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第8話 ライトブルーの瞳

 それにしても、この田中さんって、外人みたいな色白の顔、大きくてライトブルーの瞳、でも腰まである長い髪の色は綺麗な黒、ハーフらしく見えない日本的な顔。不思議な女子だよな。後ろの背景までキラキラ光ってる感じがするね。



 僕が田中さんの顔を、恐らくやぶ睨みの変な表情で見ていると、田中さんも僕の表情の変化が気になったらしくさらに距離を近づけてきた。


「あれー?私、松川君に嫌な事したかな?……ひょっとして嫌われちゃった?」


 そこへ、まるで僕の事を全てお見通しのような感じで清水君が、僕にさらに近づこうとする田中さんを遮るように言う。


「おい、ハナ棒そのくらいにしといてあげなよ。これ、見てほしいんだけど」


 その瞬間、田中さんの顔色が怒気に満ちた阿修羅のような表情になり大きな声で怒鳴った。


「おまえ清水! その呼びかた止めろって、あれほど言っただろ!」


 あっ田中さんの両目のまぶたと眉毛が1度づつ上下に細かく動いている……


 この動きは、清水君への凄まじい敵意、って言う事は清水君に殴りかかるぞ、本気だ!僕は咄嗟にそう思った。



「ゲス海ぃいいいいいい覚悟しろよおおおおお!!」


 田中さんのこぶしが勢い振り上げられる、そしてその拳が向かった先にいる清水君の顔の表情を伺うと……


 え?え?まるで微動だにしない? 清水君の表情はまるで変化無く穏やかさを保っていた。


 こんなに敵意を向けられているのに表情一つ変えないって事は考えられる可能性は3つ。



 可能性その1清水君は武道の達人、どんな攻撃でも瞬時にかわせるスキルの持ち主。


 可能性その2 清水君は相当な間抜けの馬鹿。


 そして三つ目の可能性は、相手が手加減してくれることを事前に分っている、そしてその理由はお互いに信頼し合っているような関係が二人にはあるって事。


 この中で一番可能性の高そうなのはって事は……



「まぁまぁ、そのことは置いといて」


 そういうと、さっき佐藤先生が渡した書類を田中さんに半ば強引に押し付けるように渡した。


「ちょ、ちょっと何だよこの書類は?え?嘘……マジ?」


 田中さんは渡された書類の最初の何行かを読んでいると表情から落ち着きを取り戻したようだった。


 そしてその表情は少しだけ悪意に満ちた笑みを浮かべる顔つきに変わった。





「ああ~、そういう事ね、分かった。ふ~ん、女の子と話すのが…、だから佐藤ゴリラがここに押し込んだのか、納得」


「ということだから、田中は松川君を丁重に扱ってくれよ」


「分かった、じゃあ、私はあまり近づきすぎないほうがいいよね?松くん?下の名前はなぁに?」



 そう言うと、田中さんは少しだけ前のめりになって、足の位置はそのままで僕との距離を縮めようとする。



 いや、あの~…、女の人と話すの苦手って分かってくれたんじゃないの?って言うかまだ自己紹介終わってないのかよ!


 でも、さっき本当に清水君を殴ろうとしたからなここは穏便にさっさと済まそう。危険回避が僕のモットー。


「考基です」


「へえ~、こうきくんかぁ、私は田中、宜しくね」


「はあ、宜しくお願いします」


 田中さんは奥の机に戻っていくとさっき失敗した書類の作り直しを始めたようだった。人には下の名前聞いて、自分は言わないのね。よほど人に言いづらい名前なのかな。



「これから、生徒会の表向きの簡単な仕事から教えるよ、まあ最初は手書きの書類のPC打ち込みとかになるから緊張しないで」


「わかりました」


 表向き? まあ、形式的って事かな?

 首をやや斜めに傾げながら僕は、作業を始めた。

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