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蜘蛛の巣 -6-

「そんなことより、お前は今日も夕方まで例の件を調べてたのか?」

 突然話題が異なる方向に向いたのを意識するのに、未来は数秒の時間を要していた。

 ジャクソンの言う例の件とは、ブラックヘア事件のことを指す。行方不明になっている杉田が最後に見せた悲しげな顔がたちどころに心を支配し、胸の中がどっと重くなった。

「……そうだよ、って言いたいところだけどさ。私一人じゃ、調べられることにもどうしたって限界があるよ」

 苦しげに呟いた未来に、ジャクソンの言葉も少なくなる。

「収穫なしか?」

 無言の頷きが一瞬の空白を作る。

 そのすぐ後に振り向いてきた未来の顔は、笑っていた。

「でも、ドクターは絶対にどこかで生きてるって信じることにしてるよ。これまでの犯行のパターンならもうとっくに死体が見つかっててもおかしくないけど、ドクターはそうじゃないから。きっと、生き延びるために頑張ってるんだよ」

 未来の声は、話の途中から次第に震え出していた。

 ジャクソンがヘッドライトの照らすでこぼこした道路から視線を動かさなかったのは、懸命に涙を堪えている彼女の痛々しさを目の当たりにしたくなかったからだ。

 荒れかけた未来の唇から出た最後の単語に、嗚咽にも似た苦しげな吐息が重なる。

 いくら未来とジャクソンがサイボーグだからと言っても、精神までもが人為的に強化されているわけではない。時には弱音を吐いたり、感情を出すことも必要だ。そのことに気づいている彼らだからこそ、言葉をかけなくてもいい時間というのが存在することも理解している。

 プリウスは、未だに手探りするように闇の中を走り続けている。

 黒一色近くに塗りつぶされていた視界に、いつしか違う色が混ざっていた。

 未来がその変化に気づいたのは、窓に硬い雪が当たる音が僅かに鼓膜を震わせたからである。上体を前に傾け、フロントガラスを覗き込む要領で夜空を見上げると、白く細かい粒が周囲の全てに降り注いでいるのがわかった。

「また降ってきたね。酷くなる前に、クワンティコまで戻れればいいんだけど」

 掠れ気味ではあるが落ち着いた調子を取り戻している彼女の声に頷いてから、ジャクソンはワイパーのスイッチを入れた。

「なあ、もう一度エミリオの死体発見現場に行ってみないか?」

「えっ、今から?」

 同僚の気まぐれに近い予定変更の提案に、未来は目を丸くする。

「結構近いところを通るから、ついでだよ。この時間だと、エミリオの死体が捨てられたと思われる時間帯と大体条件が同じになる。俺たちなら、何かわかることがあるかも知れねえからな」

「……ああ。この前トリスが言ってた、現場で感覚を澄ましてみろって言ってたこと?」

「そうそう。何てったって、俺たちの感覚を二人分合わせりゃ、500人前以上だからな」

 未来が意図に気づいてジャクソンの顔を見返すと、人好きのする笑顔が口の端に浮かべられているのがわかる。彼が持つ純粋な温かみは、未来の眉間に寄っていた皺も減らしてくれたようだった。

 余計な力が抜けたところで、今度は未来が思いつきを口にした。

「じゃあ、そのついでにお願いなんだけど。ブラックヘアの死体発見現場にも行ってもらっていい?」

「なに?」

 これには、ジャクソンがつい未来の方を振り返ってしまう。

 一番近いブラックヘアの現場はヒースズビルであり、最後の死体発見場所だ。

 ただし現在位置からは近い場所であっても、エミリオの死体発見現場から22マイルは南東に離れている。その分だけ最終目的地としているリッチモンドからは遠くなるため、到着が必然的に遅くなることは目に見えていた。

 言いだしっぺはジャクソンであったが、自分で考えていた以上に夕食の時間が遅くなることは胃袋に辛い。が、そもそも自分が黙っていれば良かったという負い目もある。

 渋々、ジャクソンは未来のわがままを認めた。

「ちぇ、わかったよ。その代わり俺の身体に入れる分のガソリンは、お前が奢れよ。今日は恐ろしく寒いんだからな」

「フライドチキンでもステーキサンドでも、何でもどうぞ」

「ビールとフレンチフライとチェリーパイもつけろよ。それから、ヒースズビルからリッチモンドまではお前が運転してくれ」

「もう。いくら太らないからって、食べ過ぎだよ。それに注文多過ぎだから、相棒!」

 呆れつつも、未来は心を楽にできる方へ見事に持って行ったジャクソンに感謝していた。

 彼が持つ人柄の良さのお陰で辛い捜査も続けていけると実感できているのだから、一回で三倍の金額がかかる夕食代くらい、安いものだった。


 プリウスが30分ほどかけて到着したコロニアルビーチは、一見したところ今まで通ってきた森の道と全く変わらなかった。冬の郊外で時間も夜というのが同じであるため、他に車が全く通らないことも同じだ。

 ただ一つ違うのは、暗闇にひしめく木々に渡されていた黄色い立入禁止のテープの残骸が、時折風に揺れることぐらいだろう。

 辺りは静かで、鋭く吹き付ける寒風や雪が枝とテープかすの間を抜けていく音くらいしかしない。ジャクソンと未来は、他の車の邪魔にならないよう路肩に停めたプリウスから降りた。

 傷んだアスファルトの外側は雪に覆われ始めており、黒々とした土についたブーツの足跡やタイヤ痕を歪な模様として浮かび上がらせている。

 顔や手を容赦なく刺してくる寒気に身震いしながら、未来は聴覚の感度を上げた。

 僅かだが、遠くから金属が擦れ合う機械的な響きがあるのがわかる。

 恐らく、この付近の道路工事に使われているロボットの駆動音だろう。今の時期は頻繁に夜間工事を行っているようで、事件当日も現場到着まで工事現場が延々と続いていたのが、記憶に新しい。

 ジャクソンが後をついてくるよう、未来に手で合図を送ってくる。二人は足元に注意を払いながら、連れだって道路脇の草むらにできた細い道に分け入った。

 巨体と言っていいジャクソンの腰ほどまで高さがある枯れ草は、捜査の時に踏み荒らされたままだ。未来が赤外線フィルタ越しに見ると、死体を積んだストレッチャーの車輪跡もくっきりと残っているのがわかる。

 ごく最近にそうして人為的に作られた道を暫し進んだところで、やがてぽっかりと視界が開けた広場に出た。ここでも足元を見てみると、犯人が死体遺棄時に使ったと思われるロボットのタイヤ痕が剥き出しの土に残っているようだった。

 雪は二人が現場に到着して僅か数分で激しさを増してきており、彼らの濃い髪の上にも凍りかけた水滴を残していっている。それが鬱陶しいのか、ジャクソンは革ジャケットの下に着込んだパーカーのフードをすっぽりと被った。

「最近ここまで来た奴は、ほとんどいないようだな。死体が発見されてから2、3日は、野次馬も結構いた感じだが」

 エミリオの死体が横たわっていた辺りまで足を進めて、ジャクソンが周囲を見回した。

 数多くの足跡は地面についているが崩れかけているものも多く、捜査時以降にあまり荒らされた様子がない。群警察が立入禁止を解除したのが、ここ数日のことなのだろう。

「そうだね。その辺の草は、捜査の時に倒されたまんまみたい。特にこれからは雪が深くなるだろうから、もうここに来ようなんて言う物好きはいないんじゃない?」

 未来がコートに手を突っ込んでから答えると、ジャクソンと同じように周囲を見渡した。

 しんと静まり返った闇には街灯の光も届いておらず、墨で塗りつぶしたように真っ暗だった。粒が細かい雪だけが地面を叩く音を小さく響かせ、色が違う自分たちの存在を主張しているかのようである。

 ジャクソンは視力感度を上げて辺りを確認しているらしく、あちこちを飛んでいる鋭い視線を、時折木々の間にぴたりと留めている。

「一応家も近くにないことはないようだが、結構遠い感じだ。これじゃあ表を車が通ったかどうかなんてわからないし、多少大きな音がしたとしても聞こえねえな」

 ジャクソンと同じく未来の瞳にも、付近の家の灯りは殆ど捉えられない。彼女は道路に出る小径と死体があった場所とを交互に眺めた。

「死体を捨てるのに、条件が揃ってたってことだよね」

「しかし、その割に意外と発見が早かった。そこがどうもおかしいんだよ」

 うろうろと木の間を歩いているジャクソンは、見つけ損ねた証拠がないか探しているように見える。

「ポールも言ってたじゃない。エミリオのケースは、今までと違って雑だって。あんまり捨てる場所を選んでるような余裕がなかったんじゃないかな。だから手っとり早く、道路からは見えにくいここにしたんだよ」

「ということは、ある程度の土地勘がある奴だってことになる」

 ジャクソンの足が止まり、納得が行かないと言いたげに自分が踏んできたばかりの地面を睨みつけた。

「どうして、ここじゃなけりゃならなかったんだ?」

 ひとりごちて、彼は片手で顎を撫でた。

 その横で、未来が地面にしゃがみ込んでいる。

 自分たちが今立っているのは丁度死体の足元に当たる場所で、人形が捨てられていた辺りだ。コートのポケットから両手を出して息を吐きかけてから、雪と地面を覆っている落ち葉をどかす。まだ僅かに湿り気を含んでいる程度の土は、鑑識スタッフが表面を採取したためえぐれているが、それ以外一見して変わったところはない。

 死体が横たわっていた場所も、今やその痕跡は殆どないと言って良かった。

 数少ない名残りは、死体を乗せたストレッチャーの轍と僅かな血の跡、死体を引きずった跡ぐらいであろう。捜査当時は血の臭いが鼻についたが、一週間が経過した今はかき消されている。

 死体を引きずった跡は救急隊員たちと共に死体を動かした時にできたもので、死体遺棄時についたものではないこともはっきりしていた。

 何か新たな発見はもうないかと、未来は目を閉じて聴覚の感度を上げた。

 が、やはり聞こえてくるのは工事現場で働いているロボットたちの音ばかりで、他に注意を引くようなものは感じられない。

「この辺りの道路、よく工事をやってるよね」

「ああ。アスファルトが雪だらけになる前に、とっとと張り替えなきゃならねえんだ。ロボットたちもたくさん動いてるみたいだな」

 何気なく呟いた未来がふとジャクソンの顔を見上げると、彼も目を瞑って耳に神経を集中させているようだった。その縮れた髪の上を覆っている黒いパーカーのフードは、雪のせいでまだら模様になっている。

「もう車に戻るか。今日のところはこんなもんだろう」

 無表情に未来に言ったジャクソンであるが、表情には期待が外れた時の何とも言えない脱力感が見えている。更に路肩に停めたプリウスまで辿り着いた時、彼の胃が空腹を訴えて大きく唸った。

「これと言った収穫はないけど、死体遺棄当時の様子がわかったのは良かったかもね」

 それに気づかないふりをした未来が、エンジンがかけられたすぐ後にヒーターの温度を上げた。

「ああ。目撃者はもう期待できそうもねえな」

 どんな人間にも言えることだが、血糖値が低下するとえてして悲観的になるもので、ジャクソンもその例に漏れないようである。

 未来が車を走らせるよう提案したヒースズビルはここから20マイル以上あり、リッチモンドで温かい夕食にありつくまで、最低でもあと2時間はかかるだろう。こんな時にキャンディーの一箱も持っていない自分に、未来は本気で悪態をつきたくなった。

 ジャクソンはきっと、夕食を人三倍と言わず五倍は食べる気でいるに違いない。

 冬眠から覚めたばかりで飢えている熊と一緒にいるような気持ちにさせられるドライブは、いくら相手が親しい同僚だと言えど辛い。警察の無線の音声さえ、ジャクソンの空腹を刺激しないかと気になってしまう。

 ヒースズビル到着までの約40分間は、未来にその倍くらいの所要時間を体感させる羽目となった。幸いだったのは、途中で渋滞に引っかかることもなく、21時過ぎに到着できたことだ。

「ここ?結構、車が通りそうな感じの場所だけど」

「間違いねえよ。ほら、道路も周りの配置も一緒だろ」

 未来がシートベルトを外しながら辺りを窺うと、ジャクソンがハンドターミナルに呼び出してあった現場写真を見せてきた。

 ブラックヘアの最後の被害者であるハンク・ナカノの死体発見現場は、サンドイッチチェーンレストランの裏手にあるごみ捨て場だった。

 とは言っても、ごみ捨て場自体には金属製の巨大なごみ容器たるダンプスターが並んでいるだけで、汚れている印象はない。近隣にあるレストランで出たごみは全てこの中に収容されるが、蓋はがっちりとロックがかかるようになっているため、カラスや野犬が中身を漁れない仕組みとなっている。更にダンプスターの設置場所は、ごみ回収業者が車を横付けできるように広めの駐車スペースを備えていた。

 しかしその駐車スペースは、違法駐車防止用の鉄柵がぐるりと取り囲んでおり、今は入れないようになっている。そのため、ジャクソンも柵の外側に捜査車両を停めていた。

「死体があったのは、あのダンプスターの陰のところだ。夜間にごみの回収業者が来て、その時に発見されてる」

 先に車を降りたジャクソンが携帯ターミナルを片手に、死体発見当時の位置関係を確認する。彼が指した先には、派手なオレンジ色のダンプスターが連なってどっかりと腰を据えていた。報告書に添付されている画像は夏場のものだが、今はしんしんと降り続けている雪が至る所に半透明のヴェールを下ろしているせいで、随分と違った感じに見える。

「あれ、ごみの回収って普通は朝じゃないの?」

「料金さえ払えば、メールの一本でいつでも回収しに来る業者もいるんだよ。そいつらも、その手の連中だったんだろ」

 未来とジャクソンは言葉を交わしながら、ダンプスターに近づいていった。

 足元は、薄く積もった雪のためにかなり滑りやすくなっている。駐車スペースを取り囲んでいる鉄柵は間が狭く、小柄な未来でも身体を横にしなければ通れないほどだ。

 柵はコの字を地面に伏せたような形のよくあるものだが、日本で見かけるそれよりかなり高さがあり、未来の腰より上に届くくらいだ。そんなものが狭い間隔で二重に並んでいるのだから、鬱陶しいことこの上ない。

「もう。邪魔だなあ、これ」

 まだジャクソンが柵の間を抜けて来ないうちに、未来は毒づいた。雪が身体に積もるかと思うほど寒い中で余計な神経を使わされると、尖った神経に更に障るのだ。

「死体が発見された時も、あんなのがあったのかな?」

「写真じゃ、全部引っ込められてるな。けど、普段はこういう風になってるんだろ」

 やっと未来に追いついたところで、ジャクソンが柵の方をいまいましげに振り返った。

 彼がターミナルに呼び出している画像を未来も横からちらりと見たが、確かに事件当時は柵が全て地面に引っ込められた状態になっているようだった。

「この柵、死体を置いたときはどうなってたんだろ?これじゃあ、ダンプスターの横に車をつけられないじゃない」

「どっかにコントロールパネルがあるんだろ。ごみの回収業者も、そいつで柵を引っ込めてる筈だからな」

 未来が錆の浮いた鉄柵に手を置くと、恐ろしいほどの冷たさが指先の体温をあっと言う間に奪っていく。ジャクソンが言う通り、レストランの裏口らしいドアの横に制御盤と見えるパネルのようなものがあるようだった。

 彼はグレーの保護扉に隠されているらしいパネルを眺め、ついでダンプスターへと視線を送る。

「それに、犯人は死体を担いであそこまで運んだんだ。この柵があっても、あんまり関係ねえよ」

「でも、私だって隙間が狭いと思うくらいなのに。大人の男を抱えた奴がこんなところを通ろうと思ったら、間違いなく引っかかっちゃうじゃない」

 そこでジャクソンが僅かに片方の眉を上げた。

 大きな背中が反対側を向き、もう一度柵の間をくぐって道路側へと抜けていく。彼はすぐに振り向くと、また柵の間を通って未来の側に戻ってきた。一連の様子は決してスムーズとは言えず、脚のあちこちををつかえさせながら、ようやく通ってきたという風に見える。

「なるほど、確かにな。死体は確か、70キロくらいはあったはずだ。それもひどい状態で、裸の奴を」

 ジャクソンはターミナルの現場写真と自分の周囲を、しきりに見比べている。そのまま自らの考えに耽り始めたようで、足を動かそうとする気配が消えていた。

 未来はそっと同僚の側を離れ、ダンプスターの側へ向かった。彼女も自分のターミナルを取り出し、ハンク・ナカノの捜査資料を呼び出しておく。

 流石に現場は当時のままとは言えないようで、ダンプスターの場所も添付画像の位置から微妙にずれているのがわかる。

 正確な位置関係を確認するため、未来はダンプスターを20インチ(約50センチ)程度押して動かし、更に角度を調整した。ハンクの全裸死体が横たえられていた地面を詳しく見ようとしてかがむと、全身がダンプスターの影に覆われ、狭い周囲が真っ暗に等しくなるのがわかった。

 駐車場に面している道路は比較的開けていように見えるが、実は表通りよりもかなり暗く、交通量は思っていたよりずっと少ない。今が冬で夜遅いせいであるとしても、人目を避けるには好都合だっただろう。

「ここにしゃがめば、道路の方からは完全に見えなくなるみたい。ほら、丁度街灯の影になるから」

 未来がダンプスターの陰から顔を出して呼びかけても、ジャクソンは彼女の方を向こうとしない。革靴の爪先で積もり始めた雪を静かに蹴り散らして、しきりに考えているようだ。

 普段と違う彼の様子を不審に思った未来が立ち上がり、大きな立ち姿に駆け寄っていく。

「どうかしたの?」

 全く集中力を乱さずに佇んでいるジャクソンは、髪に水滴がついていることにも気づいていないようだった。寒さに頬を赤くして走ってきた未来の足音が大きくなってから、ようやく顔を上げて彼は言った。

「いくら犯人が証拠を残すことに無頓着でも、こんなところに死体を捨てる気になったってのが妙に引っかかるんだ」

 ジャクソンの黒い瞳は、弱々しいオレンジ色の街灯に照らされたダンプスターの真っ黒い影と、ターミナルの薄明るい画面とを交互に飛び回っている。次いで、雪がつき始めた鉄柵を爪で弾いた。

 高く短い響きが、表通りを走る車の音の届かない駐車場を渡っていく。

「見てみろよ。この柵はお前みたいなチビならいざ知らず、並の体格の男だって、間違いなく通るのにちょっとは気を使う。死体を抱えてたんなら、足元だってよく見えなかった筈だ。運が悪けりゃ、そのまますっ転んじまう」

 ジャクソンが白い息を吐き散らして未来の顔を見ると、小柄なことを気にしている彼女は最初の一言にむっとしているようだった。

「チビで悪うござんしたね」


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