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社会問題

群集心理と扇動

作者: せいじ

 DJ SODA氏に関わる騒動を見て、色々と思うことがあり、考えを書こうと思います。


 事件の概要はすでに報道されている上に、加害者とされる方々の謝罪もあるので、そこについては論じません。

 

 気になったのは、DJ SODA氏に責任があったのではないかという、そんな意見があります。

 

 DJ SODA氏の格好が、つまり挑発的というか、肌を露出する格好に問題があったのではないかと、そう主張する論客がいます。


 それはそれで、一理あります。

 公然わいせつ罪という刑法もありますが、その意味するところは秩序の維持に著しく支障をきたす可能性があるからでしょう。

 だって、裸で歩いていたとしても、恥ずかしい恰好をしているのは本人なんですから。

 ただ不快だからという理由だけで、この刑法は適用されないでしょうから。


 DJ SODA氏の格好は確かに派手でしょうが、少なくとも罪に問われるような言われは無いでしょう。

 表現の自由の範疇であるからです。


 そしてそのDJ SODA氏は、その表現をすることを生業にしており、それを応援する人々もかなりいます。


 だいたい、これがダメなら、世界的なアーティストであるマドンナはどうなる?

 

 あるいは、AKB48だって、見方を変えれば十分問題視されます。


 児童っぽく見せること自体、アウトな国だってあるんですから。


 だが、これはすべて表現の自由の範疇であり、無制限で無責任な行為とは言えないと考えます。


 とは言え、胸を触られた、あるいは揉まれたことを問題視すべきかどうかと言えば、正直これには首を傾げます。


 お相撲さんだって、興行中に身体をぺたぺた触られますけど、彼らがセクハラだと訴えることは聞いたことがありません。


 お相撲さんの身体に触れるのは、縁起がいいからです。


 もっとも、取り組み前に触ろうとしたら、まあにらまれたりするでしょうけど。


 そしてDJ SODA氏の身体に触れた行為も、性的欲求を満たそうというより、一種の群集心理とでも言うべきか、多数の集団内から突出しようとした、簡単に言えば目立とうとした結果、ああいった事故が起きたと推測出来ます。


 ファンがアーティストに対して自分を必死にアピールするのは、むしろ普通のことだからであり、熱狂的なファンがいる証拠でしょうから。

 極度の興奮状態では、人はそれこそ心神喪失状態になり易く、気が付いたら柔らかい何かを揉んでいた可能性があります。


 スーパーでパンを揉んでいる、迷惑客が居るように。

 私でも、ホームセンターでクッションを物色していた際に、どれぐらい柔らかいのか触ったり揉んだりします。

 人とクッションは違うだろうと言われるでしょうけど、それはあくまでも冷静な時の話です。

 だって、DJ SODA氏の身体に触れたのは男性だけではなく、女性も居たんですから。

 とは言え、やったことを容認はしませんし、していい話でもありません。

 しかし、満員電車で女性の身体に触れたら、即痴漢にはならないはずです。

 意図的かどうか?

 避けられたかどうか?

 偶然かどうか?


 もちろん、えん罪事案もありますし、痴漢防止の為に女性専用列車を時間帯を区切って用意されています。


 その為、女性は女性専用車両に乗るべきだと言う、そういった声もあります。

 その気持ちも、分からなくもありません。

 私も満員電車で、偶然でしょうけど若い女性に囲まれた時は、生きた心地がしませんでしたから。

 女性が私の背中や肩にもたれ掛かってきた時は、どうしたらいいんだろうと悩んだぐらいです。

 それでも私がどうにかして、彼女たちから距離を取ると、空いた空間の分彼女たちが接近してきた事には、正直参りましたけど。

 スマホに夢中だったから、彼女たちも自分達がどんな状態だったか、理解出来なかったのかもしれません。

 私はあなたたちの壁ではありませんと、声を大きくして言いたいと、今なら思います。

 

 だからといって、女性に対して女性専用車両に行けとはならないはずですし、女性専用車両に乗らなかったんだから、痴漢の被害に遭うのは覚悟しろは、話が違うと思います。


 それらを踏まえると、DJ SODA氏は一方的な被害者であるとも言えませんし、DJ SODA氏があんな恰好をしているから悪いんだともなりません。


 だから、これは不幸な事故であり、いちいち訴えると強面になるのも筋違いと思います。


 とは言え、被害を訴えるのは自由ですので、そこは尊重しますが、私は今回の問題は、そもそも運営側にこそ問題があったのではないかと考えます。


 問題なのはアーティストとファンとの距離であり、あまりにも近すぎていたのではないかと思います。

 

 つまり、ああいった事故は想定の範囲内であり、もし想定していなかったら、それこそ運営は素人の集まりとなります。


 興奮した群集が、何をするか分かりません。


 こういった興行を打つ場合、そのリスクは当然考慮すべきでしょう。

 

 今回はセクハラ的な事例でしたが、相手が至近距離で刃物を使った凶行に出ていたら、セクハラだと暢気に言えないでしょう。


 実際、暴走した一部のファンが、アーティストを襲った事例もあるので、いくらファンとの交流が目的とは言え、身体を触られるまでファンの接近を許したのは、運営側の責任ではないだろうか?


 では、アーティストに責任は無いのかと言えば、あると言えばあるし、無いと言えば無いでしょう。

 ああいったフェスみたいな場所では、アーティストが暴走して観客席に飛び込んだりするのも、決してゼロではないからです。

 観客から差し出されたアルコールや食べ物を食べたり飲んだりして、大いに盛り上がったフェスもありますが、それだって事故が無いから容認されています。


 あくまでも、盛り上がることが第一であり、大人しく座ってパフォーマンスを見ているのは、趣旨とちょっと違うのではないだろうか?


 ファンとの一体感から、ある一線を越えるアーティストもまた居るからです。


 ファンもアーティストも、興奮してなんぼでしょう。


 だって、お祭りなんですから。


 そこを冷静になれなんて言えば、お前はKYだと言われるでしょう。


 そうは言っても、いかなる事故も防がないといけません。

 下手をしたらイベントの開催が出来なくなりますし、自治体からもう来ないでくれと要請される場合もあります。


 実際、自治体がビビってイベントの開催中止を申し入れたような事例もあるように、その意味では表現の自由はあって当たり前ではないからです。


 守り続けないといけないからです。


 だからこそ、運営側が身体を張ってファンの接近を阻止すべきであり、と同時に、事故が起きた際の手当てもきちんとすべきでした。


 恐らくですが、DJ SODA氏はその派手な出で立ちから、色々と誹謗中傷を受けている可能性があり、それでああいった対応を取ったのではないでしょうか?


 他人から、訴えないとダメだよとか、ここで引いたら被害が拡大するよとか、あるいはセクハラ行為を容認したことになるよとか、色々と言われたのでしょう。

 あなたが挑発したと、思い込まれるよとか。


 実際、私のような一般人ですら、何か問題があれば善意の助言者が多数現れ、ああしろ、こうしろ、こうしてはどうかなと色々と助言をしてきます。


 それを無視するには、よほどの強い意志がなければだめでしょう。

 中には、助言を無視したことを根に持って、敵対者と思い込むような人も居るからです。


 特に目立つ人は標的になり易く、心が挫けることもままありますし、DJ SODA氏のような人は、恐らくはハラスメントの被害に遭いやすいのではないかと思われます。


 その結果、自殺をした人だって、居るんですから。


 その意味で今回の騒動は、運営側とDJ SODA氏が所属する事務所の責任であり、そこは猛省してもらいたいと思います。


 そしてDJ SODA氏には、ファンと和解して欲しいと思います。

 


 結論としては、みんな頭を冷やしましょうと、ただそれだけです。

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― 新着の感想 ―
[一言] えーアノ事件ですが昭和な自分に言わせれば 場末のストリップ小屋の常連のオッサンの方が よほど分別があったワケで。今後は運営のみなさんも コワイお兄さん雇って、アナウンスに 「踊り子さんに手を…
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