特殊部隊CVC -6-
肩を並べて指令室に戻ってきたジャクソンと未来は、それぞれヘルメットを外して素顔を外気に晒していた。二人とも額に汗が光っていたが、金属の手甲で顔を拭うわけにもいかず、乾くのをそのまま待つしかなかった。
「二人とも、少しは相手のことがわかったか?」
武装した二人のサイボーグの前に立ったバーニィが、感情を乗せない声で質問する。彼は生身であるにもかかわらず、大型ヒューマノイドのようにごつい外見の二人の前にいても不思議と貧相に見えなかった。
「ああ。ミキは予想以上に手強い相手だった。わくわくして楽しかったよ」
「私も、ジャクソンの戦闘能力の高さには驚きました。特にパワーは、私以上のようですし」
未だ興奮冷めやらぬジャクソンに対し、未来の口調は落ち着いている。しかし、彼女の刺々しさを隠せずにいる言葉はまだ続いた。
「でも、オーディンの形態が二段階の武装だったなんて。そんなこと、聞いてませんけど」
「知らせずにいて当たり前だ。全く未知の敵を相手にしたときも、事前に情報がろくにないんだからな。それぐらい、とっさに何とかできずにどうする」
不満を剥き出しにしている未来へ、バーニィが無遠慮に返す。
確かに、それもそうだった。
それに訓練前、互いのことについて何も知らないのは同じなのだから条件は同じだと、未来自身も考えたはずだ。だから探知能力を駆使すれば勝てるはずだ、と踏んだのだ。
今回装甲により多くのダメージを負い、敗北という面白くない結果に終わったのは、結局は未来がジャクソンのことを甘く見ていたことが大きな原因だ。相手の能力を見誤り、判断を誤り、戦い方を誤ったのだ。
バーニィの一言にぐうの音も返せなくなった未来が、唇を噛みしめて押し黙る。
構わずバーニィは、手にしている小さなノートをめくって先を続けた。
「とにかくだ。明日からの訓練は一日おき、二人の連携を重視したメニューのものを中心にやっていくことにする。場合によっては、演習相手が実弾を使ってくることもあるからな。覚悟を決めておけ」
「へえ。ってことは、海兵隊やHRTの連中が相手ってことか?だとしても、俺たちは実弾は使えないってことなんだろ。銃の反動が全くないと勘が狂うから、せめてラバー・ショック弾くらいは使わせてくれよ」
実弾を使用した訓練という内容に少しも驚くことなく、ジャクソンの様子は明るい。
ラバー・ショック弾は、文字通り硬質ゴムで作られた銃弾である。
貫通力は皆無だが、通常の弾丸よりも大振りなそれを特殊な銃から撃ち出すことで、標的となった人間に激しい苦痛を与えて行動不能に陥れるのだ。物理的破壊力は乏しく、用途によって通常の銃との使い分けが必要なため、使いどころが難しい武器とされている。
逆に、犯人を生け捕りにすることに主眼を置いたCVCにはうってつけと言えるだろう。近年、警察のSWATや軍の一部でも採用が広まりつつある銃器でもあり、こちらは暴動鎮圧時に主に使用されていた。
「詳細は隊長が各部隊と交渉中だ。訓練のない日は、通常の捜査に当たるようにしろ。捜査には基本二人で行け。くれぐれも外部の人間に、お前たちがただの人間ではないことを知られないようにな」
「へいへい」
ジャクソンがヘルメットを弄びながら返事をしても、バーニィのむっつり加減は変わらない。未来から見ればこの大柄な黒人青年の態度は呆れるほど不真面目だが、戦闘チームの面々はもう慣れているのだろう。
「それから、ミキ」
「はい?」
バーニィから不意に名を呼ばれ、応えた未来の声音が上がる。
「お前は明日から、NOTSの基礎カリキュラムに参加しろ。一日おきにしておいてやるから、1ヶ月程度みっちり鍛え直してこい」
「え?基礎訓練って、そんな……」
未来は思わず眉の端を吊り上げて、憮然とした顔になりかけた。
NOTSはHRT、つまり人質救出チームの入隊試験をパスし、これから戦い方のノウハウを学ぼうとする新人戦闘員たちの訓練クラスである。
勿論HRTは、過酷極まりない2週間の選抜試験をくぐり抜けた猛者にのみ所属が許される、FBIでもエリート中のエリートが集う部隊だ。新人隊員とは言っても、元プロのアスリートや軍、警察出身者がそのほとんどを占める。
そんな屈強を絵に描いたような彼らでさえ頓挫する者がいるのが、5ヶ間に渡るNOTSの訓練だった。肉体訓練を始めとして、爆発物を使用した突破や要人警護、戦術ヘリコプター作戦までをここで仕込まれるのである。そうして彼らは、一介の捜査官から一流の戦闘員へと脱皮していく。
が、未来は既に海兵隊特殊部隊流の戦闘術を身につけている。今更基礎訓練など、全く必要ないはずなのだ。少なくともその程度の自覚はあった彼女がまだ文句を言おうとしたのに先んじて、バーニィが低く言い放った。
「今の訓練で、お前が何度相手を殺したか知りたいか?」
義手の戦闘コンサルタントの態度は普通に話している時と全く変わらなかったが、武装した未来を一瞬たじろがせるほどの威圧感を含んでいた。
唇の手前まで出かかっていた単語を飲み込む未来を、バーニィが冷ややかに見やる。
「同じことを何度も言わせるな。我々CVCはの目的は、事件の犯人や首謀者を生け捕りにすることだ。もしお前の不手際で犯人が死んだら、そのせいで他の捜査官たちがどれだけの痛手を被ると思う?」
未来は何も言い返せなかった。
バーニィの言ったことが正論だったせいもある。
だが、彼が全身に纏っている厚い岩のような空気が、固く彼女の喉を塞いでいたのだ。
「FBIは重大な事件でも最大の手がかりを失わないために、CVCを作った。そのために、我々はここにいる。それをもう一度、頭に叩き込んでおけ。お前一人のミスのために、FBIの信用を失墜させるわけにはいかん」
静かな強面の男が続けて発する言葉全てに、重い響きがあるようだった。
彼は決して怒っているわけでも、強く命令しているわけでもない。
どちらかと言えば静かに相手を諭しているだけなのに、その場にいる人間全てを黙らせるほどの迫力を感じさせるのだ。
それでいて少しも嫌味に感じたり、反抗心が湧き起こらないのは、職務にひたすら忠実であろうとする姿勢がしっかりと見えるからなのだろう。
「お前はまず、軍隊式の戦い方を全て忘れることから始めろ。いいな?NOTSの主任教官には、俺から話を通しておく。午前のプログラムは朝5時から開始だが、詳細は後でメールを送る。忘れずに確認しておけ」
ここで要求されるのは、相手を殺すことではない。
犯人の捕捉と犯罪を調査すること、そして市民を守ることだ。
最後は未来の瞳を射るように見据えて命令したバーニィは、CVCの理念を言葉を用いずに今一度伝えてきたのだ。
「返事は?」
まだ何も返せずにいた未来に、バーニィが無表情に問う。
「了解しました」
未来が慌てて答えても、やはり彼は感情を見せずに頷くだけだった。そして、さっさと一人で指令室を後にする。
その背中を全員が見送っていたが、軽く息をついたエマが眼鏡を直し、クリップボードのスケジュール表を確認しながら口を開いた。
「じゃあ、午後はランチの後に個々の作業ね。ミキがNOTSに行くならメンテナンスの予定も調整が必要だから、ドクター・スギタと少し相談がしたいんだけど」
「ああ、そう言えばそうだな。後で貴女のオフィスに行くよ」
やれやれ、と言いたげながらも杉田はほっとしたような様子だ。彼はこういった場の緊張が苦手なのだ。
「それにしてもミキ、所属早々災難だな。でもまぁ、最初はジャクソンだってバーニィに全く同じことを言われてたんだ。通過儀礼だと思えばいいよ」
「……え、そうなの?」
「おいおい、トリス!余計なことは黙っててくれよ。折角、先輩として適切なアドバイスをしてやろうかと思ってたのに。格好がつかないじゃねえか」
ぽんと肩を叩いてきたトリスと一緒に未来がジャクソンの方を振り返ると、黒人の大男はひょいと肩をすくめた。オーディンを纏った姿のおどけた仕草に、ぴりぴりしていた雰囲気が柔らかくなる。
「もう昼だし、みんな一緒にオフィスへ戻ることにしよう。僕がピックアップトラックを運転するから、ジャクソンと未来は荷台に乗るといい」
「ああ。有り難く、そうさせて貰うことにしよう」
杉田の言葉にジャクソンが明るく答え、未来が頷いた。
「ジャクソンのパージしたパーツはもうロボットが回収してくれてる頃だろうし、僕とエマはこのままランチに行くよ。食堂のピザはなかなか旨いからね」
腹を空かせた様子のトリスは、もうピザをかじる自分を想像しているのだろう。涎が垂れそうな顔を見せている。
「私は食事をしたら、娘の様子をちょっと見てくるわ。ドクター・スギタは、1時半くらいにオフィスに来てちょうだい」
エマが娘のことを口にしたことに、未来は驚きを隠せなかった。一見すると仕事が恋人のキャリアウーマン風に見えるエマに、小さな子どもがいるというのは意外だった。
エマとトリスが退出した後に残った杉田と未来、ジャクソンは、指令室の現状復帰を確認してからピックアップトラックに乗り込み、ホーガンズ・アレイを後にした。
穏やかな秋の空気の中を、3人が乗るトラックがアカデミーの建物を目指しのんびりと走っていく。
「いい天気だな。あのまま、もうちょっと訓練をやってたいぐらいだったぜ」
ごとごとと揺れる荷台で、仰向けになったジャクソンが運転席の方に寄りかかり、雲一つない空を仰いだ。大柄な彼が頭の後ろで手を組むと、ただでさえ幅がないピックアップトラックの荷台が余計に狭く感じる。
「私だって、装甲に限界が来なければ続けたかったよ」
その隣でヘルメットを抱えてちんまりと座っている未来も、晴れ渡った空を同じように見上げた。荷台の横幅は狭いが、何とか足を伸ばせるのが有難い。
「悔しいけどさ……あんた、強いよ」
やや口を尖らせてそっぽを向きながらも、未来はジャクソンに対して素直にそう言わずにいられなかった。
彼はP2以外の本格的に改造されたサイボーグで、初めて戦った相手だ。
P2のあらゆる面に躊躇しない戦い方は見事だったが、相手の特性を短い間に把握して柔軟に戦うジャクソンの腕にもまた、素直に感心できた。
が、それをそのまま伝えるのもどこか癪に触る。
これが今の未来が表現できる、ありったけの賞賛だった。
「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか。けど、お前も十分強い。素人上がりだなんて、信じられねえよ」
未来の方を向いたジャクソンは、屈託がない笑顔を浮かべている。その純粋な感情を隠さない正直さに、思わず毒気を抜かれてしまうくらいだ。特に意識せず、未来も力んでいた口許を緩ませる。
「日本で私を鍛えてくれたのが、元海兵隊の特殊部隊出身の人だったからね。だからここまでになれたんだよ。彼には感謝してるんだ」
「リーコンの出身者なのか。本当かよ?バーニィと一緒だな。ひょっとしたら、お互いに顔ぐらい知ってるかも知れないな」
「バーニィも、海兵隊の特殊部隊出身なんだ」
未来の声には驚きと言うよりも、やっぱりそうなのかと納得する響きがあった。それならば、最初に会ったときや訓練後に感じさせられた強烈な気迫があったことにも頷ける。
「ああ。俺も詳しいことは聞いてないけど、大尉かその辺りだったらしい。あんな身体になったのも、現役時代のことみたいだし」
「両腕が義手になってること?」
「腕だけじゃなくて、内臓も大部分が人工臓器だそうだ。CVCに来てからは、エマに時々診てもらってるらしいけど。俺たちと違って、マスプロ製の人工パーツだからな。メンテナンスも色々大変らしいぜ」
ジャクソンは軽い口調で続けていたが、バーニィが両腕のみならず内臓までも自前でないとは驚きだった。恐らく、戦地で地雷に巻き込まれたか何かしたのだろう。
「身体があんな状態になったから、軍にいられなくなったの?」
「さあな、俺もそこまでは知らねえから。でも、FBIの新設特殊部隊のここにいるぐらいなんだし、腕がいいのは確かなんだ。俺もバーニィにしごかれて、だいぶましに動けるようになったからな。彼の下にいればお前も間違いなくまだまだ強くなれるし、捜査官としての腕も磨けるさ。それは保証する」
「ずいぶん買ってるんだね、バーニィのこと」
「チームメイトを信用するのは当たり前のことだろ?」
逆に不思議そうな顔でジャクソンから言われた未来は適切な返事を見つけられず、複雑な思いでその言葉を噛みしめた。
FBI捜査官に限らず、保安官や警官も含めたアメリカの法執行官たちは、非常に横の連携が強い。特に一度信頼した相手は絶対に裏切らないという信条があるし、法執行官の一人が殺害されたというニュースが流れれば、職種が違う皆が一丸となって怒りに震える。そして仇を討つために組織を越えた協力関係を築き、犯人の逮捕を誓い合うのだ。
そのときの結束力の固さは、軍隊といい勝負だろう。
未来がFBIアカデミーで最初にその話を聞いたときは、ちょっと大袈裟だと思ったものだ。が、フレデリックスバーグ駐在事務所に配属されてからは、それが事実であることを日々実感させられることも多かった。
チームメイトを信用して当たり前。3年前にサイボーグになってから様々な負の感情を一度に背負った彼女には、シンプルだがまだ重い言葉だった。
「それよりミキ、どうしてお前はサイボーグになったんだ?」
「……いきなりな質問だね」
話題の矛先を突然こちらに向けてきたジャクソンに、未来は軽くジャブでも喰らったかのようだった。あまり真面目になりすぎないように気をつけて、言葉を選ぶ。
「でもさ、人に何か聞く時は、先に自分のことを話すのがマナーじゃない?」
「俺がサイボーグになった理由か?」
「そう。私、自分以外のサイボーグとまともに話したのは初めてだもん。敵以外ではね」
「そりゃあ勿論、ヒーローになりたかったからだよ」
「……ヒーロー?」
ジャクソンの答えは、アメリカに生まれた少年なら誰でも一度は夢見たことそのままだ。
予想もしていなかった意外な答えに、未来の鸚鵡返しにも一瞬の間が必要だった。
「ああ。アメリカで誰よりも強くて、悪人を捕まえられるだけの権限があって、弱い一般市民を守れるヒーローだよ。俺はガキの頃から、Xメンやバットマンになりたかったんだ。もともと俺は運動神経だけが取り柄だったから、陸軍に入ったんだけどな」
未来の方を見ていたジャクソンは再び空の向こうへと視線を飛ばし、懐かしそうに目を細めていた。
「軍でデルタ・フォースに入って暫くしてから、FBIがサイボーグの志願者を募集してるって聞いたのが最初だった。サイボーグ手術が成功するかどうかのリスクはあったけど、これだ!って、俺は思ったね。だから選抜試験に残れたときは、本当にイっちまうくらい気分が良かったよ」
「そっか。テストをパスした人だけが手術を受けられたんだね」
「他にも合格した奴はいたけど、結局最後まで手術を受け続けられたのが俺だけだったんだ。途中で色々あるにはあったが、俺はようやくヒーローの夢を叶えられたんだ。天に昇るくらい嬉しかったよ」
そこで、鋭く未来が口を挟んだ。
「ちょっと待って!手術を受け続けられたって、どういうこと?」
「改造は、段階を踏んで徐々にやっていくことになってたんだ。身体を強化したはいいけど、それを使いこなせない奴だっているわけだろ?最初に腕、次は脚、その後は心肺機能って感じだったと思う。で、それぞれの手術の間にまた選抜試験をやって、一定の基準をクリアした奴だけが次に行けるって寸法なわけだ」
「……じゃあ、身体の一部だけが強化された人たちもいるってことなの?」
「そういう奴らは、多分軍のどっかで働いてるさ。異動はあっただろうけどな。サイボーグに志願した時点で、一生政府機関の所属になるってことは同意を取ってるし、どんなところでも活躍の場はあるだろうから」
ジャクソンから選に漏れた志願者たちの話を聞いて、未来は胸を撫で下ろした。もし当時のAWPが同じことをやっていたら、機密保持の観点から失格者を処分しかねなかっただろう。こちらは流石にアメリカ、更に国家単位のプロジェクトだけのことはある。
「で、お前はどうなんだよ?」
自分の過去を語り終えたジャクソンが、興味津々といった様子で見つめてくる。
「ええと……私は、偶然みたいなもんだよ。サイボーグになったのは」
「偶然?」
「うん。私が乗ってた車が高速道路の高架から落ちて、燃えたんだよ。当然私は瀕死の状態だったんだけど、助かるにはダメになった部分を全部人工のものに変えて、サイボーグ化するしかなかったんだ。ただ、当時は軍事用の試験パーツしかなくて……」
未来の話に、ジャクソンは真剣な眼差しを向けてきている。目を逸らさず、しかし彼の瞳を正面から見ることは避けて、未来は続けた。
「言ってみれば、私が助かるには軍事用サイボーグになるしかなかったってこと。だから戦うことに関しては全くの素人だったんだけど、まさかここまでになるなんて思ってなかったよ。私がここにいること自体が、全くの奇跡なんじゃないかと思ってるぐらい」
「奇跡なんかじゃないだろ。お前が自分の能力をちゃんと伸ばせなかったら……何か一つだけでも欠けてたら、俺たちはこうして会うことも、パートナーになることもなかった。お前は多分、自分が考えてるよりもっとすごい奴なんだぞ?自信を持てよ」
ジャクソンが金属の手甲に包まれた手を未来の頭に乗せて、くりくりと撫でた。
相変わらず彼は屈託がない笑顔を見せているが、声の調子は僅かに下がっている。恐らく、未来が本当のことを話していないのに気がついているのだろう。彼もFBI捜査官だ。根はお人好しなのかも知れないが、馬鹿な男ではない。
それに、相手が真実を話していない点に敢えて突っ込まないだけの配慮も、きちんと弁えている。未来を仲間と認めてくれたからこそ、細かい気も回してくれるのだろう。
事実を伝えても、多分ジャクソンは他言など決してしないだろう。しかし未来は、必要がある時に話せればいいというくらいの気持ちでいたほうが楽だった。これまでの紆余曲折をありのままに話すのは、日本の仲間たちの暗い側面を教えることにもなる。
「今日は午後から一緒に捜査だ。ウォーリーから、最後の被害者の交遊関係を洗ってくれって頼まれてるからな。ランチが終わったら、オフィスまで迎えに行くよ」
「うん、ありがとう。これからは訓練だけじゃなくて、捜査でもよろしくね」
CVCでは、どうやらいい仲間に恵まれそうだ。
ジャクソンの言葉に未来が笑顔で頷いた頃、杉田が運転するピックアップトラックは、アカデミー兼研究所の業務車両用駐車場にさしかかっていた。