置に指をかけたままでいる杉田は、ソフィーが怪しい動きをしていないか見張るばかりである。地元警察とCVC本部には部屋に置いてあった電話で既に連絡し、彼自身も上着まで身につけて、すぐに動けるようになっていた。あとは応援が駆けつけてくるか、未来が戻ってくるまで待って、ソフィーの身柄を引き渡せばいいだけだ。
が、杉田のベレッタを持つ手は震えていた。
今までのように、誰かの命の灯を簡単に消してしまう武器を持つことが恐ろしいからではない。心の底から染み出し、ゆっくりと満ちていく怒りと憎しみが抑え切れないでいるせいだ。
目の前に半裸で座っている女は、今までにどれだけ自分の心を踏みにじり、傷つけてきたことだろう。彼女が杉田を拉致し、アンディに差し出しさえしなければ、こんなことにはなっていなかったのだ。
なのに、騙していたなどとどの口が言えるのか。
杉田は低く、押し殺した声で言った。
「騙すだって?どっちがだ。アンディを抑えたらすぐ、彼女が戻ってくる。もう諦めろ」
今までの人生においても、ここまで激しい感情を込めた声を出したことがない。彼自身でも、自らが暴れ出す寸前の獣のように思えていた。
杉田がソフィーを車で自宅まで送り届けたあの日、彼女は自宅に辿り着く直前にこのベレッタを突きつけてきた。その上で人気のないところまで運転させると、待ち構えていたアンディの車に乗り換えさせたのである。
そのままこのトレーラーハウスまで連れて来られ、杉田の悪夢の日々は始まった。
彼がアンディに犯されて苦痛に絶叫を上げていた時、ソフィーは傍らでそれを無邪気に笑いながら眺めていた。ソフィーにとっての至上の快楽が、人が苦しむ姿を見ることなのだと杉田が悟ったのは、その時だった。恐らく、今まで殺してきたブラックヘアの被害者についてもそうだったのだろう。
更にそれが精神的、肉体的な双方であるとわかるようになるまでも、そう時を要さなかった。
事実、ソフィーは未来の人柄の良さに付け入って見事なまでに振り回し、心を消耗させ、杉田を手中に落とした確信した時も、得意げに笑っていたのだ。
杉田や未来には彼女がしおらしい女性という印象しかなかったが、今は違う。
ソフィーは「サイコパス」と呼ばれる危険人物の典型だったのだ。
自らの欲望を満たすため、あらゆる手段を行使するのが許されると思っているが、他人のことは決して許さず、理解もしないのがサイコパスだ。だから自分の意に添わないことがあると性格を豹変させ、周囲を混乱させることも珍しくない。
しかし非常に知恵の回るソフィーの場合、目をつけた人物の前では完璧な演技でイメージを固め、依存して見せることでじわじわとその毒素を広げていった。そして二人だけになり、最適な状況に誘い込んでから一気に牙を剥いたのである。
加えて、彼女はストーカーであるラルフまでをも杉田と未来を襲うのに利用していたのだ。
この女を許せる隙など、一分もないに決まっている。
「そんな怖い声で言わないで。私、貴方のことを信じてたのに!」
激しく頭を振って否定し、泣きながら訴えてくるさまは、理不尽な暴力に怯える子どもを思わせる。今まで彼女が行ってきた犯罪行為を目の当たりにしてきた杉田には通用しないが、経緯を知らない者が見たら、杉田がソフィーを脅してレイプしようとしているようにしか見えないだろう。
しかしこの銃は数分前、杉田にとって一番大切な異性にソフィーが向けていたものだ。
そしてソフィーは、未来をここにさらって来てから遠慮なく暴力を浴びせていた。女性にとって一番大切である顔すら何の躊躇もなく足蹴にした事実は、決して消えるものではない。
彼は安全装置から指を動かさずに言い放った。
「もう騙されないぞ。おかしな真似をしてみろ、本当に撃つからな」
強く、揺るがぬ杉田の声に、ソフィーは短く息を飲んでびくりと身体を震わせる。
不安で大きく見開かれた彼女の瞳が潤み、みるみるうちに大粒の涙がせり上がってきた。
「……私がちょっと風邪気味だったときだって、心配して手当てもしてくれたじゃない。私、優しくしてもらって本当に嬉しかったのに。全部嘘だったって言うのね」
ソフィーはぽろぽろと頬を伝い落ちていく透明な涙を指先で拭いながら、杉田の裏切りを嘆く台詞を口にし始めた。
彼が今までの行動全てを嘘で塗り固めて、裏切り者を演じて見せたことは間違いない。ただしそれは全米を恐怖の渦に叩き込んだ殺人犯を逮捕するため、これ以上の犠牲者を出さないため、正義のためだった。法的にも人道的にも、責められる余地など微塵もある筈がない。
とは言え、一般的な道理の中に身を置かずして生きているのがサイコパスという人種だ。
ソフィーにとっては自分が意図したもの以外の全ては排除すべき存在であり、受け入れることができない。だから今見せている涙も演技ではなく、本心からのそれなのかも知れない。
毛布の上に晒け出した白い腕で裸の肩を抱きしめるさまが痛々しげに見えるのも、そのせいなのだろう。
ソフィーの切々とした独演会は、杉田の耳に沈黙をもたらすことを許さずに続けられた。
「信じてたのよ。無茶なことばっかり言ってくるアンディと、貴方は違うって。本当に素敵なお医者様だって。それなのに、今は私に服を着ることも許してくれないの?それじゃ、アンディと……あのけだものと一緒だわ」
顔の造形の一部を思い出すことさえ汚らわしいアンディと一緒と言われ、杉田の胃がぎゅっと縮まり痛みを訴えた。
あんな人の姿をした悪魔と一緒にするなど、被害者である杉田にとって到底許すことのできない言い種だ。
しかし、目の前でさめざめと泣いている女性に対して感情のままに暴力をぶつけることも、杉田にはまた許されない行為だった。それこそ、自らをアンディと同じ位置まで堕とす卑怯な行為なのである。
無意識に眼鏡を直してから、杉田は足元に脱ぎ捨てられていたソフィーの黒いタートルをベッドに投げた。無言のまま、同じようにデニムと下着類も放り投げていく。
未来よりも大きなサイズの服が次々と宙を舞い、目の前に重なっていくのを、ソフィーは驚きの表情を浮かべながら眺めていた。彼女は杉田の顔と服の小山を黙って見比べていたが、数秒の後に頭から毛布をすっぽりと被った。もぞもぞと毛布の塊が動くと、服が一枚ずつ端から引っ張り込まれていくのがわかる。
次にソフィーが毛布から顔を出したのは、杉田が投げた服を全て身につけてからだった。身を隠す必要のなくなった彼女は毛布を足元に寄せて座り直すと、再び杉田の持つベレッタに視線を注いだ。
「お願い、銃を下げて。これじゃ怖くて動けないの」
「できるわけがないだろう。この期に及んで、君を信じろって言うのか?」
懇願してくるソフィーに対して、杉田の冷たい態度は変わらない。
彼の反応は予想の範疇だったのか、ソフィーは溜息をつくと弱々しげに頷いて見せた。
「ええ、そうよ。だって私、誰かがいないと何もできない女だもの。今まではアンディが一緒にいたから、何だってできたのよ。でも、彼は今ここにいないわ」
悲しそうなソフィーは、悲劇のヒロインを気取るつもりなのか俯いて目を伏せている。
確かに彼女は他人を利用する才能に抜きん出ており、自分に足りない能力を誰かに補わせることが常だ。従って言っていることは筋が通っており間違ってもいないが、だからと言って彼女を信じていい理由からかけ離れていることは間違いない。
もうこれ以上、騙されるわけにはいかないのだ。
が、銃を持つ右手を下げる気配がない杉田に、ソフィーは更に食い下がった。
「お願いよ。私、女なのよ?そんなもの向けられて、平気でいられるわけないじゃないの。それとも、貴方も人に銃を向けて笑ってられるような人なの?」
「君だって、さっきまでこれを未来に向けてたじゃないか。大切な人が銃なんか突きつけられて、平気でいられる男がいると思ってるのか!」
演技がかったソフィーの言葉に、杉田はこれまでになく強い調子で怒鳴り返した。
彼が今ソフィーの動きを抑えるために手にしている武器が確かに未来の口に突っ込まれたことを、強烈に覚えている。あの時の絶望的な気持ちは、恐らく誰かを心から愛したことがないサイコパスには決して共感できるものではないのだ。
「ミキって、ヨーコの本当の名前?そんなことも私に教えてくれなかったなんて、酷いじゃない」
しかし、ソフィーの返事はやはり普通の感覚を持つ人間のそれとずれている。これでは、杉田が何に怒りを抱いているのか正確に伝わっているか、甚だ怪しい。肝心なことを聞き入れるつもりは全く持たず、ソフィーは勝手に嘆き続けた。
「それにあの子がFBIの捜査官なら、私を助けてくれても良かったのに。私、苦しかったのよ。ずっと誰かに助けて欲しいって、そう思ってたわ」
「馬鹿なことを言うな。今まで自分たちの勝手な理由で人の命を散々奪っておいて、助けて欲しいだって?」
呆れて開いた口が塞がらない、とはこのことだ。
若い医師が咄嗟に二の句が継げないでいると、ソフィーは突然叫んだ。
「だって!仕方がなかったんだもの!」
握りしめた両の拳を膝に大きく振り下ろした女の悲鳴に近い金切り声が、鋭くベッドルームの空気を震わせる。
大声を間近で浴びせられた杉田は驚いて多少身じろぎはしたものの、話の内容にとても同意する気になれないのは変わらなかった。ソフィーの態度が豹変したことに、却って警戒心が強まったくらいである。
余程興奮したのか、白人であるソフィーの頬は朱に染まり、ぜいぜいと荒い息をついていた。
「ねえマサト、貴方はあいつから私を助けてくれるのよね?私、怖かったのよ。あいつの言うことを聞かなければ、何をされるかわかったもんじゃなかったの」
と、不意にソフィーはベッドから身を乗り出し、銃を構える杉田に手を伸ばしてこようとした。これには杉田も驚いて後ろに飛び退き、彼女がすがりついてくるのを慌てて逃れるしかなかった。
反射的に銃を撃つ、という発想には至れなかったのだ。
「いい加減にしろ!誰かを傷つけても笑っていられる奴に差し伸べてやる手なんて、僕は持ってないんだ!」
「何よ、私の苦しみなんて何も知らないくせに……あれは、そうするしかなかったからよ。でなきゃ、私だってあいつにバラバラにされてたんだから。言う通りにしなければ殺すって脅されて、それでも貴方は逆らい続けることができるって言うの?」
ただ一人優しくしてくれていた杉田が身をかわし、完全に拒否されたショックが加わったのかも知れない。ソフィーの語調はしがみつくと言うよりも、恨み節のような粘着質のものに変わってきている。ただ、続いた話はやはり自分の行いを悔いたり、誰かに詫びるような内容ではなかった。
「貴方はアンディが本気で怒ったところを見たことがないから、そんなことが言えるんだわ。他の人のことなんか、気にしてる場合じゃなかったもの」
杉田を悲しげに睨むソフィーの瞳に、今一度涙が湧き上がってくる。それも悔恨の涙ではなく、自分が受け入れられない、理解されていないということに対する子どもっぽい悲しみのそれであろう。
「マサトはあいつと違うわ。貴方は銃が似合うような人じゃない。人を殺す道具なんか持たないで。私、本当はアンディから自由になりたいのよ。お願い、私を助けてちょうだい」
最早なりふり構っていられないのか、ソフィーはベッドから下りると冷たいフローリングの床にぺたりと座り込んだ。低い姿勢から卑屈な視線で杉田を見上げ、低く頭を垂れて見せる。手に何も持っていないことを示すように、手のひらも上に向けているところから、彼女なりに敵意がないことを示そうとしているのかも知れなかった。
ソフィーは、とにかく銃を向けられるのが嫌なのだ。
サイコパスは自分が暴力を振るうのが大好きでもその逆は大嫌いとはよく言ったもので、彼女もその例に漏れないのだろう。
どんな状況でも、涙目の女性から自分を否定する言葉を投げつけられ、こちらが攻撃するための物理的手段をちらつかせるという立場は、まともな神経の持ち主の心を確実に消耗させる。直接的な方法を使わずにソフィーの動きを抑える方法があるのなら、杉田にとってはその方がずっとありがたかった。
数秒考えた後に、杉田は息を軽く吐いて頷いた。
「……わかった、銃は使わないよ。その代わり、FBIの応援が来るまで君の手を縛らせてもらう。強くはしないから」
彼の足元には、未来を縛っていたロープがまだ散らばっている。彼女が力づくで引きちぎったものだが、ばらばらの長さに切れているために使えそうなものもあったのだ。
「本当?」
その彼の言葉を聞いたソフィーが顔を上げてほっとした表情を作り、低い体勢のまま杉田の方へにじり寄った。まだ警戒心を解いていない杉田が、間合いが詰まらないように壁の方へと同じ分だけ下がっていく。
「けど、縛られるのは嫌よ。昔、アンディがいつも私を縛って面白がってたの。この部屋は外から鍵をかければ逃げられないから、私をここに閉じ込めて。このベッドルームは窓もないし、出入口がひとつしかないのは貴方も知ってるでしょう?」
自分の言い分が聞き入れられたことを無邪気に喜んでいるソフィーは、声を弾ませて意外なことを申し出ていた。
しかし、銃を使わずソフィーの身体も拘束しないのであれば、それが最適な手段であると言えよう。それに、杉田自身もここに軟禁されたことは何度もあったのだ。
ベレッタは手放さないままで、杉田は視線を部屋の中を巡らせた。
「鍵はどこにあるんだ?」
「サイドテーブルの上か、デスクの引き出しの中だと思うわ」
そう言えば、アンディがいつもそこへ携帯電話や車の鍵を入れるのを目にしていた。
杉田がつい昨日までの行動を思い出し、まず傍らのデスクの引き出しに手をかけようとする。
彼の視線がソフィーから引き出しの取っ手に移った、その時だった。
杉田はソフィーの柔らかい身体が足全体に勢いをつけて体当たりしてきたことを、瞬間的には理解できなかった。
組みつかれた足がよろけて重心がずれ、膝が曲がり、ざらついた壁を広げた手と曲げた肘がこする。
彼が仰向けで無様にフローリングへ倒れたとき、後頭部も壁に打ちつけていた。頭全体に衝撃が走ったときは白い火花が視界いっぱいに散ったが、その後意識が暗転することはなかった。気絶は免れたのである。
が、まだちかちかする光が目に見える範囲に残っている中に、異様に黒い部分があった。
それがついさっきまで自分が握っていたベレッタの銃口であり、鼻先に黒光りする金属の筒が突きつけられているとわかったのは、杉田が倒れたときにずれた眼鏡の位置を直し、やっとピントを合わせることができるようになってからであった。
ベレッタは白い手に握られていて、安全装置がいつの間にか外されていた。
手の先には黒いタートルに包まれた腕があり、腕はふくよかな胸を抱えた胴体に繋がっており、胴体の上では赤毛の女の顔がにこやかに笑って小首を傾げている。
「ねえ、マサト。何かあったときのために、私と一緒に来て。一緒に来てくれなきゃ私、何するかわからないの。自分でも」
杉田は今までに人を殺したことがなく、咄嗟に銃を撃つという行動が取れない。
ソフィーはそのことを、彼に拒否されたときに見抜いていたのだ。




